海の京都物語 第274話 高齢化すすむ夜久野の里を元気にする田んぼアート、五色の古代米が描くクマの図柄に出会う秋の旅どすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語もはや二百七十四話どすなあ。前回は福知山駅のすぐ南で見つかった千七百年前の「景初四年」の鏡の謎を辿らせてもろて、ロマンあふれる旅になりましたんえ。

 今日は打って変わって、実りの秋まっさかりの田んぼへ足を運ばせてもらいますえ。福知山市の西のはずれ、兵庫県境にほど近い夜久野町で、地元の方々が長年描き続けてはる田んぼアートのお話どす。

🐻 高齢化すすむ里を元気にするクマの図柄

 福知山市内の田んぼでは今年、赤・黄・緑・黒・白の五色の古代米を使うて、クマの図柄を描いた巨大な田んぼアートが話題になっとるんどす。高齢化がすすむ地域を元気にしようと、地元の方々が力を合わせて育てはったそうどすえ。

 夏のあいだ青々としとった稲が少しずつ色づいて、クマの顔がくっきり浮かび上がる様子は、まさに自然が描く一枚の絵どす。秋風の吹くころには稲穂も頭を垂れて、絵柄もいよいよ深まった色合いを見せてくれますんえ。

🐸 居母山クラブが紡ぐ、年ごとに変わる物語

 夜久野町大岶地区では、登山愛好家でつくる居母山クラブのみなさんが約九アールの田んぼで、やはり五色の古代米を使うた田んぼアートを二十年以上も続けてはります。令和五年は「PEACE」、令和六年は能登の地震で被災した石川県を応援する図柄、令和七年はカエルの絵柄と、年ごとにテーマを変えてきはったそうどす。

 六月はじめには市内外から七十人ほどの家族連れや大学生が集まって田植えを手伝わはって、九月中ごろまで図柄を楽しめるんどすえ。毎年十月には恒例の稲刈りイベントも開かれて、里山の一年がぐるりとひと巡りするんどす。

🕰️ 東経百三十五度が通る「時の町」どすえ

 夜久野町は平成の合併で平成十八年(2006年)一月一日に福知山市の一部になった地域どす。日本標準時の基準となる東経百三十五度線が町の東部を通ることから、「時の町」とも呼ばれてきましたんえ。西・南・北の三方を兵庫県の朝来市、丹波市、豊岡市に囲まれた、京都府の西の果てにあたる土地どす。

 山あいならではの寒暖差が、古代米の色づきをいっそう鮮やかにしてくれるそうどす。紅葉にはまだ少し早いこの季節、青い空の下で色とりどりの稲穂が風に揺れる景色は、訪れる人の心をほっこりさせてくれますんやで。

🎨 漆の里としての記憶も息づく夜久野

 夜久野町は江戸から明治にかけて、西日本を代表する漆の一大生産地としても知られとった土地どす。漆を掻くための刃物も「丹波」の名で各地に知られとったそうどすえ。

 田んぼアートを守り継ぐ今の営みも、ものづくりと里山を大切にしてきたこの土地の気風と、どこか重なって見えてきますんえ。

📍行っ得メモ

・アクセス:JR山陰本線「上夜久野駅」または「下夜久野駅」下車(どちらも無人駅で特急は停まりまへん)、福知山市街からは車で約三十分どす
・観賞時期:六月はじめの田植えから九月中ごろまで図柄が楽しめ、十月には恒例の稲刈りイベントも開かれますんえ
・ひとこと:個人の方の田んぼを使わせてもろてる場所どす、見学の際は道路やあぜ道のマナーを守っておくれやすな

 毎年図柄を変えながら二十年以上も続けてきはった田んぼアート、そこには高齢化する里を元気にしたいという願いがずっと込められてきたんやなあと、しみじみ感じ入りましたんどす。

 そんな実りの便りを肴に、今宵は純米大吟醸YUTAKAをぬる燗にして、ぐい呑みでちびりちびりと味わいとうなります。五色の古代米が重なり合う田んぼの色合いみたいに、ふくよかな米の旨みと澄んだ後口が幾重にも広がって、秋の夜長によう似合う一杯になりますんえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 田んぼアートはいつ頃から見られますか?
A. 六月はじめの田植えから少しずつ稲の色が変わりはじめ、九月中ごろまで五色の古代米が描く図柄を楽しめますんどすえ。十月には恒例の稲刈りイベントも開かれ、里山の一年を締めくくる行事として親しまれとります。

Q. 田んぼアートはどこで見られますか?
A. 福知山市夜久野町大岶地区をはじめ市内の田んぼで見られます。JR山陰本線の上夜久野駅・下夜久野駅は無人駅で特急は停まらず、福知山市街からは車で約三十分ほどの距離どす。個人の方の田んぼのため、見学の際はあぜ道や交通のマナーを守っておくれやすな。

Q. 夜久野町はどんな土地どすか?
A. 平成十八年に福知山市へ編入された地域で、日本標準時の基準となる東経百三十五度線が通ることから「時の町」とも呼ばれとります。西・南・北の三方を兵庫県の朝来市・丹波市・豊岡市に囲まれた、京都府の西のはずれに位置する山里どすえ。

Q. YUTAKAはどんな風に味わうのがええどすか?
A. 秋の実りを思わせる田んぼアートの便りには、純米大吟醸YUTAKAをぬる燗にして、ぐい呑みでゆっくり味わうのがようお似合いどす。ふくよかな米の旨みと澄んだ後口が、里山で育った古代米の彩りと重なって、秋の夜長をいっそう豊かにしてくれますんえ。

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