海の京都物語 第301話 君尾山の奥深うで二千年のときを重ねはった幻の大トチどす、山一番の巨木はんにそっと手ぇ合わせとくれやす|日本酒YUTAKA(豊)

•

 「海の京都物語」もはや三百一話を数えさせてもろうて、綾部の町にはまだまだ語り尽くせへん物語がぎょうさん眠っとります。これまでグンゼの繭蔵や大本の社、水源の里の渓谷、黒谷和紙の里と、いろんな顔を訪ねてまいりましたけど、今日はちょっと山の奥深う、人知れず生き続けてきた一本の巨木のお話をさせとくれやす。

 舞台は綾部市北東部、標高五百四十三メートルの君尾山。聖徳太子はんの開創と伝わる光明寺が中腹にたたずむこの山の、さらに奥まったところに、地元で「幻の大トチ」と呼ばれる途方もない巨木が立っとるんどす。

🌳 二千年の時を生きる「幻の大トチ」

 その名の通り、正体はトチノキ。京都府綾部市五津合町大ヒシロにあって、樹齢はなんと推定二千年ともいわれとります。幹の周りは十・四メートル、高さは二十三メートルにも及び、京都府内に残るトチノキの中では最大級、府の天然記念物にも指定されとるんどす。

 深い森の奥、苔むした幹を見上げてみると、気の遠うなるような年月がそのまま木肌に刻まれとるようで、言葉を失うてしまいますわ。何代もの人の営みを、黙って見守ってきはったんどすなあ。

⛩️ 光明寺の懐に抱かれた山道

 大トチへの道すがらにあるのが、山号を「君尾山」と称する古刹・光明寺どす。国宝の山門でも知られるこのお寺の駐車場に車を停めさせてもろうて、境内を抜け、巨木の森を抜けて林道をしばらく歩いた先に、あの大トチが待っとります。

 参道というより、もはや山歩き。息を切らしながら進む道のりの途中、ふと木々の切れ間から差し込む光に、山全体が一つの社のように思えてくるんどす。

🤝 地域の手で守られてきた巨木

 この大トチ、平成二十九年度には「京の森林文化を守り育てる支援事業」の一環として、奥上林地区自治会連合会はんが保全整備に乗り出さはりました。根が踏み荒らされんよう歩道を新しゅう整え、立入防止柵を設けて、巨木の足元をそっと守ってくれとるんどす。

 柵の向こうに静かに佇む木を前にすると、長いこと人目に触れんかった分、地域の方々が大事に見守り続けてきはった気持ちが、じんわり伝わってくる気ぃがしますわ。

🌫️ 山頂にたなびく雲海

 君尾山の山頂近くでは、秋から冬にかけて山々が霧に浮かぶ雲海が見られるそうどす。大トチを訪ねた帰り道、そないな景色に出会えたなら、山を歩いた疲れも吹き飛んでしまいますやろなあ。

📍行っ得メモ

・幻の大トチ:京都府綾部市五津合町大ヒシロ(君尾山中腹、光明寺近く)
・光明寺:京都府綾部市睦寄町君尾1-1
・問い合わせ:綾部市観光協会 0773-42-9550
・大トチへは光明寺から山道を進んでの参拝となるため、歩きやすい靴でお出かけください

 二千年という途方もない時を、ただじっと山の中で生き抜いてきはった一本の木。人の一生なんぞ、ほんの瞬きほどのもんやと、しみじみ思い知らされる旅どした。

 山歩きの疲れを癒す晩酌には、純米大吟醸YUTAKAをよう冷やして、ぐい呑みでくいっと一献。澄んだ吟醸香が鼻先を抜けるたび、大トチの森で吸うた木々の匂いがふっと蘇ってくるような、そんな一杯になりますえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

大吟醸KYOTO YUTAKAを見る/購入する

FAQ
Q. 「幻の大トチ」はどこにあるんどすか?
A. 京都府綾部市五津合町大ヒシロ、君尾山の中腹、光明寺近くに立っとります。樹齢は推定二千年、幹周十・四メートル、樹高二十三メートルで、京都府内のトチノキでは最大級、京都府指定天然記念物どす。

Q. なんで「幻」て呼ばれとるんどすか?
A. 山深い場所にあり、歩道が整えられるまではなかなか人目に触れることがなかったため、そう呼び習わされてきたと伝わっとります。平成二十九年度の保全事業で歩道と柵が整い、少しずつ知られるようになりましたんえ。

Q. 見学するときに気ぃつけることはありますか?
A. 根を踏み荒らしから守るための立入防止柵が設けられとります。柵の内側には入らず、整えられた歩道からそっと見守っておくれやす。最新の状況は綾部市観光協会(〇七七三-四二-九五五〇)にご確認くださいませ。

Q. 山歩きの後にはどんな一杯がよろしいどすか?
A. 山道を歩いた後は、よう冷やしたYUTAKAをきりっと盃に注いでおくれやす。澄んだ吟醸の香りが火照った体にすっと染み渡って、二千年の巨木に出会えた達成感を、山の匂いごと静かに労ってくれますえ。

0件のコメント
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。