海の京都物語 第156話 国鉄福知山機関区の記憶を伝えるポッポランド、汽笛と煙が今もそこはかとなく香る鉄道館を訪ねてみましたんえ|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も第156話まで巡ってきましたんや。舞鶴の海に伊根の舟屋、天橋立に丹後の棚田と、海沿いのまちを訪ねてきましたが、今日は少し内陸、福知山へ足を延ばしますえ。
福知山言うたらお城と由良川の城下町どすけど、実はもうひとつ、鉄道の記憶を大事に守ってきたまちでもあるんどす。その中心にあったんが「福知山鉄道館ポッポランド」どす。
🚂新町商店街の有志が守った機関区の記憶
ポッポランドが生まれたんは1998年(平成10年)のことどす。JRのOBさんや新町商店街の有志らが集まって、新町商店街事業協同組合の手で立ち上げはったんが始まりどした。
目当ては、かつて福知山にあった国鉄福知山機関区で使われとった鉄道資料を、散り散りにせんとちゃんと残すことどした。機関区言うたら、蒸気機関車が汽笛を上げて出入りしとった、まちの働き者たちの拠点どすからな。
商店街の一角に、ミニチュアの駅舎ジオラマや古い制服、路線図なんかがぎっしり並んどったそうどす。地元のお年寄りが孫を連れて「わしが若い頃はな」言うて説明しはる、そんな光景が日常やったんどっしゃろ。
🏛️1号館に眠っとった「貴婦人」C57の動輪
1号館は福知山市下新、昭和8年(1933年)竣工の元・三ツ丸百貨店の建物を使うとって、館内には約500点もの鉄道資料が集められとりました。
中でも目玉やったんが、蒸気機関車C57形93号機の第3動輪どす。C57は「貴婦人」の愛称で親しまれた優美な姿の機関車で、この93号機は1957年から1970年まで福知山機関区に配属されとったんどす。
重たい鉄の動輪にそっと手ぇ触れたら、かつて福知山線や山陰本線を駆け抜けた速さと重みが、じんわり伝わってくるような気がしますなあ。
残念ながら建物の老朽化で、1号館は2018年3月31日をもって一旦休館することになったんどす。せやけど、その資料は決して失われたわけやないんどすえ。
🚃菱屋の別館で今も静態保存されるC58 56号機
福知山市菱屋にある別館(旧ポッポランド2号館)には、蒸気機関車C58形56号機が今も静態保存されとります。
このC58 56号機、1961年2月26日に福知山機関区へ転属してきて、1968年には福井国体のお召し列車を牽引するいう大役も務めはったんどす。1970年3月25日に廃車になるまで、福知山の鉄路を支え続けた一両どす。
黒々とした車体が、菱屋の空の下でじっと佇んどる姿は、走ることをやめてもなお、まちの記憶を運び続けとるように見えますんや。
🏯福知山城公園「フクレル」へ受け継がれた記憶
1号館の資料は、寄附を受けて福知山城公園親水広場内に新築された「福知山鉄道館フクレル」として、令和5年(2023年)8月26日に生まれ変わりましたんどす。フクレルの名前は「Fukuchiyama Railway Museum」の略と、「膨れる」いう意味を掛けとるそうどすえ。
館内にはC5793の第3動輪が引き続き展示されとって、実際に触れることもできますし、1870年製の英国ダーリントン社製レールいう明治の鉄道遺産も見られます。昭和29年の旧駅舎と平成17年の新駅舎、両方を再現したジオラマには「隠れキャラを探せ」いう仕掛けもあって、大人も子どもも夢中になりますんや。
毎週土日には、福知山SL保存会の皆さんが「鉄道語り部」として、当時の機関区の様子を直に聞かせてくれはります。運転シミュレーターや「なりきり!機関助士」いう体験型ゲームもあって、鉄道ファンやのうても楽しめる施設どす。
📍行っ得メモ
・福知山鉄道館フクレル(京都府福知山市字岡ノ32-20)は開館10時〜17時(最終入館16時30分)、休館は毎週火・水曜と年末年始、入館料は大人500円・小中学生250円
・別館(旧ポッポランド2号館、福知山市菱屋)にはC58形56号機が静態保存されとり、館内の公開状況は要確認
・フクレルへは福知山駅から徒歩約15分、無料駐車場あり(普通車70台、バス6台は要予約)
汽笛の記憶いうんは、車両そのものだけやのうて、それを大事に守り継いできた人らの手によって、今日まで運ばれてきたんやなあと、しみじみ思いますわ。ポッポランドからフクレルへ、名前と場所は変わっても、福知山機関区の誇りはちゃんと受け継がれとるんどす。
そないな鉄路の物語を辿った日の晩は、常温よりちょっとだけ冷やした純米大吟醸YUTAKA(豊)を、すっと背の高いガラスの酒器で一杯どうぞ。米の甘みがふわりと広がって、キレよう喉を通っていく味わいが、長い汽笛の余韻みたいにすーっと心に残りますんや。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. ポッポランドとフクレルは同じ施設どすか?
A. 元々の福知山鉄道館ポッポランド1号館は建物の老朽化により2018年3月に休館しましたんどす。その資料は寄附を受けて福知山城公園親水広場内に新築された「福知山鉄道館フクレル」に引き継がれ、2023年8月26日に開館しましたんえ。旧2号館は別館として今も公開が続いとります。
Q. フクレルの見どころは何どすか?
A. 触れる蒸気機関車C57形93号機の第3動輪や、1870年製英国ダーリントン社製レールなど明治期の鉄道遺産が見られますんや。昭和29年と平成17年の駅舎を再現したジオラマ、運転シミュレーター、なりきり機関助士いう体験型ゲームもあって、家族連れでも楽しめる施設どすえ。
Q. 別館のC58形56号機はどこで見られますか?
A. 福知山市菱屋にある別館、旧ポッポランド2号館の敷地内に、蒸気機関車C58形56号機が静態保存されとります。1961年に福知山機関区へ配属され、1968年の福井国体お召し列車も牽引した一両どす。館内の公開状況は変わる場合もあるさかい、訪ねる前に確認しはるのが安心どすえ。
Q. フクレルの開館時間や休館日は?
A. 開館時間は午前10時から午後5時まで、最終入館は午後4時30分どす。休館日は毎週火曜・水曜と年末年始で、入館料は大人500円、小中学生250円、未就学児は無料どす。福知山駅から徒歩約15分、無料駐車場も用意されとりますえ。
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