海の京都物語 第407話 温江の里に平成から紡がれた桜並木『幸せの桜道』、彩菜館の苺大福と祭りの賑わいにほっこりする話どす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も気づけば四百を超えて、与謝野町のあちこちを巡らせてもろうてきたんどすけど、今日はまだ訪ねたことのなかった山あいの集落へ足を運んでみようと思うんどす。
第407話の舞台は、与謝野町の温江(あつえ)地区どす。ちりめん街道や加悦のSL広場みたいな華やかな観光地やのうて、地元の人らがこつこつ守ってきた桜並木と、小さな直売所に並ぶ手作りのお菓子が主役のお話どす。
🌸桜守り三十年、温江中山間地委員会の歩み
温江地区では平成10年(1998年)4月、地域の農業と暮らしを支えるために『温江中山間地委員会』が発足したんどす。中山間地いうんは、山と山の間にある農地のことで、平地に比べて耕作がしんどい分、人の手がよけいに要る土地のことどす。
その委員会が平成13年(2001年)、温江川沿いに桜をおよそ200本植樹しはったんが、今に続く桜並木の始まりやそうどす。植えっぱなしにせんと、1本1本に『オーナー』さんを募る制度もこしらえて、地域の人も、よそから関わる人も一緒になって木を見守ってきはったんどす。
🌸幸せの桜道、温江川のほとりに咲く
そうして育った桜並木には『幸せの桜道』いう愛称がついとります。春がくると、川のせせらぎに花びらが重なって、山あいの集落がふわっと薄紅色に染まるんどす。
派手な観光地やないぶん、人混みにもまれんとゆっくり歩ける花見道やと思うんどす。川風に揺れる桜を見上げながら、地域の人らが三十年近くかけて守ってきた時間に、ふと思いを馳せてしまう景色どす。
🍓あつえ彩菜館と、女性の加工部が守る名物苺大福
温江地区には『あつえ彩菜館』いう、農産加工・集出荷直売の施設もあるんどす。温江で穫れた野菜や、それを使ったお惣菜、お弁当なんかが並んどって、地元の台所の味がそのまま買える場所どす。
なかでも女性による加工部の皆さんが手がける苺大福は、この施設の名物として知られとるそうどす。大きな農産物直売所とは違う、顔の見える小さな直売所やからこそ、季節ごとの手作りの味に出会えるんやと思うんどす。
🎊桜まつりと、地域がひとつになる仕組み
温江ではこの桜並木を囲んで、毎年春に桜まつりも開かれとるんどす。祭りを通じて地域のコミュニティが広がってきたそうで、農業者だけやのうて地域全体で関わってきはったことが評価されて、平成28年度の京都府農地・水・環境保全向上対策協議会の優良組織表彰(地域保全・地域活性化部門)で、京都府農業会議会長賞を受賞しはったんどす。
派手な打ち上げ花火があるわけやのうても、桜を植えて、守って、まつりを開いて――そんな積み重ねがちゃんと評価される。海の京都には、そういう静かな誇りを持った集落がようけあるんやなと感じさせられるお話どす。
📍行っ得メモ
・温江地区は京都府与謝郡与謝野町温江(与謝野町中心部から山手へ入ったエリア)どす
・桜並木『幸せの桜道』の見頃は例年3月末~4月上旬ごろ(開花状況により変動するため要確認)
・桜まつりは毎年春に開催(具体的な日程は与謝野町観光協会・与謝野町役場に要確認)
・あつえ彩菜館では温江産の野菜や惣菜、名物の苺大福などを販売(営業日・営業時間・住所は要確認)
・公共交通の便が限られるエリアのため、車での訪問がおすすめどす
有名な観光地を巡るだけやのうて、地元の人らが地道に守ってきた景色に出会えるんも、海の京都をめぐる楽しみのひとつやなと、温江の桜道を思い浮かべながらしみじみ感じるんどす。
そんな温江の春景色には、冷やしてキリッと澄んだ純米大吟醸YUTAKAをガラスの酒器に注いで、ゆっくり味わいたいんどす。やわらかな甘みと澄んだ後味は、川沿いの桜や、彩菜館の苺大福の優しい甘さともすっと寄り添うて、山あいの集落でこつこつ積み重ねられてきた時間を、静かに引き立ててくれる一杯になるはずどす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 温江の桜並木『幸せの桜道』はどこにありますか?
A. 京都府与謝郡与謝野町温江地区を流れる温江川沿いにある桜並木どす。平成13年に地域の温江中山間地委員会が約200本の桜を植樹し、オーナー制度も設けて大切に育ててきはったんどす。見頃は例年3月末から4月上旬ごろで、開花状況は年により変わるため訪れる前に確認するのがおすすめどす。
Q. あつえ彩菜館ではどんなものが買えますか?
A. あつえ彩菜館は、温江産の野菜やそれを使ったお惣菜、お弁当などを販売する農産加工・集出荷直売施設どす。なかでも女性による加工部の皆さんが手作りする苺大福は、この施設の名物として知られとります。営業日や営業時間は変更になる場合があるため、訪れる前に確認するのがおすすめどす。
Q. 温江の桜まつりはいつ開催されますか?
A. 温江地区では毎年春に桜まつりが開かれ、桜並木『幸せの桜道』を囲んで地域のコミュニティが広がってきたそうどす。具体的な開催日は年によって異なるため、最新情報は与謝野町観光協会や与謝野町役場に確認してから訪ねるのがおすすめどす。
Q. YUTAKAと温江の名物はどう合わせたらいい?
A. 冷やして澄んだ純米大吟醸YUTAKAを、ガラスの酒器でゆっくり味わうのがおすすめどす。すっきりとした甘みと後味が、あつえ彩菜館の苺大福の優しい甘さや、桜並木を眺めながらの静かなひとときによう馴染んで、温江の春をより豊かに感じさせてくれるんどす。
京都 丹後