海の京都物語 第306話 元禄の昔から文人墨客を迎えてきた清輝楼どすえ、鈴木百年の襖絵と雪舟天橋立図の写しが今も宿に息づいとります|日本酒YUTAKA(豊)

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 「海の京都物語」も気ィついたら三百話を超えて、宮津のあちこちを巡らせてもろてきました。天橋立の股のぞきや智恩寺さんの智恵もよろしおすけど、今日は趣向を変えて、宮津の城下町にひっそり暖簾を守ってきはった老舗旅館のお話をさせてもらいますえ。

 舞台は京都丹後鉄道・宮津駅から歩いてすぐの魚屋(うおや)いう町。ここに元禄の昔から暖簾を守ってきはった「清輝楼」いう旅館がありますのや。画家や文人が代々愛しはった、宿そのものが美術館みたいな場所どす。

🏯 元禄年間創業、城下町の老舗旅館

 清輝楼は元禄年間(一六八八〜一七〇四年ごろ)の創業と伝わる旅館どす。江戸・明治・昭和・平成・令和と時代をまたいで暖簾を守り続け、建物は国の登録有形文化財にも指定されとります(二〇一〇年登録)。

 木造三階建ての館内には段差も多うて、まさに古いお屋敷に泊まらせてもろてるような趣どす。天橋立や宮津港を目指す旅人を、長い年月のあいだずっと迎えてきはった宿なんどすえ。

🖌 文人墨客が愛した“ちいさな美術館”

 清輝楼には江戸時代の絵師から、野口雨情、菊池寛、吉川英治いうた近代の作家・詩人まで、数々の文人墨客が逗留しはったと伝わっとります。みなさん、襖絵や書、詩歌を館内に残していかはったそうどす。

 せやさかい清輝楼は「文人墨客の宿」とも「ちいさな美術館」とも呼ばれとります。中でも菊池寛がお気に入りやったいう角部屋が、今も残っとるそうどすえ。

🎨 鈴木百年の襖絵と雪舟天橋立図の写し

 三階の宴会場には、幕末から明治にかけて活躍した絵師・鈴木百年(一八二八〜一八九一年)による、十二か月の自然風景を描いた襖絵が残っとります。

 二階には二百年前の長い絵巻物のほか、雪舟(一四二〇〜一五〇六年)の名高い天橋立図の写しも伝わっとって、砂州まわりの景色の移り変わりを今に伝えとります。宴席にずらりと並ぶ襖を眺めとると、時代を超えた絵師はんたちの筆のやりとりが見えてくるような気ィがしますのや。

♨️ 庭を望む客室と天然温泉、旬の魚介

 客室からは手入れの行き届いた日本庭園を望め、伝統的な和の意匠がそこかしこに施されとります。天然温泉の大浴場でひと風呂浴びたら、旅の疲れもすっと取れますわ。

 冬場には伊根の寒ブリを使うた「ぶりしゃぶ鍋」の昼膳もいただけます(前日までの完全予約制)。旬の魚介をふんだんに使うた料理も、この宿の楽しみのひとつどすえ。

📍行っ得メモ

・所在地:京都府宮津市魚屋937
・アクセス:京都丹後鉄道 宮津駅から徒歩約7分、京都縦貫自動車道 宮津天橋立ICから車で約5分
・駐車場:15台分
・昼膳(ぶりしゃぶ鍋など):完全予約制・11時30分〜14時(月曜定休)

 何百年も同じ場所で旅人を迎え続けてきた宿があるいうのは、ほんまに有り難いことどすなあ。襖絵の一筆一筆に、宮津の歴史がそっと染み込んどるような、そんな気ィにさせられるお話どした。

 こないな由緒ある座敷でいただくなら、純米大吟醸YUTAKAはやっぱり冷や、八〜十度くらいに冷やして、薄手のぐい呑みでちびりちびりと傾けとうなりますなあ。鈴木百年の襖絵を横目に、旬の魚介と合わせたら、米の旨みと潮の香りがすっと寄り添うて、文人墨客はんたちが愛した宿の時の流れを、杯の中にも感じてもらえるはずどす。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 清輝楼はいつ頃創業どすか?
A. 清輝楼は元禄年間(一六八八〜一七〇四年ごろ)の創業と伝わる旅館どす。江戸・明治・昭和と時代を経て今も宮津の城下町で暖簾を守り続け、二〇一〇年には建物が国の登録有形文化財に登録されとります。

Q. 鈴木百年の襖絵てどんなもんどす?
A. 幕末から明治に活躍した絵師・鈴木百年(一八二八〜一八九一年)が、清輝楼三階の宴会場に残しはった襖絵どす。十二か月それぞれの自然風景が描かれとって、座敷全体がまるで屏風絵のように彩られとります。

Q. 清輝楼にはどんな文人墨客が訪れはったんどすか?
A. 江戸時代の絵師をはじめ、野口雨情、菊池寛、吉川英治いうた近代の作家や詩人も逗留しはったと伝わっとります。みなさん襖絵や書、詩歌を残していかはったことから、「ちいさな美術館」とも呼ばれとります。

Q. YUTAKAはどう飲むとよろしおすか?
A. 老舗旅館の座敷でいただくなら、純米大吟醸YUTAKAは八〜十度くらいの冷やがおすすめどす。薄手のぐい呑みでゆっくり傾けたら、旬の魚介料理とも相性よう、米の旨みがすっと広がりますえ。

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