海の京都物語 第192話 綾部の氏神さん、熊野新宮さんで平重盛はんゆかりの由緒と夏越の水無月大祭に手ぇ合わせてきましたんどす|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語もはや192話を数えるようになりましたなあ。丹後から福知山、そして綾部と、海に近い京都の町々を巡りながら、その土地に根付く社寺や祭り、暮らしの匂いをお伝えしてきましたんやけど、今回もまた綾部市に舞い戻ってのお話どす。

 綾部いうたら大本さんや黒谷和紙、あやべ水無月まつりの花火なんかがようけ知られとりますけど、今回はちょっと視点を変えて、地元の人らが長いこと手えあわせてきた氏神さん、「熊野新宮神社」を訪ねてみようと思うんどす。

⛩️平重盛が熊野の神さんを祀ったんが始まりどす

 熊野新宮神社の始まりは治承年間(1177〜1180年)にまで遡るそうどす。当時の国守やった平重盛はんが、紀州の熊野速玉大社から分霊を勧請しはって、本宮山の東麓に祀らはったんが起こりと伝わっとります。祭神は伊弉冊尊・速玉男命・事解男命の熊野三神どす。

 境内で手えあわせとったら、平安の世からずっと、この土地の人らが同じように頭下げてきたんやなあと、そんな遠い時間がふっと近こう感じられる、そないな不思議な気持ちになりますんえ。

🏯綾部藩主・九鬼氏が現在地へ遷座しはった

 元禄11年(1698年)には、綾部藩主やった九鬼氏の手によって、神社は今の並松町上溝口の地へ遷座されたそうどす。歴代の藩主から崇敬を受け続けてきたことも伝わっとります。

 城下町として栄えた綾部のまん中近くに鎮まらはって、以来ずっと町の暮らしを見守ってきはったんやと思うと、由良川沿いに広がる町並みも、また違うた景色に見えてきますんえ。

🎐水無月大祭は毎年7月28日に営まれとります

 夏の例祭「水無月大祭」は、もとは旧暦6月晦日に営まれとった祭りで、延享2年(1745年)にはすでに盛大に執行されとった記録が残っとるそうどす。明治5年の暦改正で7月28日に改められ、今も毎年その日に続けられとります。

 由良川の花火やら万灯流しで知られる「あやべ水無月まつり」とはまた別に、この神社独自の大祭として、今も静かに、けど確かに受け継がれとるんやそうどす。

 蝉の声が降るような夏の昼下がり、境内をそよぐ風に涼を感じながら手えあわせる。そないな夏越の一日が、綾部の人らにとってはごく当たり前の風景なんやろなあと思わされますんえ。

🐛蚕神祭とえびす祭、暮らしに息づく信仰どす

 大正6年(1917年)には、貞明皇后はんの視察を記念して、皇居の御養蚕所に祀られる蚕の神さんを合祀しはったそうどす。以来毎年4月に「蚕神祭」が営まれ、かつては「養蚕神社」とも呼ばれとったんやとか。

 もうひとつ、明治35年(1902年)には兵庫県西宮市の西宮神社から分霊を受けて「えびす祭」も始まりました。毎年1月10日に開催され、昭和29年(1954年)からは商業者の組織「蛭子講」が中心となって賑わいを支えてきはったそうどす。

 商いの神さんに手えあわせる人らの姿を思い浮かべとったら、この神社が単なる古い由緒だけやのうて、今もなお綾部の暮らしの中に生き続けとるんやなあと、しみじみ感じ入りますんえ。

📍行っ得メモ

・熊野新宮神社(京都府綾部市並松町上溝口14)
・主祭神は伊弉冊尊・速玉男命・事解男命の熊野三神
・夏の例祭「水無月大祭」は毎年7月28日
・えびす祭は毎年1月10日、蚕神祭は毎年4月に開催
・境内には恵比須神社・産土総社・厄神社・金比羅宮も鎮座

 千年近い歴史を持ちながら、今も夏越の大祭やえびす祭を通じて、綾部の人らの暮らしにそっと寄り添い続ける熊野新宮神社どす。派手さはのうても、こないして脈々と続いてきた信仰の姿に、なんや背筋が伸びる思いがしましたんえ。

 そないな夏越の日には、キリッと冷やした純米大吟醸YUTAKAを、薄手のガラスの盃でいただくのがようおすなあ。よう冷えた酒が喉を過ぎるとき、ふわりと立つ吟醸香と共に、蝉時雨の中で手えあわせた静けさがそのまま口の中に広がるような、そないな一杯どす。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 熊野新宮神社はどこにありますんの?
A. 京都府綾部市並松町上溝口14にある神社どす。由良川にほど近い町なかに鎮まっとって、地元では古くから氏神さんとして親しまれてきた社で、境内には恵比須神社や産土総社なんかも祀られとりますんえ。

Q. 熊野新宮神社の由緒を教えてください
A. 治承年間(1177〜1180年)に国守やった平重盛はんが紀州の熊野速玉大社から分霊を勧請しはったんが始まりと伝わっとります。その後元禄11年(1698年)に綾部藩主九鬼氏によって現在地へ遷座されましたんえ。

Q. 例祭はいつ行われとりますんか?
A. 夏の例祭「水無月大祭」は毎年7月28日に営まれとります。もとは旧暦6月晦日の祭りで、由良川の花火で知られる『あやべ水無月まつり』とは別の、神社独自の大祭として今も静かに受け継がれとりますんえ。

Q. YUTAKAはどないな場面に合いますんか?
A. 夏越の祭りの日など、暑い盛りにキリッと冷やして、薄手のガラスの盃でいただくのがようおす。ふわりと立つ吟醸香とすっきりした味わいが、蝉時雨の中の静かな涼を運んでくれる、そないな一杯どす。

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