海の京都物語 第336話 宮津の地名を生んだ和貴宮神社、北前船が運んだ賑わいの記憶どす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も第336話を迎えましたなぁ。これまで天橋立や智恩寺はんの文殊堂、籠神社はんなど、宮津の顔とも言えるスポットをいろいろご紹介してきましたんやけど、宮津にはまだまだ知られざる史跡がぎょうさんありますのどす。
今日は天橋立から少し目線を外して、宮津の町なかにひっそり鎮座する「和貴宮神社」はんのお話をさせてもらいますえ。実はこの神社、「宮津」いう地名そのものの由来に関わっとるとも言われる、由緒深いお社なんどす。
⛩️「宮津」の名を生んだ水越岩
和貴宮神社の創建年代ははっきりとはわかっておりませんが、社伝では応永28年(1421年)に本殿が建てられたと伝わっとります。さらに文明2年(1470年)には、丹後国一宮・籠神社はんに祀られる豊受大神を勧請して分社となり、のちに「和貴宮神社」と呼ばれるようになったとされますのどす。
もとはこの地にあった大きな岩「水越岩(みずこしいわ)」をご神体として祀ったのが始まりとも伝えられ、郷土史では、この「宮」と、かつて港やったこの一帯の「津」が合わさって「宮津」の地名が生まれたという説も語り継がれとります(この由来説については要確認な部分も残りますが)。
境内に静かに佇む水越岩に手を合わせていると、遠い昔、ここがまだ波打ち際やった頃の宮津の姿がふっと目に浮かんでくるような気がしますのどす。
🚢北前船が運んだ賑わいの証
現在の本殿や拝殿は江戸後期の建立で、北前船の建造にも携わった地元の宮大工による精緻な彫刻が施されとります。玉垣には、加賀の豪商として知られる銭屋五兵衛をはじめ、西日本各地から集まった商人たちの名が刻まれ、北前船交易で宮津が大いに賑わっとった時代をいまに伝えとります。
境内にはまた、絵師・横山華山や松川龍椿による大きな奉納絵馬も残されとって、小さなお社ながら、港町宮津の往時の財力と信仰の厚さをしのばせてくれますのどす。
🏮神輿が練り歩く宮津祭
毎年5月13日から15日にかけては「宮津祭」が行われ、西堀川を挟んで、西地区の山王宮日吉神社はんの「山王祭」と、和貴宮神社を中心とする東地区の「東祭」が同時に営まれますのどす。5つの町内が年ごとに神輿・神楽・太鼓屋台を受け持ち、台車を使わず約150人もの担ぎ手が神輿をかついで城下をぐるりと練り歩きますえ。
太鼓の音と掛け声が狭い路地にこだまする様子を思い浮かべると、江戸の世からこの町が受け継いできた熱気が、今も変わらず息づいとるんやなぁとしみじみ感じますのどす。
📍行っ得メモ
・所在地:京都府宮津市宮本428
・アクセス:京都丹後鉄道「宮津駅」から徒歩約8分、宮津天橋立ICから車で約5分
・拝観:境内自由・参拝無料
・祭礼:宮津祭(毎年5月13〜15日、西地区の山王祭と同時開催)
天橋立の賑わいからほんの少し足を延ばすだけで、こんなにも奥行きのある歴史に出会えるんが宮津の面白いところどす。次に宮津を訪れるときは、ぜひ和貴宮神社はんにも立ち寄ってみとくれやす。
そんな港町の歴史に思いを馳せながら、夜はぬる燗にした純米大吟醸YUTAKAを盃でいただくのはどうどすやろ。北前船が米や酒造りの技を各地に運んだように、丹後の米と水で醸したYUTAKAの、ふくよかで澄んだ味わいが、静かに今日の余韻を包んでくれますのどす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 和貴宮神社はどこにありますか?
A. 京都府宮津市宮本428番地にあり、京都丹後鉄道・宮津駅から西へ徒歩約8分、宮津市役所のすぐ西隣どす。拝観は無料で、境内は常時開放されとるさかい、天橋立から少し足を延ばして気軽に立ち寄れる距離どすえ。
Q. 「宮津」の地名と神社に関係はありますか?
A. 確定した学説ではなく要確認な部分もありますが、郷土史では、神社がご神体として祀った巨石・水越岩のある「宮」と、港を意味する「津」が合わさって「宮津」の地名が生まれたという説が伝わっとります。古くはこの一帯が海に面した港やったことがうかがえますえ。
Q. 宮津祭とはどんな祭りですか?
A. 毎年5月13日から15日に行われる祭りで、西堀川を挟んで西地区の山王宮日吉神社の「山王祭」と、和貴宮神社を中心とする東地区の「東祭」が同時に営まれますのどす。5つの町内が輪番で神輿や神楽、太鼓屋台を受け持ち、台車を使わず約150人の担ぎ手が神輿をかついで城下を練り歩きますえ。
Q. 境内で注目したい見どころは何ですか?
A. 江戸後期築の本殿や拝殿には、北前船の建造に携わった地元大工による彫刻が施されとります。玉垣には加賀の豪商・銭屋五兵衛ら北前船交易で栄えた商人たちの名が刻まれ、絵師・横山華山や松川龍椿が奉納した大絵馬も残っとって、港町宮津の繁栄ぶりを今に伝えてくれますのどす。
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