海の京都物語 第390話 大宮町の白杉酒造はん、丹後産の食用米だけで醸した酒が三度目の最高金賞を射止めはったんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)
「海の京都物語」としてこれまで舞鶴、綾部、福知山、宮津、伊根、そして京丹後の久美浜湾や琴引浜などをめぐってきたんどすけど、今日はまた新しい京丹後の顔をご紹介しますえ。
久美浜町の木下酒造はんはこのシリーズでもう登場しはりましたけど、京丹後市にはもう一つ、えらい個性的な酒蔵があるんどす。大宮町周枳(すき)にある白杉酒造はんどす。
🍶江戸中期創業、11代続く大宮の蔵
白杉酒造はんは安永六年(1777年)創業と伝わる、京丹後市大宮町周枳にある老舗の蔵元どす。現在は11代目にあたる白杉悟はんが、蔵元と杜氏の両方を兼ねてはります。
ラベルの文字も白杉はん自身が手がけ、筆文字の部分だけを書家に依頼してはるんやそうどす。小さい蔵やけど、代々の思いがぎゅっと詰まった造りどすなぁ。
🌾酒米やのうて、丹後産の食用米だけで醸す
白杉はんが蔵を継いだ後、経営がかなり厳しい時期があったそうどす。その打開策として選んだのが、自身が惚れ込んだ丹後産コシヒカリを使こた酒造りどした。
日本酒いうたら普通は専用の酒米を使うもんどすけど、白杉酒造はんは2015年から、全ての銘柄を地元・丹後産の食用米だけで醸してはります。食用米は酒造りには向かんと言われてきましたけど、試行錯誤を重ねて、ここ数年は各種コンテストでもしっかり評価されるようになったんどすえ。
🏆2026年、三度目の最高金賞
2026年5月19日発表の「ワイングラスで美味しい日本酒アワード2026」で、白杉酒造はんの「shirakiku MIRROR MIRROR」がプレミアム純米部門の最高金賞を受賞しはりました。同部門97点中わずか5点、全体1,148点の中でも上位5%の58点にだけ贈られる賞どす。
白杉酒造はんにとっては2023年、2024年に続いて三度目の最高金賞どす。同じ品評会では「shirakiku 鵺 NUE」も金賞を受賞しはって、小さな蔵の底力を見せつけはったんどすなぁ。
✨新シリーズ「AVANT-GARDE」への挑戦
2026年8月6日には、新しいフラグシップシリーズ「shirakiku AVANT-GARDE」の2銘柄、「CRIMSON RED」と「CHARTREUSE GREEN」が発売されました。名前はそれぞれ、リンゴや洋梨を思わせる香りに由来してはるそうどす。
この2銘柄は、乳酸を添加せんと黒麹由来のクエン酸を使う「シラキク式モダン生酛」という独自の製法で仕込んではります。古い蔵が守る伝統と、新しい挑戦と、その両方を一つの蔵の中に抱えてはるんが、白杉酒造はんの面白いところどす。
📍行っ得メモ
・所在地:京都府京丹後市大宮町周枳954
・最寄り駅:京都丹後鉄道「京丹後大宮駅」から約2km(要事前確認)
・営業時間:月〜土曜13:00〜17:00とされていますが、見学受け入れは要問い合わせ
・銘柄「白木久(しらきく)」は一部特約店で取り扱い、公式ECは準備中とのことどす
・5月には京丹後市・与謝野町など丹後丹波の蔵元が集う「tantan kura around in 海の京都」にも参加してはります
経営が苦しかった時代に、酒米やのうて自分が惚れ込んだ食用米を選びはった白杉はんの決断、ほんまに京丹後の蔵元の心意気を感じるお話どしたなぁ。
そないな挑戦し続ける蔵の話を肴に、今宵はYUTAKA純米大吟醸を冷酒でちびりとやりたいところどす。キリッと冷やしたガラスの盃に注いで、まずは香りをふわっと楽しんでから、米の甘みと透き通るような後口を味わう。丹後の蔵元はんが守り続ける手仕事に思いを馳せながら飲む一杯は、また格別どすえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 白杉酒造はどこにあるんどすか?
A. 白杉酒造は京都府京丹後市大宮町周枳954にある蔵元どす。安永六年(1777年)創業と伝わり、現在は11代目の白杉悟はんが蔵元と杜氏を兼ねてはります。最寄り駅は京都丹後鉄道の京丹後大宮駅で、そこから約2kmの場所にあるとされてます。
Q. なぜ食用米だけで酒を造るんどすか?
A. 白杉はんが蔵を継いだ後、経営が厳しい時期があり、その打開策として自身が惚れ込んだ丹後産コシヒカリを使う酒造りを始めはりました。2015年からは全ての銘柄を地元産の食用米だけで醸してはり、試行錯誤の末に数々のコンテストで評価されるようになったんどす。
Q. 「白木久」はどこで買えますか?
A. 白杉酒造の銘柄「白木久(しらきく)」は一部の特約店で取り扱われており、公式のオンラインショップでの販売は準備中とされています。入手できるかどうかは、お近くの酒販店や特約店に直接お問い合わせいただくのが確実どす。
Q. YUTAKAはどんな温度で飲むのがええどすか?
A. YUTAKAは冷やしてすっきりと、常温でふくよかに、お燗でまろやかにと、温度によって表情が変わるお酒どす。白杉酒造はんのような挑戦し続ける蔵元の話を思い浮かべながら、まずは冷酒でキリッと、慣れてきたらぬる燗でも試してみてほしいどすえ。
京都 丹後