海の京都物語 第414話 福知山のお殿さん、オランダ好きの蘭学大名やったんえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 「海の京都物語」、今回で第414話を数えるようになったんえ。福知山市言うたら、これまでは明智光秀はんと福知山城にまつわるお話が多かったんどすけど、福知山の歴史はそれだけやあらへんのどす。

 今日お話しするんは、光秀はんが世を去ってからおよそ200年後、福知山のお殿さんやった朽木昌綱(くつき まさつな)はんのこと。刀や鉄砲やのうて、オランダの書物や世界地図に夢中になった、ちょっと変わり種のお殿さんのお話どす。

🏯福知山藩主・朽木昌綱はんってどんなお人?

 朽木家言うたら、寛文9年(1669年)に常陸国土浦から福知山へ入部して、以来13代・約200年にわたって福知山藩を治めはった家柄どす。

 その8代目にあたるんが朽木昌綱はんどす。天明7年(1787年)に家督を継いで藩主となり、石高3万2千石の福知山藩を治めはりました。官位は隠岐守どす。

 お城の天守から由良川を見下ろしながら、昌綱はんは遠い異国オランダのことに思いを馳せてはったんやろか、ふと想像してしまうんえ。

📚江戸の蘭学者はんらと肩並べた殿さんやったんえ

 昌綱はんは蘭学者・前野良沢はんに学んで、杉田玄白、大槻玄沢、桂川甫周ゆう、当時の蘭学界を代表する面々と親しう交わってはったんどす。

 大槻玄沢が長崎へ遊学した時には、その費用を援助したとも伝わっとります。お大名でありながら蘭学者らと対等に付き合う、「蘭癖大名」の一人に数えられるお人やったんえ。

 江戸の藩邸で、玄白はんらと夜更けまで異国の書物を広げて語り合う昌綱はんの姿、想像しただけでわくわくしますなあ。

🗺️世界地図を訳して、オランダ商館長とも交流したんえ

 寛政元年(1789年)には、長崎通詞の荒井庄十郎はんと一緒に世界地理書『泰西輿地図説』を訳述・刊行しはりました。当時もっとも権威ある西洋地理書のひとつとされとるんどす。

 出島のオランダ商館長やったティチングとも交友があったと伝わっとって、鎖国の世にありながら、福知山のお殿さんが世界とつながってはったんは、ほんま興味深いことどす。

🪙古銭集めにも凝らはった殿さんの趣味

 昌綱はんは古銭の研究でも知られとって、『新撰銭譜』『西洋銭譜』いう著作を遺しはりました。和漢だけやのうて、異国の貨幣にまで目ェ向けてはったんどす。

 茶の湯では松平治郷(不昧)はんに石州流を学び、「不見庵宗非」と号しはったとも伝わっとります。花鳥画や山水画も嗜まれる、なんとも多趣味なお殿さんやったんえ。

📍行っ得メモ

・福知山城(福知山市郷土資料館):京都府福知山市字内記5
・開館時間:9時〜17時(入館は16時30分まで)
・入館料:大人330円、小中学生110円
・JR福知山駅から徒歩約15分
・お問い合わせ:0773-23-9564(朽木家時代の展示内容は時期により異なりますさかい、気になる人は事前にご確認を)

 刀や戦の話ばかりやのうて、こないな学問好きのお殿さんがいてはったんも、福知山の豊かな歴史の一面やと思うんどす。福知山城を訪ねはったら、光秀はんだけやのうて、昌綱はんみたいなお人がこの地を治めてはったことも、ちょっと思い出してみておくれやす。

 そんな異国への憧れを胸に抱いた昌綱はんにあやかって、今宵はひんやり冷やしたYUTAKA(豊)を、和蘭渡りのギヤマンを思わせる薄張りのガラス盃でいただくんはどうどすやろ。澄んだ純米大吟醸の香りが、鎖国の世に異国の知を追い求めた殿さんの心意気と重なって、すっと喉を通っていく味わいに、遠い異国への夢を馳せた江戸の夜に思いを馳せてしまいますなあ。

ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 朽木昌綱はんってどんな殿さんどすか?
A. 朽木昌綱(くつきまさつな)はんは、寛文9年(1669年)から福知山を治めた朽木家の8代目藩主どす。天明7年(1787年)に家督を継ぎ、石高3万2千石の福知山藩を治めはりました。蘭学者らと交流を持ち、「蘭癖大名」の一人に数えられる、学問好きの殿さんやったんどす。

Q. 泰西輿地図説てどんな本どすか?
A. 泰西輿地図説は、寛政元年(1789年)に朽木昌綱はんが長崎通詞の荒井庄十郎はんと共に訳述・刊行した世界地理書どす。当時もっとも権威ある西洋地理書のひとつとされとって、鎖国の世にありながら世界の情報をまとめた、貴重な一冊やったんどす。

Q. 福知山城で昌綱はんのこと知れますか?
A. 福知山城の天守内には福知山市郷土資料館があり、福知山藩の歴史に関する史料が収蔵・展示されとります。朽木家時代の展示内容は時期によって異なりますさかい、気になる人は訪問前に問い合わせてみておくれやす。

Q. YUTAKAはどんな温度で楽しむんえ?
A. 今回ご紹介したYUTAKA(豊)は、よう冷やして、ガラスの盃でいただくんがおすすめどす。澄んだ純米大吟醸の香りと涼やかな味わいが、異国の知に憧れた昌綱はんの心意気を感じさせてくれる、そんな一献になるんえ。

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