海の京都物語 第248話 大虫さんと小虫さん、丹後唯一の名神大社どす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も第248話を迎えましたんや。これまで丹後ちりめん歴史館など、与謝野町のものづくりの歴史を巡ってきましたが、今日は少し足を延ばして、加悦谷のまんなかあたり、温江(あつえ)地区へご案内しますえ。
温江は大江山の山裾、温江川沿いに田畑が広がる扇状地の集落どす。古墳が集中する地としても知られていますが、実はこの地には、丹後地方でここにしかないという特別な神社が、ひっそりと二社並んで鎮座しているんどす。
⛩️延喜式が記す「名神大社」
平安時代に編纂された延喜式神名帳には、格式高い神社として「名神大社」が記されていますが、丹後国でこの名神大社に比定されるのは、温江の大虫神社と小虫神社の二社だけなんどす。
境内へ足を踏み入れると、大きな岩が社殿の前にどっしりと座っておりましてな、古くからこの地に根づいてきた信仰の重みをひしひしと感じますえ。
🐍大国主命と少彦名命、虫退治の言い伝え
大虫神社の祭神は大国主命を主とし、少童命・大田命が合祀されています。言い伝えによりますと、大国主命が妻の沼河姫とこの地で暮らしていたとき、槌鬼の毒気にあてられて妻が病に臥せってしまったそうどす。
そこへ少彦名命が八色の息を吹きかけて槌鬼を追い払い、その後、両神が虫病の流行を鎮めることを誓ったという伝承が残っているんどすわ。北西へ500メートルほど離れた小虫神社には、その少彦名命が祀られておりますえ。
⛰️大江山の中腹から、里へ下りてきた社
もともと大虫神社・小虫神社は、大江山の中腹に並んで鎮座していたと伝わっております。長い歳月を経て、今の温江の地に祀られるようになったんどすなあ。
社殿のまわりは木々に囲まれ、参拝する人も多くはおまへんが、だからこそ千年を超える祈りの気配がそのまま残っているような、しんと静かな空気が流れておりますえ。
📍行っ得メモ
・住所は京都府与謝郡与謝野町温江、参拝は無料どす
・丹後海陸交通「丹鉄与謝野駅」から車で約17分の距離どす
・大虫神社と小虫神社は近い距離にあり、合わせてお参りするのがおすすめどす
丹後でただ二社しかない名神大社が、静かな温江の里にひっそりと並び立っている。そのことを知ってから手を合わせますと、いつもより少し背筋が伸びる思いがしますんや。
そんな古社を訪ねたあとは、常温より少しだけ冷やした純米大吟醸YUTAKAを、素焼きのぐい呑みでいただくのがようございます。口に含むと穏やかな米の甘みがすっと広がり、神話の時代から変わらぬ里の静けさと、すっと喉を通る澄んだ後味が重なり合うような心地がしますえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 大虫神社はどこにありますか?
A. 京都府与謝郡与謝野町温江に鎮座しておりまして、丹後海陸交通の丹鉄与謝野駅から車で約17分ほどの場所どす。参拝は無料どすので、与謝野町をゆっくり巡る旅の途中に、気軽に立ち寄っていただける古社どすえ。
Q. 名神大社とはどんな神社どすか?
A. 平安時代の延喜式神名帳に記された、特に格式の高い神社のことどす。丹後国でこの名神大社に数えられるのは温江の大虫神社・小虫神社の二社だけで、丹後地方で唯一の貴重な存在どすのや。
Q. 大虫神社と小虫神社の関係は?
A. もともとは大江山の中腹に並んで鎮座していたと伝わる、ゆかりの深い二社どす。大虫神社には大国主命、北西へ500メートルほどの小虫神社には少彦名命が祀られており、虫病退散の伝承を今に伝えておりますえ。
Q. 参拝のあとにおすすめの飲み方は?
A. 古社を巡ったあとは、純米大吟醸YUTAKAを常温よりやや冷やして、素焼きのぐい呑みでいただくのがようございます。穏やかな米の甘みと澄んだ後味が、静かな社叢の余韻とよう合いますえ。
京都 丹後