海の京都物語 第411話 何度も洪水に流されながら、由良川に昭和4年から架かり続ける綾部大橋のトラス姿がほんまに凛々しいんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語も気づけば四百十一話どす。綾部市ではこれまで、九鬼の殿様がおった陣屋跡や、黒谷和紙の里、グンゼの近代化遺産なんかを巡ってきましたけど、まだまだ知らんかった綾部の顔がありますんやわ。

 今回案内するのは、由良川にどっしり架かる「綾部大橋」どす。普段何気のう渡ってはる橋どすけど、よう見たら戦前生まれの立派な鉄橋で、国の登録有形文化財にも選ばれてる歴史モンなんどすえ。

🌊 洪水をくぐり抜けた由良川の渡し場

 由良川には明治のはじめごろまで橋がのうて、人らは渡し舟で対岸と行き来してはったんどす。明治9年ごろに仮橋がかかり、明治27年にようやく本格的な木橋ができたんどすけど、明治29年の大水でいっぺんに流されてしもたそうどす。

 明治31年に建て直した木橋も、その翌年にまた流失してしもたんやから、由良川の勢いがどれほどのもんやったか、うちも想像するだけで身震いしますわ。舟の艪の音と、濁流に消える橋板の音が、今も川面のどこかに残ってる気がするんどすえ。

🏗️ 昭和4年生まれ、七連の鉄トラス橋

 そんな由良川に、現在も姿を見せてる綾部大橋がかかったんは昭和4年のことどす。全長210メートル、幅員5.2メートル、弓なりの弦をもつワーレントラスが七連も連なる、当時としては堂々たる鋼橋やったそうどす。施工は大阪の松尾鉄骨橋梁、今のIHIインフラシステムにあたる鋼橋専門の会社どした。

 朝のひかりが鉄骨の弧を縁取ると、七つの弓がずらりと川面に影を落として、まるで龍が由良川に寝そべってるみたいなんどすえ。風が吹くたび、トラスの間を抜ける音がかすかに鳴って、九十年ちかい時の重みをそっと教えてくれますんや。

🧵 グンゼと製糸業が支えた架橋

 この橋が架けられた昭和4年いうたら世は昭和恐慌のまっただ中どしたけど、綾部はグンゼ発祥の地として製糸業がよう栄えとって、昭和10年ごろにその最盛期を迎えたという記録が残ってますんや。地域の経済力が、立派な鉄橋を架ける後ろ盾になったんやろなぁと思いますわ。

 生糸を積んだ荷車がガタゴトと橋板を渡り、工場帰りの女工さんらが連れ立って欄干に手をかけてはる…そないな大正から昭和はじめの賑わいを、今の静かな橋のたもとに立って想像すると、なんや胸があったこうなるんどすえ。

🛤️ 時代を生き延びた登録有形文化財

 明治から昭和はじめにかけて日本中でようけ架けられたポニートラス橋は、車の大型化にあわせて大半が姿を消してしもたそうどすけど、綾部大橋は丹波大橋や新綾部大橋に交通が移ったおかげで、昔のままの姿で生き残ったんどす。平成17年(2005年)には国の登録有形文化財にも登録されましたんやで。

 今も地元の人らが自転車で渡り、夕暮れには川面がオレンジ色に染まって、鉄骨のシルエットが浮かびあがります。何べんも流され、それでも架け直されてきた橋どすさかい、見てるだけでなんや励まされる気ぃがしますんや。

📍行っ得メモ

・JR綾部駅から徒歩約20分
・舞鶴若狭自動車道 綾部ICから約5km
・橋のたもとに駐車場はなく、徒歩での見学がおすすめどす
・お問い合わせは綾部市観光協会(0773-42-9550)まで

 何べん洪水に負けても架け直されて、今日もひとり由良川を渡してる綾部大橋。その辛抱強さに、うちはなんや綾部いう町そのものを見るような気がするんどす。

 橋のたもとに座って、ぬる燗ほどのYUTAKAをぐい呑みでいただくんが、うちのお気に入りどす。純米大吟醸らしい柔らかい米の甘みが、舌の上でふわっとひろがって、鉄橋を渡る川風と一緒に、すーっと喉を流れていきますんや。幾度も架け直されてきた橋みたいに、丁寧に手をかけて造られたお酒の味わいを、ゆっくり噛みしめとうなる時間どすえ。

ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 綾部大橋はいつ架けられたんどす?
A. 現在の綾部大橋は昭和4年(1929年)に完成した鋼鉄のトラス橋どす。それ以前は明治時代に何度も木橋が架けられましたが、たびたび洪水で流され、ようやく辿り着いた頑丈な橋がこの姿なんどすえ。全長は210メートル、七連のトラスが由良川を渡してますんや。

Q. なぜ国の文化財に選ばれたんどす?
A. 明治から昭和はじめによう造られたポニートラス橋は、車の大型化で大半が姿を消してしもたんどす。でも綾部大橋は丹波大橋や新綾部大橋に交通が移ったおかげで昔のままの姿を保ち、平成17年に国の登録有形文化財として選ばれましたんやで。貴重な近代化遺産として今も現役どす。

Q. 綾部大橋へはどう行けばええん?
A. JR綾部駅から歩いて約20分ほどで着きますし、舞鶴若狭自動車道の綾部インターチェンジからやと車で約5キロどす。橋のたもとに専用駐車場はないよって、徒歩でゆっくり眺めるんがおすすめどすえ。詳しいことは綾部市観光協会に聞いてみとくれやす。

Q. 橋を眺めながらの一杯はどないしたら?
A. 綾部大橋のたもとに腰かけて、ぬる燗にしたYUTAKAをぐい呑みで傾けるんが、うちのおすすめどす。純米大吟醸らしいまろやかな米の甘みが、由良川を渡る風とともにすーっと喉を抜けていきますんや。架け直されてきた橋の歴史に思いを馳せながら、ゆっくり味わうとなお美味しおすえ。

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