海の京都物語 第266話 由良ヶ岳仰ぐ由良海岸の白砂どす、曽禰好忠の恋歌と森鷗外『山椒大夫』の記憶が波音に溶ける宮津の夏どすえ|日本酒YUTAKA(豊)
「海の京都物語」、気がつけば266話を数えますんやけど、宮津市はほんまに懐の深い町どすなあ。天橋立の内海だけやのうて、日本海に面した外海にも、見とれてしまう景色がぎょうさん隠れとるんどす。
今日ご紹介するんは、宮津市の東のはずれ、由良川が日本海へ注ぐとこに広がる「丹後由良海水浴場」、通称・由良海岸どす。天橋立からちいとばかし足を延ばした、静かな渚の話どすえ。
🏖️由良ヶ岳を背にした白砂の渚どすえ
由良海岸は、由良川が日本海へ注ぐ河口に開けた白砂のビーチどす。その長さは約2kmに及び、背後には「丹後富士」とも呼ばれる由良ヶ岳(標高640m)がどっしりと構えとります。
遠浅で水のきれいな海が広がり、京都丹後鉄道の丹後由良駅からは歩いてわずか7分。夏になると海開きは例年7月2日、涼を求める人らで賑わう、地元に根づいた渚どすなあ。
📖百人一首にも詠まれた恋の海どすなあ
この由良の海は、平安時代の歌人・曽禰好忠が百人一首に残した一首、「由良の戸を 渡る船人 梶を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな」の舞台とも伝わっとります。
潮の流れが速かった由良の瀬戸を、梶を失うた舟人の心もとなさに重ねた歌どすなあ。千年前から、旅人の心をとらえてきた海どすえ。
✒️森鷗外『山椒大夫』ゆかりの渚どす
大正4年(1915年)、文豪・森鷗外が発表した小説『山椒大夫』にも、この由良の海辺が登場しますんや。渚には今も、鷗外の文学碑が静かに佇んどります。
波の音を聞きながら碑の前に立つと、物語の時代へふっと誘われるような、不思議な気持ちになりますんどす。
📍行っ得メモ
・丹後由良海水浴場(由良海岸)/京都府宮津市由良 ・京都丹後鉄道「丹後由良」駅から徒歩約7分 ・海開きは例年7月2日(開設期間は年により変動するため要確認) ・由良ヶ岳(標高640m)を望む遠浅の白砂ビーチ、全長約2km
夏の間だけ賑わう渚やけど、由良ヶ岳を映す波はいつ訪れても変わらん静けさを湛えとります。千年前の歌人も、百年前の文豪も見つめた同じ海を、今うちらも眺められるて、ほんまにありがたいことどすなあ。
そんな由良の渚を眺めながらいただくなら、YUTAKAはきりっと冷やして、ガラスの酒器でどうぞ。白砂の照り返しのような澄んだ味わいが、潮風と一緒に喉を通っていく心地どす。肴に炙った干物なんぞ合わせたら、海の記憶がいっそう深まりますえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 由良海岸はどこにありますか?
A. 由良海岸(丹後由良海水浴場)は、京都府宮津市由良にあり、由良川が日本海へ注ぐ河口に広がる白砂のビーチどす。京都丹後鉄道の丹後由良駅から徒歩約7分とアクセスも良く、天橋立から少し足を延ばした先にある、海の京都のもうひとつの渚どすえ。
Q. 由良の海にはどんな歴史がありますか?
A. 平安時代の歌人・曽禰好忠が百人一首に残した「由良の戸を 渡る船人 梶を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな」の舞台と伝わり、大正4年には森鷗外の小説『山椒大夫』にも登場しましたんや。渚には今も鷗外の文学碑が建ち、千年にわたる物語の記憶を伝えとります。
Q. 海水浴はいつ楽しめますか?
A. 丹後由良海水浴場の海開きは例年7月2日どす。夏の間だけ開設される季節限定の渚で、由良ヶ岳(標高640m)を望む遠浅の白砂ビーチが約2kmにわたって広がっとります。開設期間は年により変わりますので、お出かけ前に最新情報をご確認くださいませ。
Q. YUTAKAはどんな場面で飲むと合いますか?
A. 由良の渚を眺めながらなら、YUTAKAはよく冷やしてガラスの酒器でどうぞ。澄んだ後口が潮風と響き合い、炙った干物のような海の肴とも相性がよろしおす。夏の夕暮れ、波音を聞きながらゆっくり味わう一杯にぴったりどすえ。
京都 丹後