海の京都物語 第340話 京丹後・網野の老舗とり松に伝わる、まつぶた仕込みのハレの日の丹後ばらずしをいただいたどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 「海の京都物語」も、気づけば第340話を数えることになりました。舞鶴、綾部、福知山、宮津、与謝野、伊根と丹後の海と山をめぐってきたこの連載、今回はいよいよ京丹後市へと舞い戻ります。

 これまでも琴引浜の鳴き砂や経ヶ岬の灯台、久美浜の牡蠣など、京丹後の自然や味覚をたびたびご紹介してきましたが、今日は食卓に受け継がれてきた「ハレの日のごっつぉう」、丹後ばらずしのお話どす。

🍣 網野に伝わる老舗の味、とり松

 京丹後市網野町網野にある「とり松」は、創業から八十余年という歴史を持つ老舗どす。丹後地方で祭りや田植え、結婚式などの祝いの席に欠かせない郷土料理、丹後ばらずしを今に伝えています。

 丹後ばらずしは別名「まつぶた寿司」とも呼ばれ、餅を入れる細長く浅い木箱「まつぶた」に酢飯を重ねて作るのが特徴どす。西日本でよく見る散らし寿司とはひと味違う、この地ならではの寿司どすえ。

🥢 鯖のおぼろと錦糸卵が織りなす彩り

 主役は、サバ缶の身をほぐして砂糖と醤油で炒りつけた「鯖のおぼろ」。酢飯の上にたっぷりと広げ、さらに薄焼き卵を細く切った錦糸卵やかんぴょうなどを重ねて仕上げます。

 重箱を開けたときの華やかさは、まさに「ごっつぉう」の名にふさわしいもの。丹後の家庭では、このレシピが親から子、孫へと受け継がれてきたと伝えられています。

🌊 網野町と京丹後市、合併で生まれた海辺のまち

 とり松のある網野町は、2004年に峰山町・大宮町・丹後町・弥栄町・久美浜町とともに合併し、今の京丹後市となりました。かつては丹後ちりめんの機音が響いたこの一帯も、今では日本海の幸と郷土の味を伝える町として知られています。

 京都丹後鉄道の網野駅から歩いて10分ほど。海風に吹かれながら歩くと、ふと漁師町の暮らしの匂いが鼻をかすめる、そんな道のりどす。

📍行っ得メモ

・住所:京都府京丹後市網野町網野146
・アクセス:京都丹後鉄道「網野駅」から徒歩約10分、京丹後大宮ICから車で約30分(府道17号・国道178号経由)
・営業時間:11時30分〜15時30分(14時30分LO)、要予約
・駐車場:約50台
・定休日や電話番号など詳細は来店前に要確認(0772-72-0429)

 重箱の蓋を開けた瞬間に広がる彩りと、受け継がれてきた家族の手仕事。丹後ばらずしには、海の幸と里の暮らしが一枚の寿司に凝縮されているように感じましたどす。

 冷やしたぐい呑みに注いだ純米大吟醸YUTAKAを、鯖のおぼろの甘辛さと合わせてひと口。すっきりとした吟醸香が脂の乗った鯖の旨みを受け止め、錦糸卵の優しい甘みともよく馴染みます。ハレの日の食卓に、丹後の酒と丹後の寿司を並べる贅沢を、ぜひ味わってみてほしいどす。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 丹後ばらずしとはどんな料理どすか?
A. 丹後地方に伝わる郷土料理で、別名「まつぶた寿司」とも呼ばれます。酢飯を重ねた上に、サバ缶をほぐして甘辛く炒った「鯖のおぼろ」や錦糸卵、かんぴょうなどを彩りよく盛り付けた押し寿司で、祭りや田植え、結婚式などハレの日に振る舞われてきたごっつぉうどす。

Q. とり松はどこにあるお店どすか?
A. 京都府京丹後市網野町網野にある、創業八十余年の老舗どす。京都丹後鉄道の網野駅から徒歩約10分、車なら京丹後大宮ICから府道17号・国道178号経由で約30分ほど。駐車場も約50台分用意されていますが、来店の際は事前の予約をおすすめします。

Q. 丹後ばらずしの名前の由来は?
A. 名前の由来は定かではないとされていますが、具材をばらばらと彩りよく盛り付ける見た目から「ばらずし」と呼ばれるようになったと考えられています。餅を入れる木箱「まつぶた」で作ることから「まつぶた寿司」とも呼ばれ、地域や家庭によって盛り付けに個性が出るのも魅力どす。

Q. 丹後ばらずしに合うお酒はどすか?
A. 脂の乗った鯖のおぼろや、甘みのある錦糸卵との相性を考えると、すっきりとした吟醸香を持つ純米大吟醸YUTAKAがよく合います。よく冷やしてぐい呑みでいただくと、鯖の旨みと酒の清涼感が引き立て合い、ハレの日の食卓がより華やかな時間になりますどす。

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