海の京都物語 第491話 由良川にひっそり架かる昭和四年生まれの登録有形文化財、綾部大橋が語る蚕都あやべの栄華どすえ|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も491話を数えましたんえ。今日は綾部市の中でも、観光ガイドに大きゅう載ることはあらへんけど、地元の暮らしをずっと見つめてきた一本の橋を訪ねてみますえ。
その名も綾部大橋。由良川にどっしりと架かる、昭和生まれの鉄橋どす。派手さはあらへんけど、知れば知るほど奥の深い、そんな橋の話をさせてもらいますわ。
🌊渡し船しかなかった由良川
明治の初めごろまで、由良川にはまだ橋が架かっておらず、人も荷物も渡し船で対岸へ渡っとったそうどす。その後、木造の橋が架けられるんどすけど、洪水のたびに流されてしもて、架け直しが何度も繰り返されたんえ。
由良川の水は、綾部の暮らしを支える恵みであると同時に、こうして幾度も人々を悩ませてきた相手でもあったんどすな。流されては架け直す、その繰り返しの先に、今の綾部大橋があるんどす。
🧵蚕都あやべを支えた鉄の橋
昭和4年(1929年)、ついに現在の綾部大橋が完成しましたんえ。製作を手がけたんは大阪の松尾鉄骨橋梁、今のIHIインフラシステムどす。当時の綾部は養蚕・製糸業で栄え、「蚕都」とも呼ばれるほどの町。その発展を陸路からしっかり支えるために、この鉄橋が架けられたんどす。
製糸の町として名を馳せた綾部にとって、人や生糸、物資を途切れさせんと運ぶこの橋は、まさに町の血管のような存在やったんやろなぁと想像しますわ。
🏗七連の鉄橋、今も静かに現役
綾部大橋は、曲弦のトラスを連ねたポニー型の鋼製橋で、7つの連続する径間からできとります。木造橋時代の形式を受け継いだ構造どす。その歴史的な価値が認められ、平成17年(2005年)7月12日には国の登録有形文化財に登録されましたんえ。
今では交通の主役は丹波大橋や新綾部大橋に移り、綾部大橋を渡る車もぐっと落ち着いたもんどす。せやからこそ、架けられた当時の佇まいをそのまま今に伝える、貴重な一本になっとるんどすわ。夕暮れ時、由良川の水面に鉄骨のシルエットが映り込む様は、何とも言えん風情がありますえ。
📍行っ得メモ
・名称:綾部大橋(あやべおおはし)
・所在地:京都府綾部市並松町~味方町(由良川に架かる道路橋)
・建設:昭和4年(1929年)/登録有形文化財(2005年7月12日登録)
・アクセス:JR綾部駅から徒歩約20分、舞鶴若狭自動車道「綾部IC」から車で約5km
・駐車場:橋のたもとに専用駐車場はなし
・問い合わせ:綾部市観光協会(TEL:0773-42-9550)
派手な観光スポットやのうても、こうして静かに町の歴史を物語る場所があるんが、綾部のええところやと思いますんえ。綾部大橋を渡るたび、ここを行き交うてきた幾世代もの人の暮らしに、ちょっとだけ思いを馳せてみとうなりますわ。
そんな綾部大橋を眺めながら味おうてほしいのが、純米大吟醸YUTAKA(豊)どす。ひんやり冷やしてガラスの盃に注げば、鉄橋が静かに時を重ねてきたんと同じように、澄んだ香りと米の旨みがゆっくりと花開いていきますんえ。蚕都の記憶を載せて流れる由良川を思い浮かべながら、きりっと冷えた一杯をどうぞ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 綾部大橋はいつ建てられたんどすか?
A. 綾部大橋が完成したのは昭和4年(1929年)どす。それまで由良川には橋がなく渡し船が使われ、その後架けられた木造橋も洪水で何度も流されてしもたそうどす。蚕都と呼ばれた綾部の発展を支えるため、鉄骨製の橋として生まれ変わったんえ。
Q. 綾部大橋はどんな構造の橋どすか?
A. 曲弦のトラスを連ねたポニー型の鋼製橋で、7つの径間が連続する構造になっとります。木造橋時代の形式を受け継いだ珍しい橋で、その歴史的価値から平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録されましたんえ。今も当時の佇まいをよう伝えとります。
Q. 綾部大橋へはどうやって行けますか?
A. 電車やったらJR綾部駅から徒歩で約20分どす。お車なら舞鶴若狭自動車道の綾部インターチェンジから約5キロメートルほど。ただし橋のたもとに専用の駐車場はあらしまへんので、お越しの際は綾部市観光協会などに事前に確認してもらうのが安心どす。
Q. YUTAKAはどんな温度がおすすめどすか?
A. 純米大吟醸YUTAKA(豊)は、よう冷やしてガラスの盃でいただくのがおすすめどす。冷えた状態やと、澄んだ香りと米のふくよかな旨みがすっきりと感じられますんえ。綾部大橋のように静かに時を重ねる風景を眺めながら、ゆっくり味おうてもらいたい一杯どす。
京都 丹後