海の京都物語 第173話 土用の丑の日にうなぎを断ってお参りすれば千度詣でにも勝る、綾部・高倉神社の言い伝えを訪ねますえ|日本酒YUTAKA(豊)

•

 「海の京都物語」も今回で173話を数えましたなぁ。舞鶴の海辺から福知山の里山まで、丹波と丹後をつなぐ北近畿をあちこち歩いてきましたが、今日ご案内するんは海からちょっと離れた綾部市の山あい、高倉町どす。

 このお社、地元では「天一さん」の愛称で親しまれとる高倉神社。世間で「うなぎを食べる日」として知られる土用の丑の日に、逆にうなぎを断って願をかける、ちょっと変わった言い伝えが残っとるんどす。今日はその由緒と、丑の日にまつわる言い伝えをじっくり紐解いていきますえ。

⛩️高倉宮以仁王はんをお祀りするお社どす

 治承4年(1180年)、平家打倒の令旨を出さはった後白河法皇の皇子・以仁王はんは、宇治川の戦いに敗れて都を落ち延び、この綾部の地まで逃れてきはったと伝わっとります。同年にこの地で亡くなり、翌年の養和元年(1181年)9月にお社が建てられたのが、高倉神社の始まりやそうどす。

 以仁王はんは、亡くなる際に人々を腹痛の苦しみから救おういうような言葉を残さはったと伝えられ、以来この神様は腹痛平癒・胃腸病快癒のご利益で知られる存在に。地元の方は今も「天一さん」呼びで親しみを込めてお参りしはるんどす。

🌙丑の刻参りは千度詣でに勝るとも

 高倉神社には古くから「丑の刻参りをすると、千回お参りしたんと同じご利益がある」との言い伝えが残っとります。土用の丑の日に行われる例祭「土用の丑まつり」は、真夜中0時からの宵宮祭で幕を開け、朝8時の本殿祭へと続く、夜を徹した神事どす。

 境内では腹痛に効くとされる「五葉の笹」や、独特の「はらわた餅」いうお餅が授与され、参拝者はそれをいただいて無病息災を願わはります。真夏の夜、灯りの下で静かに手を合わせる人々の姿を思い浮かべると、なんや厳かな気持ちになりますなぁ。

🐟うなぎを断つ、という言い伝えも

 世間では「土用の丑の日」いうたらうなぎを食べる日として知られとりますが、この高倉神社では反対に、うなぎを断ってお参りすると腹痛から救われる、との言い伝えが地元で語り継がれとるそうどす。ただ、この由来をはっきり裏付ける記録までは確認しきれておりませんので、あくまで言い伝えとして受け止めておくれやす。

 腹痛の神様として信仰される以仁王はんと、うなぎとの結びつきがどこから生まれたんか、はっきりしたことはわからしまへんが、全国的な「うなぎを食べる日」の常識をひっくり返すような風習が今も残っとるところに、この土地の信仰の奥深さを感じますえ。

💃里宮と本社を結ぶ秋のひやそ踊り

 高倉神社は、山あいに鎮まる本社と、麓の里宮高倉神社という二つのお社からなっとります。秋の例大祭では、近隣の氏子はんたちが御神輿を本社から里宮まで担いで運び、地元の小学生らが「ひやそ踊り」という田楽を奉納しはります。

 この踊りは「以仁王はんの矢傷を癒そう、癒そう」と声をかけながら踊ったのが始まりと伝えられ、綾部市の指定無形民俗文化財にもなっとります。例年10月第2日曜に行われ、拝殿は京都府登録有形文化財、境内には「銘木100選」に選ばれた木も3本あるそうどす。

📍行っ得メモ

・所在地: 京都府綾部市高倉町奥路45(里宮は「里」バス停から徒歩約2分)
・土用の丑まつり: 土用の最初の丑の日に斎行、宵宮祭0時〜、本殿祭8時〜(年により日付が変わります)
・秋季例大祭(ひやそ踊り奉納): 例年10月第2日曜
・アクセス: JR山陰線綾部駅からあやバス篠田桜が丘線で「高倉公園前」下車、徒歩約10分。車の場合は国道27号線から綾部工業団地方面へ。駐車場あり、参拝無料
・問い合わせ: 綾部市観光協会 0773-42-9550

 千年近く前に都を追われた皇子はんが、この山あいで最期を迎え、それでも「人々の腹痛を救おう」いう言葉を残さはった。うなぎを断ってでも一心に手を合わせる人がおるいうんは、土地の記憶がちゃんと今に息づいとる証どすなぁ。

 そないな話を聞いた後は、常温よりちょっと冷やしたぐらいのYUTAKA(豊)を、ぐい呑みでキュッと。うなぎを断つ言い伝えに敬意を表して、その晩の肴は湯豆腐と焼き茄子にしてみましたんやけど、純米大吟醸らしいすっきりした吟醸香と米の甘みが、じんわり五臓六腑にしみわたる感じで、これはこれで腹痛封じのご利益にあやかれた気がしますえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

大吟醸KYOTO YUTAKAを見る/購入する

FAQ
Q. 高倉神社の土用の丑まつりって、どんなお祭りどす?
A. 土用の最初の丑の日に行われる神事どす。真夜中0時からの宵宮祭で始まり、朝8時の本殿祭へと続きます。境内では腹痛に効くとされる『五葉の笹』や『はらわた餅』が授与され、参拝者は無病息災を願わはります。丑の刻参りは千度詣でに勝るとも伝えられとります。

Q. 祭神の以仁王はんって、どんなお方どす?
A. 後白河法皇の皇子で、平家打倒の令旨を出しはった以仁王はんどす。治承4年(1180年)、宇治川の戦いに敗れて都を落ち延び、綾部の地で亡くなったと伝わっとります。腹痛から人々を救うとの言葉を残さはったとされ、以来腹痛平癒の神様として親しまれとるんどす。

Q. うなぎを断つ祈願は本当の話どすか?
A. 土用の丑の日といえばうなぎを食べる日として全国的に知られとりますが、高倉神社にはあえてうなぎを断ってお参りすると腹痛から救われる、との言い伝えが地元に残っとります。ただ、この由来をはっきり裏付ける記録までは確認できておらず、あくまで語り継がれてきた言い伝えとして受け止めておくれやす。

Q. アクセスや参拝の際の注意点は?
A. JR山陰線綾部駅からあやバス篠田桜が丘線で『高倉公園前』下車、徒歩約10分どす。車の場合は国道27号線から綾部工業団地方面へ。駐車場があり参拝は無料どすが、土用の丑まつりは深夜0時から始まる神事なので、夜間の参拝には足元や虫除けの備えをしておくれやす。

0件のコメント
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。