海の京都物語 第493話 廃校がまるごと栗の工房に大変身、福知山・足立音衛門はんの里山ファクトリーで香る贅沢などすえ|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語、第493話どす。これまで福知山城や大江山の鬼伝説、由良川の流れなど、お城と自然のお話をようけしてきましたなぁ。
今日はちょっと目先を変えて、福知山が生んだ「栗スイーツ」のお話をさせてもらいますえ。お城の近くにある老舗と、山あいの廃校が生まれ変わった工房のお話どす。
🏯福知山城近くの洋館、お城カフェ
福知山市内記に本社を構える菓子メーカー・足立音衛門は、平成3年(1991年)に創業し、平成17年(2005年)に法人化されたお店どす。福知山城のすぐ北側、大正時代の洋館を改装した本店は「お城カフェ」の愛称で親しまれとります。
代表銘菓は大粒の栗をまるごと使こうた「栗のテリーヌ」。菓子屋さんの常識やったら栗は細こう刻んで香りづけに使うことが多いんやそうどすが、ここでは丸い栗の形がそのまま見えるくらい、贅沢に栗を詰め込んではるんどす。和三盆糖も20年以上使い続けてはるとかで、甘さにも上品な奥行きがありますえ。
白壁の洋館に足を踏み入れると、大正ロマンの香りと栗の焼ける匂いが混じり合うて、なんとも言えん贅沢な時間が流れますのや。
🏫廃校になった小学校が、丸ごと菓子工房に
福知山市は平成24年度から令和2年度にかけて小学校の統廃合を進め、この約10年で16もの学校が姿を消したそうどす。子どもの声が消えた校舎をどう活かすか、市も頭を悩ませてはったんやとか。
そこで足立音衛門が福知山市私市(きさいち)の旧・佐賀小学校を買い取り、令和3年(2021年)10月に「里山ファクトリー」としてオープンさせはりました。改修には約4億円をかけ、市内に点在しとった洋菓子・和菓子・ジェラート・チョコレートの製造拠点をこの一つの校舎に集めはったそうどす。師走の贈答シーズンに向けて増えていく注文に応えるための決断やったんどすなぁ。
教室やったガラス張りの工房では、職人さんが黙々と手を動かす様子を間近で見られますし、かつてのグラウンドは今も祭りや運動会で地域の人らに開放されとるそうどす。渡り廊下を歩いてたら、ふと昔ここで学んどった子どもの声が聞こえてくるような、そんな不思議な気持ちになりますえ。
廃校言うたら寂しい響きもありますけど、ここでは栗の甘い香りが校舎いっぱいに満ちて、新しい時間がちゃーんと流れとるんどす。
📍行っ得メモ
・里山ファクトリー:福知山市私市(きさいち)、旧・福知山市立佐賀小学校跡地
・福知山ICから車でおよそ10分
・売店9:00〜18:00、カフェ10:00〜17:00(1月1日定休)
・本店「お城カフェ」は福知山城北側、福知山市内記44-18
栗一粒にここまで手間ぇかけるお店が、廃校になった校舎で新しい歴史を紡いではる。そのお話を知ってから、福知山のまちがまたちょっと愛おしゅう見えてきましたわ。
濃厚な栗のテリーヌをいただくんやったら、純米大吟醸YUTAKAはちょっと冷やして、ぽってりした平盃でゆっくり味わうのがよろしいなぁ。フルーティーな吟醸香と、栗のねっとり甘い余韻が舌の上で重なって、どっちも引き立て合う贅沢な時間になりますえ。校舎やった工房に思いを馳せながら、ゆっくり盃を傾けてみとくれやす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 足立音衛門はどんなお店どすか?
A. 福知山市内記に本社を置く和洋菓子の製造販売店どす。平成3年創業で、大粒の栗をまるごと使こうた「栗のテリーヌ」が代表銘菓として知られとります。福知山城近くの本店は大正時代の洋館を改装したもので、「お城カフェ」の愛称で親しまれとりますえ。
Q. 里山ファクトリーとはどんな施設どすか?
A. 福知山市私市にある旧・佐賀小学校を改修した菓子工房どす。令和3年10月にオープンし、洋菓子・和菓子・ジェラート・チョコレートの製造拠点を一か所に集めてはります。教室やった工房はガラス張りで、製造の様子を見学することもできますえ。
Q. 里山ファクトリーへのアクセスはどないどすか?
A. 福知山ICから車でおよそ10分ほどの場所にある旧佐賀小学校の跡地どす。売店は9時から18時、カフェは10時から17時まで営業しており、1月1日は定休となっとりますので、お出かけ前にご確認くださいませ。
Q. 純米大吟醸YUTAKAは栗スイーツに合いますか?
A. よう合いますえ。栗のテリーヌのような濃厚で甘みの強いお菓子には、フルーティーな吟醸香を持つ純米大吟醸YUTAKAがようお似合いどす。少し冷やして平盃でいただくと、栗のねっとりした甘さと酒の香りが重なり合うて、上品な余韻を楽しんでいただけますえ。
京都 丹後