海の京都物語 第172話 京都府内最大の円墳・私市円山古墳公園で、千六百年前に由良川流域を治めた王の眠りに触れる旅どす|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語、第172話どす。これまで舞鶴の港町や伊根の舟屋、宮津の橋立や福知山の城下町と、海と山に育まれた丹後・丹波のまちまちを巡ってまいりましたなあ。

 今回訪ねますのは、海から少し奥まった内陸の綾部市。由良川がゆったり流れるこの地に、千六百年ほど前の王さんが眠る大きな円墳があるんどす。私市円山古墳公園、その名の通り「私市町」いう集落の高台に整備された史跡公園どすえ。

⛰️京都府内最大の円墳、その規模に驚かされますえ

 私市円山古墳は、直径約70メートル、高さ約10メートル、全長にすると約81メートルにもなる大きな円墳どす。京都府内に残る円墳としては最大規模で、国土交通省の観光資源データベースでも「日本最大クラスの円墳」と紹介されとります。

 墳丘は3段に築かれ、山肌には由良川の河原石を使った葺石が約6万個も敷き詰められ、麓には円筒埴輪や形象埴輪がおよそ1000本も並べられていたそうどす。千六百年前の職人さんらが、どれほどの手間をかけてこの山を築いたんか、想像するだけで気が遠うなりますなあ。

🗡️由良川を治めた王の墓、出土品が語る豊かな暮らし

 この古墳は3つの埋葬施設を持ち、衝角付冑や短甲などの甲冑、鉄刀、鉄鏃(中央の主体部からは38本、北側からは73本も)、勾玉・管玉、鏡、鉄斧や鉄鎌といった農工具、さらには金銅張りの矢入れまで、たいそう豪華な副葬品が見つかっとります。

 由良川の中流域だけで千基を超える古墳が確認されとるそうどすが、その中でもひときわ大きいのがこの私市円山古墳。埋葬されたんは親子か兄弟とみられるお二人で、他の地域とも交易を行うほどの力を持った、由良川流域を治める王さんやったと考えられとります。

🚧高速道路の工事で見つかった、奇跡のような発見

 実はこの古墳、1988年に舞鶴若狭自動車道の建設に伴う調査で見つかるまで、その存在すら知られてへんかったそうどす。発見後は保存を望む声が高まって、道路の工法がトンネルに変更されたというから驚きどすなあ。

 1993年には古墳公園として開園し、翌1994年には国の史跡に指定されました。今では墳丘が築造当時の姿に復元され、市民の憩いの場としても、遠方から訪れる歴史好きの観光客さんにも親しまれとります。

🌾山頂に立てば、由良川の田園風景がずっと先まで続きますえ

 古墳の頂上に登ってみますとなあ、由良川とその流域に広がる田園風景がぐるりと見渡せますのや。この景色を、眠っとる王さんもきっと同じように眺めてはったんやろなあと思うと、なんや不思議な気持ちにさせられますえ。

 古墳から車で10分ほどの綾部市資料館には、ここで見つかった甲冑や鉄刀、蛇行剣、碧玉製の勾玉なんかがきれいな状態で展示されとって、埋葬の様子も再現されとります。あわせて訪ねると、王さんの暮らしぶりがぐっと近こう感じられますえ。

📍行っ得メモ

・私市円山古墳公園(京都府綾部市私市町):JR綾部駅からあやバス西坂線で「湯殿」下車、徒歩約5分
・お車なら舞鶴若狭自動車道から約20分、府道経由なら約10分ほど
・出土品は古墳から車で約10分の綾部市資料館で見学できます
・近隣には関西花の寺として知られる楞厳寺や綾部ふれあい牧場もあり、あわせて巡るのがおすすめどす

 千六百年前、この地を治めた王さんが眠る円山を訪ねてみますと、由良川の流れも田園の風景も、当時とそう変わらへんのやないかと思えてきますなあ。大きな古墳を築くほどの力を持った王さんの物語に触れながら、綾部の静かな時間をゆっくり味わうてみてください。

 古墳を歩いたあとの一献には、純米大吟醸YUTAKA(豊)を冷やしてグラスでいただくのがようございます。由良川の伏流水を思わせる澄んだ喉ごしと、ふわりと広がる上品な吟醸香が、千六百年前の王さんの豊かな暮らしぶりに思いを馳せる時間にそっと寄り添うてくれますえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 私市円山古墳ってどんな古墳どすか?
A. 京都府綾部市私市町にある円墳で、直径約70メートル、高さ約10メートル、全長は約81メートルにもなります。京都府内に残る円墳としては最大規模とされ、国土交通省の観光資源データベースでは「日本最大クラスの円墳」とも紹介されています。5世紀半ば頃、古墳時代中期の築造と推定されとります。

Q. 国の史跡に指定されてるんどすか?
A. はい、1994年に国の史跡に指定されました。1988年に舞鶴若狭自動車道の建設調査で偶然発見され、保存を求める声から道路はトンネル工法に変更されたそうどす。1993年に古墳公園として開園し、翌年に国史跡となりました。

Q. 出土品はどこで見られますか?
A. 古墳から車で約10分の綾部市資料館で見学できます。甲冑や鉄刀、鉄鏃、勾玉・管玉、鏡、円筒埴輪や形象埴輪、金銅張りの矢入れなど、埋葬施設から見つかった豪華な副葬品がきれいな状態で展示されとります。

Q. アクセスや眺望はどないなん?
A. JR綾部駅からあやバス西坂線で「湯殿」下車、徒歩約5分どす。車なら舞鶴若狭自動車道から約20分ほど。頂上に登ると由良川とその流域に広がる田園風景が見渡せて、古代の王が眺めたであろう景色を体感できますえ。

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