海の京都物語 第360話 京丹後市丹後町間人、五隻の漁船と緑のタグが守り抜く幻のブランド蟹・間人ガニを訪ねてみようどすえ|日本酒YUTAKA(豊)
「海の京都物語」も、気がつけば第360話まで続けてこれましたんえ。網野の銚子山古墳から経ヶ岬の灯台、久美浜の牡蠣にクラフトジンまで、丹後半島のあちこちをこのシリーズで巡らせてもろてきましたけど、京丹後市にはまだまだ知らんことがぎょうさんありますんや。
今回向かうんは、丹後町間人(たいざ)。立岩や丹後松島で名高い海辺の集落どすけど、今日の主役は景色やのうて、この港だけで水揚げされる一匹のカニ、「間人ガニ」どす。たった五隻の漁船が守り抜いてきた、全国でも屈指のブランド蟹の話を聞いておくれやす。
🦀 五隻の漁船だけが支える「幻のカニ」
間人ガニの水揚げ地、間人漁港は京丹後市丹後町間人にある小さな漁港どす。ここでズワイガニ漁にあたる小型底びき網漁船は、わずか五隻。漁場が港から近いこともあって、日帰り操業で水揚げされるんが特徴どす。
船の数が少のうて漁場も限られとるぶん、年間の水揚げ量は約20トンと、他の有名産地に比べても極めて少ないんどす。せやから「幻のカニ」と呼ばれとるんどすえ。刺身でも食べられる数少ないカニの一つやそうで、鮮度の良さがそのまま味に出るんどすな。
冬の日本海は波も高うて、漁師さんらが日帰りで戻ってくる船を、港でじっと待つ時間があるんやと思うと、一匹のカニの向こうに厳しい海の仕事が透けて見えますんえ。
📜 全国初、カニの産地として商標を守る
間人ガニは2006年、地域団体商標として登録されました。これはカニの産地としては全国で初めての登録やったそうどす。小さな漁港から生まれたブランドが、法的な裏付けまで持つに至ったわけどすな。
1990年代末からは、他国産のカニとの違いを示すためにハサミへ緑色のタグを付ける取り組みが続けられてきました。ところが2024年4月、他県産のズワイガニに間人ガニのタグが付けられていたことが発覚し、産地偽装の問題として表に出てしまいましたんや。
これを受けて2024年のシーズンからは、タグの裏に二次元バーコードを印字し、誰が・いつ・どこで獲ったカニかを確認できる仕組みが導入されました。タグの配布や管理も見直され、行政の立ち会いのもとで厳しくチェックされるようになったそうどす。小さな港が、ブランドを守るために大きな一歩を踏み出した証どすな。
💴 解禁の日に沸く、冬の競り場
間人ガニの漁は例年11月6日に解禁され、翌年3月末まで続きます。解禁日の競り場は、一年でいちばん活気づく瞬間どす。
2024年11月9日の初競りでは、雄ガニ5匹に85万円という値がつき、前年の50万円を大きく上回って話題を呼びました。寒い港に響く威勢のええ掛け声と、競り落とされた瞬間の拍手。小さな漁港が一年でいちばん熱うなる日どすえ。
📍行っ得メモ
・間人漁港(京都府京丹後市丹後町間人)が水揚げの地どす
・漁期は例年11月6日解禁〜翌年3月末まで
・本物の証はハサミの緑色のタグ、裏面の二次元バーコードで漁獲情報を確認できます
・近隣には立岩や丹後松島など、日本海を望む景勝地も点在してます
五隻の漁船と、それを支える漁師さんらが守り抜いてきた一匹のカニ。派手な観光地やのうても、こうして小さな港がブランドを守り続けとる姿には、丹後の海の暮らしの芯の強さを感じさせられますんえ。
そんな間人ガニをいただくなら、純米大吟醸YUTAKAはよう冷やして、小ぶりのガラス盃でいただくのがおすすめどす。きりっとした低温が、蟹の甘み際立つ身の繊細さを邪魔せんと寄り添うてくれますし、透き通った酒の香りが、刺身で味わう一杯目をすっと引き立ててくれますんえ。冬の日本海の厳しさと、それに見合う丁寧な一杯。そんな組み合わせを、どうぞ味おうてみておくれやす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 間人ガニとはどんな蟹なんどすか?
A. 京丹後市丹後町間人の間人漁港で、わずか五隻の小型底びき網漁船だけが水揚げするズワイガニどす。漁場が港に近く日帰り操業のため鮮度が高く、年間水揚げ量も約20トンと少ないことから「幻のカニ」と呼ばれています。刺身でも食べられる数少ないカニの一つどす。
Q. 緑色のタグには何の意味がありますんか?
A. 本物の間人ガニであることを示す証どす。1990年代末から他国産との違いを示すため導入され、2024年シーズンからは裏面に二次元バーコードが印字され、誰が・いつ・どこで獲ったカニかを確認できる仕組みが整えられましたんえ。
Q. 間人ガニの漁期はいつからいつまでどすか?
A. 例年11月6日に解禁され、翌年3月末まで漁が続きます。解禁日には競り場が一年でいちばん活気づき、2024年11月9日の初競りでは雄ガニ5匹に85万円という高値がついて話題になりましたんどす。
Q. 間人ガニと純米大吟醸YUTAKAの合わせ方は?
A. よう冷やした純米大吟醸YUTAKAを、小ぶりのガラス盃でいただくのがおすすめどす。低温のすっきりした口当たりが蟹の甘み際立つ身の繊細さに寄り添い、透き通った香りが刺身の一杯目をすっと引き立ててくれますんえ。
京都 丹後