海の京都物語 第135話 西舞鶴の若の湯はん、明治から続く洋館銭湯どすえ|日本酒YUTAKA(豊)
先週の日の出湯はんは、五老ケ岳の伏流水と町家造りの佇まいで、二階の和室に住民の寄合まで抱えてきた、しっとり和風の銭湯どしたなあ。同じ舞鶴の銭湯言うても、今回訪ねる西舞鶴の「若の湯」はんは、またぜんぜん違う顔を見せてくれますんえ。
商店街の一角に、洋館風のモダンな構えでどーんと建っとる若の湯はん。明治の終わりから百二十年余り、湯気を絶やさんと続いてきた、その歴史をゆっくり聞かせてもらいますえ。
🏛明治の創業と登録有形文化財への道
若の湯はんの創業は明治36年(1903年)と伝わっとります。2025年5月には創業122周年を記念する「若の湯まつり」も開かれとって、百二十年以上も西舞鶴の商店街で湯を沸かし続けてきたことになりますんえ。
今の建物は大正12年(1923年)に完成したもので、設計は大月喜太郎氏によるものやそうどす。ほんで2018年3月には、営業を続ける銭湯としては全国で6例目となる、国の登録有形文化財にも指定されましたんえ。
🎨洋館風の看板建築とペンキ絵
砂状洗い出しと白いタイルの壁に水色を配した、看板建築らしいモダニズム建築が若の湯はんの外観どす。中に入れば、ケヤキ製の番台と鏡台、木製のロッカー、マジョリカタイルなど、職人さんの手仕事があちこちに息づいとります。
2016年には銭湯絵師さんによるペンキ絵も加わって、女湯には赤富士、男湯には富士山と天橋立の絵が描かれましたんえ。ペンキ絵自体、関西の銭湯では珍しいと言われとって、若の湯はんの華やかな見どころのひとつになっとります。
💧名水と薪の湯、女将さんの心遣い
若の湯はんが使こてはるんは、環境省の「平成の名水百選」に選ばれた地下水「真名井の清水」どす。それを薪でじっくり沸かしてはって、残った薪で焼き芋を作らはることもあるそうで、昔ながらのやり方を今も守ってはるんどすなあ。
ほんで若の湯はんいうたら、女将さんの心遣いも忘れられしまへん。手書きのポスターを貼ったり、ヒノキの木札にメッセージを書いて湯船にそっと浮かべたりして、常連さんとの何気ないやり取りを大事にしてはるんどす。
🍦商店街に息づく、今どきの銭湯コミュニティ
若の湯はんの目の前には、豆乳ソフトクリームのお店「machiya」があります。若の湯であったまった後、湯上がりに豆乳ソフトを食べに立ち寄るお客さんも多いそうで、商店街ならではの新しい流れができとりますんえ。
毎年の「若の湯まつり」では、machiyaはんや「KOKIN銭湯部」いう若手の団体と一緒に、若の湯グッズの販売なんかも行われとります。ひとつの銭湯を、いろんな担い手が力合わせて盛り上げてはる姿どすなあ。
番台に座るおかみさんの声、ケヤキの床のにおい、薪がぱちぱちはぜる音——洋館風の華やかな外観の奥に流れとる時間は、どこか懐かしい、昭和の湯屋そのものの空気どす。
📍行っ得メモ
・住所:京都府舞鶴市本58
・電話:0773-75-2541
・営業時間:15時頃〜21時頃(要事前確認)
・定休日:日曜日・水曜日
・駐車場:あり
・国登録有形文化財(2018年3月指定)
看板建築の華やかな顔と、薪の火で沸かす湯の温もり、女将さんが木札に込めはる心遣い——若の湯はんには、明治から積み重なってきた時間の厚みを感じますんどす。日の出湯はんとはまた違う魅力、ぜひ味おうてみておくれやす。
湯上がりに味わうんやったら、純米大吟醸YUTAKA(豊)は薪の温もりに負けんくらい、ちょっと温めのぬる燗がよう似合うと思います。木目の温かみを感じる木製の盃でいただくと、米の甘みと吟醸香がふわっと立ち上って、湯上がりのほてった体にじんわり染み渡りますえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 若の湯はんはいつ創業しはったん?
A. 明治36年(1903年)の創業と伝わっとって、2025年には創業122周年を記念する「若の湯まつり」も開かれましたんえ。今の建物は大正12年(1923年)築で、2018年には営業を続ける銭湯として全国で6例目の国登録有形文化財に指定されたんどす。
Q. 日の出湯はんとはどう違うんどすか?
A. 日の出湯はんは町家造りで和風の佇まいどしたけど、若の湯はんは洋館風の看板建築で華やかな印象どす。お湯も日の出湯はんが井戸水やったのに対して、若の湯はんは名水百選の「真名井の清水」を薪で沸かしてはって、それぞれ違う魅力がありますんえ。
Q. 若の湯はんの建物の見どころは何どす?
A. ケヤキ製の番台と鏡台、木製ロッカー、職人の手仕事が光るマジョリカタイルなどが見どころどす。2016年には銭湯絵師さんが描いてくれはったペンキ絵も加わって、女湯には赤富士、男湯には富士山と天橋立が広がっとりますんえ。
Q. 若の湯はんは今も地元で愛されてるん?
A. はい、女将さんがヒノキの木札にメッセージを書いて湯船に浮かべたりと、常連さんとの心の交流を大事にしてはります。目の前のmachiyaはんとも仲ようしてはって、湯上がりに豆乳ソフトを食べに行くんが定番のコースになっとりますんえ。
京都 丹後