海の京都物語 第236話 大正十二年生まれの赤さび色、宮津由良の由良川橋梁を渡る観光列車にほっこりレンズ向けてきましたんどす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も気ぃついたら二百三十六話、丹後の海沿いをぐるり巡ってきたこのシリーズ、宮津市だけでもぎょうさんの物語をお届けしてきましたなあ。天橋立の絶景はもちろん、獅子崎稲荷はんの朱の鳥居や成相寺の撞かずの鐘、宮津節に新浜の花街の面影まで、うちも書きながらほんまに宮津の懐の深さに驚かされてばっかりどす。
そんな宮津市シリーズ、今日は由良の地に架かる一本の鉄橋のお話をさせてもらいますえ。安寿と厨子王丸の悲しい物語や由良ヶ岳の双耳峰はもう訪ねましたけど、由良にはまだこないな景色が残っとったんどす。海と川が出会うそのすぐそばを、大正の世に生まれた赤さび色の橋が今も静かに渡っとります。
🚂 大正十二年生まれの赤さび色
由良川橋梁は、宮津市由良と舞鶴市西神崎の間、由良川が海に注ぐ河口すぐそばに架かる鉄橋どす。完成したんは大正十二年(1923年)十二月、横河橋梁製作所の手による上路プレートガーダー橋で、支間22.25メートルの桁を連ねて全長およそ550メートルにもなりますんえ。
この橋を含む舞鶴・宮津間の鉄道は、翌大正十三年四月十二日にようやく正式開業しましたんどす。地元の皆さんの長年の願いやったのに、由良川のどこに橋を架けるか揉めに揉めて、水害を心配する集落の声で架橋地点を移したという経緯もあったて伝わっとります。今も現役で列車を支えとる姿を見ると、あの頃の苦労がしみじみ偲ばれますなあ。
📸 海と空に溶け込む撮影スポット
由良川橋梁は青い海と空、そして列車の色が織りなす景色から、写真愛好家の間ではすっかり人気の撮影地になっとります。国道178号と橋梁が立体交差するあたりから河原に降りた石畳が定番の撮影ポイントで、三脚を立てる余地も駐車スペースもあるさかい、朝夕ゆっくり構えて待つ人もぎょうさんおいやすんどす。
少し足を延ばせば、オリーブもみじ公園の高台からも由良川と橋、その先の海までひと目に見渡せますんえ。初秋の澄んだ空気の中、汽水域をわたる風に稲穂の匂いが混じって、河口ならではの独特な景色にほっこり足を止めてしまいますわ。
🍽️ 走る食堂、あかまつ号とくろまつ号
この橋を渡る京都丹後鉄道の列車は、実はいろいろ顔ぶれがおますんどす。青い車体で予約いらずの丹後あおまつ号、走るカフェテリアの丹後あかまつ号は土日祝運行で乗車整理券550円、フルコース料理を楽しめる丹後くろまつ号は金土日祝運行と、それぞれ味わい違う旅ができるようになっとります。
くろまつ号は橋の上でゆっくり速度を落としてくれるさかい、車内からも河口の絶景をじっくり楽しめますし、外から眺める側にとってもシャッターチャンスが広がるんどす。1時間に1本ほどのペースで走る列車を待つ間、由良の静かな時間がなんや贅沢に感じられますえ。
⛵ ヨットの帆を思わせる丹後由良駅
橋のたもとに立つ丹後由良駅は、ヨットの帆をイメージしたコテージ風の駅舎が目印どす。駅舎の中には小さなカフェも構えられとって、列車を待つ間にひと息つける居心地のええ場所になっとります。
初秋の由良の里は、稲刈り前の田んぼが黄金色に色づき始めて、川風がひんやり心地よう吹き抜けますんどす。海とも山とも違う、河口ならではのおだやかな時間が流れとりました。
📍行っ得メモ
・由良川橋梁は宮津市由良と舞鶴市西神崎をつなぐ鉄橋で、京都丹後鉄道宮舞線の丹後由良駅がすぐそば
・撮影の定番は国道178号と橋梁の立体交差点から河原へ降りた石畳、三脚と駐車スペースあり
・丹後あおまつ号は予約不要、丹後あかまつ号・丹後くろまつ号は土日祝中心の予約制なので運行日は事前確認がおすすめ
・少し足を延ばせばオリーブもみじ公園の高台からも橋と由良川、日本海をまとめて一望できる
・初秋は稲穂の色づきと澄んだ川風が重なる、河口ならではの静かな季節どす
橋いうたら渡るためだけのもんやと思うてましたけど、由良川橋梁みたいに百年も海と川の境目に立ち続けとる橋には、ただの通り道以上の重みがおますなあ。大正の人らが揉めながらも架けはった一本の橋を、令和の列車がのんびり渡っていく姿を見とったら、時の流れがぎゅっと縮まったような、そんな不思議な気持ちになりましたんどす。
河口の風にちょっと肌寒さを感じる初秋の宵は、YUTAKAをぬる燗にして、京丹後生まれのガラス盃でいただくのがよろしおす。橋を渡る列車の灯りを思い浮かべながら口に含むと、山田錦の膨らみとすっと引く後味が、由良川の水面に落ちる夕陽みたいに静かに広がっていきますんえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 由良川橋梁はいつ完成したんどす?
A. 大正十二年(1923年)十二月に完成した鉄橋どす。橋を含む舞鶴・宮津間の鉄道は翌大正十三年四月十二日に正式開業し、地元の長年の願いやった鉄道がようやく由良の里まで届いたんどすえ。
Q. 橋の全長はどれくらいどす?
A. 由良川の河口を跨ぐ全長およそ550メートルの鉄橋どす。横河橋梁製作所が手掛けた上路プレートガーダー橋で、支間22.25メートルの桁を連ねた大正らしい重厚な造りが、今も現役で列車を支えとります。
Q. どんな観光列車が渡るんどす?
A. 青い車体の丹後あおまつ号、走るカフェテリアの丹後あかまつ号、フルコース料理を楽しめる丹後くろまつ号などが橋を渡ります。くろまつ号は橋の上でゆっくり速度を落としてくれるさかい、車窓からも外からも絶景をじっくり楽しめますんどすえ。
Q. 撮影スポットはどこにあるんどす?
A. 国道178号と橋梁が立体交差するあたりから河原に降りた石畳が定番どす。三脚を立てる余地や駐車スペースもあって、少し足を延ばせばオリーブもみじ公園の高台からも橋と由良川、海をひと目に見渡せますえ。
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