海の京都物語 第136話 大庄屋上野家はんで江戸のくらしにほっこりするんどす|日本酒YUTAKA(豊)
先週のお話、若の湯はんの番台に腰掛けながら聞いた昔語り、まだ胸の奥にほっこり残っとりますなあ。湯上がりの余韻に浸ったところで、今日はまたガラッと趣向を変えて、加佐の里に静かに佇む江戸時代のお屋敷を訪ねてみますんえ。
今回お邪魔するんは、舞鶴市西方寺(にしほうじ)に今も残る「大庄屋上野家(おおじょうやうえのけ)」はんどす。田辺藩の政(まつりごと)を村々で支えた大庄屋いう大事な役目を担わはったお家の屋敷で、茅葺き屋根の主屋がどっしり構えとる、まさに江戸の農村風景そのままの佇まいどすんえ。
「大庄屋」言うたら、複数の村々をまとめて年貢や争いごとの取りまとめをした、いわば江戸時代の村々のまとめ役どす。そないな大事な役目を担わはった上野家はんの屋敷が、今も舞鶴の地にちゃんと残っとる言うんは、なかなか貴重なことどすなあ。
🏯伊賀国から丹後へ、大庄屋になるまでの歩み
上野家の始まりは、なんと室町時代の文明10年(1478年)まで遡りますんや。伊賀国から丹後国加佐郡岡田庄西方寺村へ移り住まはった上野宗信はんが、この地で農業と養蚕を営みながら暮らしを立てはったんが最初どす。
それから時代が下って江戸時代の文化7年(1810年)、9代目の弥一郎宗永はんが、田辺藩から14の庄屋をまとめる「大庄屋」役に任命されはったんどす。以来、上野家では代々当主が「弥一郎」いう名を受け継いで、村々の暮らしを支える大事な役目を果たしてきはったんどすなあ。
🏡茅葺きの主屋と鬼瓦が語る建築年代
今に伝わる主屋は、江戸時代後期の建造どす。天保13年や弘化3年(1846年)いう年号の入った鬼瓦が使われとることから、この頃に建てられたんやないかと考えられとります。茅葺きの屋根は合掌組の造りで、周りには瓦葺きの下屋庇がぐるりと巡らされとって、風格のある佇まいどすんえ。
奥座敷は大正時代に増築されたもんで、元々は田の字型の間取りやったそうどす。何百年分もの暮らしの積み重ねが、柱の一本一本にしみこんどるような、そんな重みを感じるお屋敷どすなあ。
🎋国の登録有形文化財と庭園の名勝指定
この屋敷と蔵は、国の登録有形文化財に登録されとります。ほんで書院造りの庭園は、京都府の文化財(名勝)にも指定されとって、建物だけやのうて庭の佇まいまで大事に守られてきたお屋敷やということが伝わってきますんえ。
長屋の二階には展示室もあって、江戸時代に作られた「丸屋大木平蔵」「八幡太郎義家公家人形」いう五月人形が飾られとります。京都の人形師の手による人形やそうで、当時のお屋敷の暮らしぶりや、子供の成長を願う心持ちがそのまま伝わってくるような品どすなあ。
☕今は古民家カフェとして生まれ変わった上野家
今の上野家は、加佐地域農業農村活性化センターとして活用されとって、蔵を使うたギャラリー展や、農業・田舎体験ツアーも受け入れとります。館内の見学は無料で、8時30分から17時15分まで、水曜日はお休みどす。
敷地内には「お茶とお菓子とごはん。ダイニングカフェCASA」いうお店もあって、茅葺き屋根の下でお茶やお食事もいただけるんどすんえ。江戸時代の暮らしの息づかいを感じながら、ゆったりお茶する時間、なんや贅沢な気ぃがしますなあ。
📍行っ得メモ
・住所:京都府舞鶴市西方寺285
・アクセス:JR西舞鶴駅から車で約20分/京都縦貫道舞鶴大江ICから府道533号経由で約2km(車で約5分)
・開館時間:8:30〜17:15(水曜定休)
・入館料:無料(見学自由)
・駐車場:あり(10台)
・電話:0773-60-8200(加佐地域農業農村活性化センター)
村の暮らしを支えた大庄屋はんのお屋敷が、こないして今も舞鶴の地でちゃんと息づいとるいうんは、ほんまありがたいことどすなあ。茅葺きの屋根の下で江戸時代の農村の暮らしに思いを馳せる、そないなひとときを過ごしてもらえたら嬉しいどす。
こないな古民家でいただくんやったら、純米大吟醸YUTAKA(豊)はぬる燗くらいの温度で、ちょっと厚みのある陶器の盃でいただくんがようお似合いどす。江戸時代から続く上野家の柱や梁のように、じんわり深みのある米の旨みが、口の中でゆっくり広がっていく感じ。囲炉裏端で一杯傾けとるような、そんな温もりを味わえる一杯になりますえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 大庄屋上野家って、どないなお屋敷なん?
A. 田辺藩の政(まつりごと)を支えた大庄屋・上野家に伝わる江戸時代後期のお屋敷どす。茅葺き屋根の主屋と蔵は国の登録有形文化財、書院造りの庭園は京都府の文化財(名勝)に指定されとりますんえ。
Q. 大庄屋いうんは、どないな役目なん?
A. 江戸時代、複数の村々をまとめて年貢の取りまとめや争いごとの仲裁を担った村役人のことどす。上野家は文化7年(1810年)、9代目弥一郎宗永はんが田辺藩から14の庄屋をまとめる大庄屋に任命されはったんどすんえ。
Q. 上野家はんは今、見学できるん?
A. はい、館内の見学は無料どす。8時30分から17時15分まで(水曜定休)開いとって、蔵のギャラリー展や江戸時代の五月人形の展示も見られますんえ。敷地内のダイニングカフェCASAでお茶やごはんもいただけますえ。
Q. 上野家を訪ねたあとには、どないな一杯がええ?
A. 茅葺きのお屋敷を巡ったあとやったら、純米大吟醸YUTAKA(豊)をぬる燗くらいの温度で、厚みのある陶器の盃でいただくんがようお似合いどす。江戸の暮らしの温もりを感じながら、じんわり深い米の旨みを味わってみておくれやす。
京都 丹後