海の京都物語 第311話 大正六年築の洋館どすえ、金曜だけ開くグンゼ記念館で蚕都綾部の夢描いた掛け軸に出会うてきましたんえ|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語、第311話どす。綾部市を歩くこのシリーズ、第151話では波多野鶴吉はんの志と繭蔵が息づくグンゼ博物苑を訪ねましたなあ。今日はおんなじグンゼスクエアの敷地にもう一つ佇む、大正ロマンの洋館を訪ねてみようと思います。
駅から歩いて十分ほど、あやべグンゼスクエアの一角にひっそり建つグンゼ記念館どす。博物苑とは違うて、毎週金曜日だけ、静かに扉を開けてくれますんや。
🏛️大正六年築、洋館の面影どす
グンゼ記念館は大正6年(1917年)、郡是製糸の本社事務所として新築されはった建物どす。左右対称の木造二階建て、桟瓦葺きの寄棟屋根の真ん中に小さな塔を載せた姿が、今も凛と佇んどります。
昭和25年に「記念館」として生まれ変わり、平成8年のグンゼ創立百周年にはリニューアルも果たさはりました。百年以上前の建物が、今も現役で綾部の歴史を見守っとるんどすなあ。
💼窓口と金庫が語る、仕事場の記憶どす
1階にはかつての事務所の姿がそのまま残っとります。取引先はんが書類を出さはった小窓付きのカウンター、奥にはどっしりした金庫、そして木製の階段手すりまで、当時の空気をそのまま伝えてくれますんえ。
電卓もパソコンものうて、算盤と万年筆だけで数字と向き合うてはった人らの背中が、ふと浮かんでくるような静かな一階どす。
🎨2階の和室に広がる、蚕都綾部の夢どす
階段を上がった2階は、博物苑のパネル解説とはひと味違う、本物の資料が並ぶ展示室どす。なかでも目を引くんは、和室に飾られた昭和2年(1927年)の大きな掛け軸「蚕都」どす。
50年後の綾部を思い描いて描かれたもので、動物園に植物園、劇場にケーブルカーまで描き込まれとります。当時の人らの、綾部への夢と勢いがそのまんま筆に乗ってますんやなあ。
同じ2階には、大正6年に貞明皇后はんが行啓されはった折の記録も残っとります。この洋館が建ったその年に、皇后はんをお迎えしたいう事実が、ここの重みをいっそう感じさせますんえ。
📍行っ得メモ
・グンゼ記念館:京都府綾部市青野町(あやべグンゼスクエア内)
・公開日:毎週金曜日 10:00〜16:00(入館無料)
・アクセス:JR綾部駅から徒歩約10分、舞鶴若狭自動車道「綾部」ICから車で約5分
・隣接のグンゼ博物苑(創業蔵・現代蔵・未来蔵など)もあわせて見学できますんえ
工場の本社屋としてはもう使われとらん洋館どすけど、金曜だけ開く扉の向こうには、百年前の人らが見た夢がそのまま残っとります。蚕都と呼ばれた綾部の誇りを、静かに胸に刻む時間どした。
この洋館の和室に座って盃を傾けるなら、YUTAKAはやっぱり冷やでいただきたいところどす。切子の小さな盃にそっと注いで口に含めば、米の甘みがふわりと広がってすっと消えていく。百年前の掛け軸に描かれた夢みたいに、綾部の人らが思い描いた豊かな未来を、舌の上でそっと味わわせてくれるような一杯どすえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. グンゼ記念館とはどんな建物どすか?
A. 大正6年(1917年)に郡是製糸の本社事務所として建てられた洋館どす。左右対称の木造二階建てで、寄棟屋根の中央に塔を載せた姿が特徴どす。昭和25年に「記念館」となり、平成8年のグンゼ創立百周年にリニューアルされ、今も綾部の歴史を伝えとりますんえ。
Q. 記念館はいつ見学できますんどすか?
A. グンゼ記念館は毎週金曜日の10時から16時まで公開されとります。入館は無料どす。すぐ隣には創業蔵や現代蔵が並ぶグンゼ博物苑もありますさかい、金曜日に合わせて訪ねはると両方まとめて見学できますんえ。
Q. 昭和2年の掛け軸にはなにが描かれとるんどすか?
A. 2階の和室に飾られた「蚕都」いう掛け軸どす。描かれたんは昭和2年(1927年)、50年後の綾部を思い描いたもので、動物園や植物園、劇場にケーブルカーまで描き込まれとります。当時の人らが抱いた綾部への夢と勢いが伝わってくる一幅どすえ。
Q. 記念館へはどうやって行ったらよろしおすか?
A. JR綾部駅から徒歩約10分、あやべグンゼスクエアの敷地内にありますんえ。お隣のグンゼ博物苑とあわせて、グンゼ発祥の地をゆっくり歩いて巡ってみておくれやす。車の場合は舞鶴若狭自動車道の綾部インターから約5分どす。
京都 丹後