海の京都物語 第402話 福知山・夜久野の山懐にほんま三畳紀のアンモナイトが二億四千万年の時を超えて待ってはったんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語も、いよいよ第402話を迎えましたんえ。福知山城から由良川の舟運、大江山の鬼伝説、三段池公園の四季まで、丹波の奥座敷・福知山市をあちこち巡ってまいりましたけど、今日はちょっと目線を変えて、二億年以上も昔の「海」のお話をさせてもらいますえ。

 舞台は福知山市夜久野町。由良川からも大江山連峰からも少し奥まったこの町には、実は「化石の町」というもう一つの顔があるんどす。夜久野町平野にひっそりと建つ『福知山市夜久野町化石・郷土資料館』を訪ねたら、丹波の大地がたどってきた、気の遠うなるような時間の旅が待っとりましたえ。

🐚 三畳紀の海が丹波に眠っとった

 資料館の目玉は、なんといっても夜久野町割石で見つかったアンモナイト化石どす。地層は「わるいし層」と呼ばれる、中生代三畳紀アニシアン期――今からおよそ2億4000万年ほど前の泥質頁岩やシルト質頁岩の層どすて。そこから『Hollandites yakunoensis』(ホランダイテス・ヤクノエンシス)など、夜久野の名を学名に刻んだアンモナイトが見つかっとるんどすえ。

 アンモナイトだけやのうて、直角貝や腕足類、小さい二枚貝の化石も一緒くたに眠っとって、当時この丹波の山奥が、暖こうて浅い海の底やったことを静かに語ってくれますんや。京都府のレッドデータブック2015年版では、この産地は「絶滅危惧」にまで引き上げられたほど希少で、化石マニアの乱獲による破壊も心配されとるそうどす。地元のかたが大事に見守ってはる、守るべき宝もんなんどすえ。

🐚 1650万年前のマングローブの渚も

 もう一つ驚いたんは、同じ夜久野町でも田谷という土地では、まったく違う時代の化石が見つかっとることどす。こちらは新生代新第三紀中新世、およそ1650万年前の北但層群の地層で、絶滅した巻貝「ビカリア」と、マングローブの汽水域に棲んどったとされる二枚貝「Geloina」(マングローブシジミ)がいっしょに産出するんやそうどすえ。

 三畳紀の深い海から、中新世のマングローブが揺れる渚まで。同じ夜久野の山の中に、まるで時代の違う地層が何枚も重なっとるのを想像すると、足元の山がぐっと奥深う感じられますんや。資料館のガラスケースの前に立つと、太古の波音が聞こえてきそうな、そんな気分になりましたえ。

🌋 宝山の火山弾や須恵器も並ぶ郷土の記憶

 資料館には化石だけやのうて、京都府内で唯一の火山とされる宝山の火山弾、それに縄文・弥生時代の土器、窯跡群から出た須恵器なんかも展示されとります。海の底から火山、そして人の暮らしへと、夜久野いう土地の長い長い履歴書を、ぎゅっと一冊にまとめたような資料館どすえ。

 受付でそっと手渡してもらえる解説を片手に、ひんやりした展示室をゆっくり歩いとったら、外は道の駅農匠の郷から吹く秋の風。山里の静けさと、太古の海のロマンが重なり合う、不思議なひとときどした。

🗺️ 海のない町に眠る「海の記憶」

 夜久野町は由良川からも離れた、丹波の山あいの町どす。けんど、2億年以上前にさかのぼれば、このあたりは確かに「海」やったいうんやから、海の京都物語にぴったりの舞台どすなぁと、一人で勝手に納得してしまいましたんえ。

 福知山市の中心部からは車で40分ほどかかりますけど、化石や郷土の歴史を静かに見つめる時間は、お城や祭りを巡るのとはまた違う、ゆっくりとした旅の味わいがありますえ。

📍行っ得メモ

・福知山市夜久野町化石・郷土資料館(京都府福知山市夜久野町平野2150)
・開館時間13:00〜17:00(入館は16:30まで)、休館日は水曜日と年末年始(時期により変動あり、要確認)
・入館料は大人100円、中学生以下無料、駐車場は無料
・JR上夜久野駅から徒歩約10分、または「農匠の郷」バス停から徒歩約2分
・車なら舞鶴若狭自動車道・福知山ICから約40分、北近畿豊岡自動車道・山東ICから約10分

 福知山いうたら光秀公や由良川のイメージが強いですけど、こないして足元の大地そのものに、気の遠うなるほど長い物語が眠っとるて知ると、この土地がよけい愛おしゅう思えてきますんや。次に夜久野を通らはる時は、ちょっと資料館に寄ってみておくれやす。

 そんな太古のロマンに浸った夜は、ぬる燗にしたYUTAKA(豊)を、ちょっと厚みのある陶器のぐい呑みでいただくのが似合いますんや。四十度ほどに温めると、お米の旨味がふわりと広がって、二億年という途方もない時間を思うた後の頭を、ふんわりほどいてくれますえ。アンモナイトが眠っとった丹波の山の水で仕込んだお酒やと思うたら、なおのこと味わい深う感じられますんどすえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 夜久野町化石・郷土資料館とはどんな施設どすか?
A. 京都府福知山市夜久野町平野にある資料館どす。夜久野町で見つかった三畳紀のアンモナイト化石や新生代のビカリア化石、宝山の火山弾、縄文・弥生土器などを展示していて、丹波の大地がたどってきた長い歴史を間近で見られる、知る人ぞ知るスポットどすえ。

Q. アンモナイト化石はいつの時代のものどすか?
A. 夜久野町割石で見つかったアンモナイトは、中生代三畳紀アニシアン期、今からおよそ2億4000万年前の地層から産出したものどす。Hollandites yakunoensisなど夜久野の名を冠した種類も確認されており、京都府のレッドデータブックでも希少な産地として扱われとりますんえ。

Q. 資料館の開館時間や入館料を教えておくれやす
A. 開館時間は13時から17時まで(入館は16時30分まで)、休館日は水曜日と年末年始どす(時期により変わる場合もあるので要確認どすえ)。入館料は大人100円、中学生以下は無料、駐車場も無料どすので、気軽に立ち寄れますんえ。

Q. 由良川から遠い夜久野でも海の京都物語どすか?
A. 夜久野町は由良川水系からも離れた山あいの町どすけど、2億年以上前はこの一帯が暖かい浅い海の底やったことが、アンモナイト化石から分かっとります。今は山でも、太古は確かに海やった、その記憶をたどるんも海の京都物語のひとつの楽しみ方どすえ。

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