第75話 弥栄町・芋野に息づく1300年の赤い米「古与曾米」|日本酒YUTAKA(豊)

第75話 弥栄町・芋野に息づく1300年の赤い米「古与曾米」|日本酒YUTAKA(豊)

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京丹後市シリーズもとうとう第75話どす。前回の第74話では丹後町をゆっくり巡らせてもろて、間人や経ヶ岬の風景を胸に刻んできましたなあ。今回はまた弥栄町へ戻ってまいります。「あれ、弥栄町て第68話の大田南古墳群でもう行かはったんちゃう?」思わはった方、鋭おすなあ。せやけど弥栄町、まだまだ奥が深いんどす。今日は古墳とはまた違う角度から、弥栄町・芋野(いもの)の里に伝わる「赤い米」のものがたりを深掘りしていきますえ。

🌾木簡が語る、1300年前の赤米献上

 弥栄町の山あいにある芋野地区は、奈良時代から「芋野郷」と呼ばれてきた歴史ある土地どす。平城京跡の発掘調査で見つかった木簡には「丹後国竹野郡芋野郷婇部古与曾赤舂米五斗」という文字が記されとって、この芋野の地から奈良の都へ、税として赤米が納められとったことが分かってます(木簡が見つかった時期については資料によって多少ばらつきがありますけど、おおむね今から60年ほど前のことどす)。1300年もの昔、この地の人らが汗して育てたお米が都まで運ばれていったて考えると、なんや胸が熱うなりますなあ。

🍚「古与曾米」、その名の由来

 木簡に記された「古与曾(こよそ)」いうのは、当時この土地からお米を献上した役人の名前やそうどす。それにちなんで、現在この地区で育てられている古代米は「古与曾米」と名付けられとります。品種改良がされてへん昔ながらのお米やさかい、収穫の時期も今どきのお米よりだいぶ遅うて、収量も現代の半分以下しかないんやとか。せやのに、この土地の人らはずっと種籾を絶やさんように守ってきはりました。

👨🌾芦田さんから藤村さんへ、受け継がれた種籾

 昭和50年ごろ、郷土史家の芦田行雄さんという方が、木簡の発見をきっかけに全国3か所の神社から種籾を譲り受けて、自宅の庭で赤米栽培を復活させはったんどす。その志は平成23年ごろに藤村政良さんへと引き継がれて、「芋野郷赤米保存会」が生まれました。「約1300年ぶりに芋野に赤米が帰ってきた」て地元では言われとるそうどす(保存会の発足時期は資料によって平成23年・24年と表記が分かれとりますけど、いずれにせよ2010年代の初め頃のことどす)。籠神社や伊勢神宮、東大寺へも奉納されたと伝わってます。

🌾今に受け継がれる、田んぼの学び舎

 保存会のモットーは「祖先の苦労を思い、子孫に伝える」やそうどす。地区全体で約22ヘクタールある田んぼのうち、赤米はおよそ0.3ヘクタールで大切に育てられとって、田植えイベントや小学校での授業を通して、次の世代にもその歴史が伝えられとります。芋野区事務所の2階には資料館もあって、しめ縄や米粉、ラーメン、シフォンケーキいうた古代米を使こた商品づくりにも取り組んではるんどす。稲穂が赤う色づく秋の芋野の田んぼ、一度この目で見てみたいもんどすなあ。

📍行っ得メモ

・所在地:京都府京丹後市弥栄町芋野
・運営:芋野郷赤米保存会
・アクセス:山陰近畿自動車道「京丹後大宮IC」から丹後半島内陸部の弥栄町方面へ
・見学希望の場合は事前の連絡が必要どす
・資料館:芋野区事務所2階

🍶YUTAKAを一杯

 赤米いうのは、昔から神さんへのお供えやお祝いの席に欠かせんお米やったそうどす。お米に感謝し、丹精込めて育てる。そんな丹後の人らの想いは、お米から生まれる日本酒づくりの心にもどこか通じるもんがある気がしますなあ。芋野の赤い稲穂が夕陽に染まる景色を思い浮かべながら、純米大吟醸YUTAKAをきゅっと一杯。山田錦の上品な香りと透き通った味わいが、1300年続く米づくりの物語に、また新しい一頁を添えてくれるような、そんな夜どす。

1300年の時を超えて受け継がれてきた、芋野の赤い稲穂。京丹後市シリーズ、次はどの町へ向かいましょうか。

ほな、また次回の京丹後市シリーズでお会いしましょう🌾

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 古与曾米(こよそまい)て、どんなお米どすか?
A. 京丹後市弥栄町の芋野地区で栽培されている赤米(古代米)のことどす。平城京跡から出土した木簡に記された「古与曾」という役人の名前にちなんで名付けられました。品種改良がされていない昔ながらの品種で、収穫時期が遅く収量も少ないんが特徴どす。

Q. なぜ弥栄町の芋野で赤米が有名なんどすか?
A. 平城京跡で見つかった木簡に「丹後国竹野郡芋野郷婇部古与曾赤舂米五斗」という記録があって、奈良時代にこの地から赤米が都へ献上されとったことが分かったからどす。この史実をもとに郷土史家の芦田行雄さんが栽培を復活させ、現在は芋野郷赤米保存会が受け継いではります。

Q. 芋野郷赤米保存会の活動見学はできますか?
A. 個人での田んぼの見学や訪問には事前連絡が必要どす。田植えイベントや小学校での授業など、地域ぐるみで赤米の歴史を伝える活動を続けてはります。資料館は芋野区事務所の2階にあるそうどす。

Q. 弥栄町を訪れた後、YUTAKAはどう楽しんだらよろしいどすか?
A. 芋野の田んぼや丹後の里山の景色を思い浮かべながら、常温か少し冷やして味わうのがおすすめどす。純米大吟醸ならではの山田錦の香りと透明感のある味わいが、丹後で受け継がれてきたお米づくりの物語と重なって、より一層深い余韻を楽しめますえ。

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