海の京都物語 第133話 吉原入江はんの水路は東洋のベネチアどすなあ|日本酒YUTAKA(豊)

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 先週訪ねた大野辺緑地はんは、海のそばでゆったり深呼吸できる、そんな緑地どしたなあ。今回はその足でもうちょっと西のほう、舞鶴の海とずっと寄り添うて生きてきた、静かな水辺の町へ向こうてみますえ。

 訪ねますのは西舞鶴の東吉原(ひがしよしはら)、通称「吉原入江(よしはらいりえ)」て呼ばれとるとこどす。細い運河の両側に古い家々がぎゅうっと肩寄せ合うて並び、その軒先にちいさな漁船がひっそり浮かんどる、そんな独特の景色が広がっとりますんえ。

 地元の人らの暮らしの場所でありながら、その静かな水面に映る家並みが「東洋のベネチア」やなんて呼ばれて、近ごろは外国のお客さんもカメラ片手に訪れるようになった、ちょっと不思議な人気スポットにもなっとりますんどす。

🌊水路の両脇に家が並ぶ独特の景観

 吉原入江言うんは正式な地名やのうて、東吉原いう町を流れる運河につけられた通称どす。伝わるところでは幅およそ10メートル、長さおよそ550メートルの水路が舞鶴湾へとつながっとって、その両脇にびっしりと民家が建ち並んどりますんや。

 この町割りは江戸時代の城下町からほとんど変わっとらんそうで、そのぶん路地はほんまに狭こうて、車1台がやっと通れるかどうか、いうところもぎょうさんありますんえ。伊根町の舟屋みたいに1階が船のガレージになった建物、いうわけやのうて、家の軒先にそのまま小さな漁船がもやわれとる、いう素朴な景色どすんやけど、それがかえって暮らしの匂いを感じさせて、ええ味になっとりますなあ。

 橋の上から水面を覗き込むと、家々の姿がゆらゆらと映り込んで、なんや時間が止まったような、そんな気分にさせられますんえ。

🎣城下の漁師町として歩んできた歴史

 東吉原は江戸時代、田辺藩の城下町にあった漁師町がルーツやと伝わっとります。海に生きる人らが入江のほとりに家を構え、船を寄せて暮らしを立ててきたんが、この独特の町並みの始まりやったんどすなあ。

 この一帯は「京都の近代漁業発祥の地」とも言われとって、今も漁業がこの町の中心の生業として続いとります。時代が移り変わっても、水路と共にある暮らしのかたちは、そう大きくは変わっとらんのやそうどす。

🚣「東洋のベネチア」と呼ばれる景色

 こないな運河沿いの景色が「東洋のベネチア」て呼ばれるようになって、雑誌に取り上げられたんをきっかけに、カメラを手にした外国のお客さんが訪れるフォトスポットにもなってきたんやそうどす。

 派手な観光地とはちごうて、あくまでそこに暮らす人らの日常の続きにある景色どす。せやからこそ、よそさんのお宅の前をお邪魔させてもらうような、そんな気持ちで静こう歩かせてもろたら、ええんと違うやろか思いますんえ。

🌇夕暮れに漂う魚を焼く匂いと水無月神社

 夕方になると、あちこちの家から魚を焼く匂いがふわっと漂うてきて、ああ今日も一日、暮らしが続いとるんやなあ、としみじみ思わされますんどす。

 入江のほとりには享保12年(1727年)創建と伝わる水無月神社もお祀りされとって、低湿地で疫病が流行った折にたちまち治まったいう言い伝えが残っとります。1912年に鳥居が建てられた時には鯖が大漁やったそうで、漁師町らしい、海の恵みとの深いつながりを感じさせるお社どすんえ。

📍行っ得メモ

・住所:〒624-0921 京都府舞鶴市東吉原
・アクセス:JR舞鶴線「西舞鶴駅」から路線バス(和田線)で「東吉原」停留所下車すぐ
・見学:散策自由(民家が並ぶ生活の場所のため、静かに見学するのがおすすめ)
・駐車場:なし

 派手さはあらへんけど、こないして海と共に生きてきた人らの暮らしがそのまま景色になっとる吉原入江。ずっとこのままの静けさで、これからも在り続けてほしいなあ、としみじみ思う一日どした。

 この静かな水辺の景色を思い出しながらいただくんやったら、純米大吟醸YUTAKA(豊)は15度前後、ちょっと冷やしたくらいの温度がようお似合いどす。すっと薄手のガラスの盃に注いで、水面のきらめきと一緒に眺めてみておくれやす。すっきりした吟醸香の奥に、じんわり広がる米の旨みが、漁師町の静かな夕暮れとようなじんで、心にすっと沁みる一杯になりますえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 吉原入江ってどこにあるんどす?
A. 正式には舞鶴市東吉原いう町の運河のことで、通称として「吉原入江」て呼ばれとります。西舞鶴の海のそばにあって、JR西舞鶴駅から路線バスで「東吉原」停留所まで行けますんえ。細い水路の両脇に家々が並ぶ、静かな漁師町どす。

Q. なんで東洋のベネチアて呼ばれるん?
A. 細い運河の両脇に古い家並みがびっしり続いて、水面に街並みが映り込む景色が、ヴェネチアを思わせるからやそうどす。雑誌で紹介されたんをきっかけに、外国のお客さんもカメラ片手に訪れるフォトスポットになってきたんどすんえ。

Q. 伊根の舟屋みたいな建物はあるん?
A. 伊根町みたいに1階が船のガレージになった舟屋、いう形の建物やのうて、家の軒先にそのまま小さな漁船がもやわれとる、いう素朴な景色どす。それでも水路と共にある暮らしのかたちは、ようよう似た趣を感じさせてくれますんえ。

Q. 吉原入江のあとにはどんな一杯がええ?
A. 静かな水辺の景色のあとやったら、純米大吟醸YUTAKA(豊)を15度前後にちょっと冷やして、薄手のガラスの盃でいただくんがおすすめどす。すっきりした吟醸香と米の旨みが、漁師町の夕暮れの静けさとようなじみますんえ。

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