海の京都物語 第393話 尊氏はんのうぶ湯どす、安国寺で出会うた丹波の静けさえ|日本酒YUTAKA(豊)
「海の京都物語」第393話は、京都府綾部市からお届けしますのや。これまでグンゼや黒谷和紙、大本の聖地など、綾部のいろんな顔をご紹介してきましたが、今回は少し趣向を変えて、室町幕府を開いた足利尊氏ゆかりの古刹を訪ねてみますえ。
綾部市安国寺町にひっそりと佇む「安国寺」。その名の通り、尊氏が全国に建立を命じた安国寺のひとつで、しかも尊氏生誕の地とまで伝わる、知る人ぞ知るパワースポットどす。さっそく、その物語を辿ってみまひょ。
⛩️ 足利尊氏、生誕の寺どす
綾部市安国寺町にある安国寺は、正暦4年(993)頃に恵心僧都作の子安地蔵菩薩を安置して「光福寺」として始まったと伝わる古刹どす。
建武の争乱で亡くなった人々を弔うため、足利尊氏が全国に安国寺の建立を命じたのは暦応2年(1339)のこと。光福寺は尊氏の母方・上杉氏の菩提寺やったことから改称され、全国安国寺の筆頭寺院に位置づけられたと伝わりますのや(要確認:改称の経緯や「筆頭」の由来は京都府の観光紹介等による伝承どす)。
尊氏の母は上杉氏の娘で、実家であるこの地に戻って尊氏を産んだという言い伝えが残り、境内には尊氏出生の地という伝承が今も静かに息づいてますのえ。
🏠 産屋跡と産湯の井戸
境内には産屋の跡とされる場所と、その傍らに産湯に使われたと伝わる井戸が今も残り、尊氏とその母、妻の墓も境内に並んでますのや。
本堂は茅葺き屋根で、仏殿には釈迦三尊坐像や木造地蔵菩薩半跏像が安置され、素朴ながらどこか荘厳な佇まいどす(要確認:これら諸像の文化財指定区分については現地での確認をおすすめします)。
JR舞鶴線梅迫駅から歩いて15〜20分ほど、京都縦貫自動車道の綾部安国寺ICからも車で5分ほどという立地で、丹波の静かな山里にひっそり建ってますのえ。
📜 丹波に伝わる法華経どす
安国寺には室町時代、丹波国守護やった細川高国が大永5年(1525)に法華経全文を書写し奉納した「法華経 細川高国筆」が伝わり、京都府の指定文化財(美術工芸品・書跡典籍)となってますのや。
願文には66部の書写を発願し、この経がその6番目にあたると記されていて、戦国期の武将の深い信仰心を今に伝える貴重な史料どす。
境内そのものも平成29年度の京都府暫定登録文化財(史跡・名勝)に挙げられ、歴史的な景観が評価されてますのえ。
🍁 茅葺き本堂を染める紅葉
安国寺は紅葉の名所としても知られ、例年10月下旬から色づき始め、見頃は11月中旬から下旬にかけてと紹介されてますのや。
茅葺きの本堂を囲むようにモミジが色づき、境内と参道が赤く染まる様子は、訪れる人の心をそっと揺さぶりますのえ。
拝観は境内自由(仏殿拝観は要予約、9時から16時)で、駐車場も20台分用意されてますのや。
📍行っ得メモ
・安国寺の仏殿拝観は事前予約制、電話(0773-44-1565)で確認してから訪ねておくれやす
・紅葉の見頃は例年11月中旬から下旬、茅葺き本堂とモミジの組み合わせが見事どす
・JR梅迫駅から徒歩約15〜20分、京都縦貫道・綾部安国寺ICからは車で約5分どす
尊氏はんの生まれた地と伝わる寺で、産湯の井戸を覗き込むと、六百数十年前の物語がすぐそこにあるような不思議な気持ちになりますのや。丹波の静かな山里に、歴史はひっそりと息づいてますのえ。
そないな静けさに浸った帰り道、常温でいただく純米大吟醸YUTAKAを盃に注いで一献。井戸水のように澄んだ味わいが、安国寺で感じた凛とした空気によう似合いますのや。ぬる燗にすればふくよかな米の旨みが広がり、歴史に思いを馳せる夜のお供にぴったりどすえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 安国寺はどこにあるんどすか?
A. 京都府綾部市安国寺町寺ノ段1に所在し、JR舞鶴線梅迫駅から徒歩約15〜20分、京都縦貫自動車道の綾部安国寺ICからは車で約5分の場所どす。境内には駐車場も20台分用意されてますので、車での参拝にも便利どすえ。
Q. 足利尊氏とどんな関係がありますのか?
A. 安国寺は足利尊氏の生誕地と伝わる古刹で、尊氏の母は当地を治めた上杉氏の娘やったとされますのや。境内には産屋の跡と産湯の井戸、尊氏とその母・妻の墓も残り、歴史の深さを感じさせてくれますのえ。
Q. 紅葉の見頃はいつ頃どすか?
A. 例年10月下旬から色づき始め、見頃は11月中旬から下旬にかけてとされてますのや。茅葺き屋根の本堂を彩るモミジの景色は見応えがあり、紅葉シーズンには多くの参拝者が訪れますのえ。拝観は境内自由どす。
Q. 拝観料や拝観時間を教えてください
A. 境内の拝観は自由どすが、仏殿の拝観は9時から16時までで事前の電話予約が必要どす。問い合わせ先は0773-44-1565で、静かな山里のお寺やさかい、訪ねる前に一度確認しておくれやすえ。
京都 丹後