海の京都物語 第106話 北吸トンネル、煉瓦積みの馬蹄形が美しいどすなあ|日本酒YUTAKA(豊)
前回は北吸係留所のお話をさせてもろて、大きな船がゆったり係留される岸壁の景色をご紹介したんどす。今日はその岸壁からほんの少し山側へ歩みを進めて、赤煉瓦のトンネル、北吸トンネルのお話をさせてもらいますえ。
北吸トンネル言うたら、舞鶴に暮らす人にとっては通勤や散歩でくぐる、ごくごく身近な道どす。せやけど、その煉瓦の一枚一枚には、明治の舞鶴が軍港として立ち上がっていった時代の記憶が積み重なってるんどすなあ。
🧱日露開戦前夜に急がれた鉄道
北吸トンネルが築かれたんは明治37年(1904年)のことどす。舞鶴に鎮守府が置かれて間もない頃、ロシアとの緊張が高まるなか、軍港へ物資を運び込むための鉄道引込線として急いで通されたトンネルなんどす。
戦への備えいう、切迫した事情のもとで掘られたトンネルどすけど、その煉瓦の積み方一つひとつには手を抜かん丁寧な仕事が感じられて、明治の職人はんの誇りみたいなもんが伝わってくる気ぃがしますんえ。
🏛️イギリス積みと馬蹄形の坑門
壁を見上げると、レンガの長い面と短い面を段ごとに交互に積んでいく「イギリス積み」いう工法が使われてますのや。見た目の華やかさより、地震に強いことを重んじた、実直な積み方どす。
トンネルの両端に構える坑門は馬蹄のような形をしていて、笠石や帯石、柱のように見えるピラスターの装飾も施されてますのや。全長は110メートル、幅は3.8メートルほどで、決して大きすぎず、けど威風堂々とした佇まいどすなあ。
📜国の宝として、日本遺産の一部として
この北吸トンネルは平成14年(2002年)に国の登録有形文化財として登録されてますのや。舞鶴の赤煉瓦建築群は経済産業省の近代化産業遺産にも数えられてて、日本の近代化を支えた歩みを今に伝える証やと言われてます。
さらに「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴」いう日本遺産の構成文化財の一つにも数えられてますのや。舞鶴だけやのうて、日本の近代史そのものを物語る一枚のピースとして、大事に守られてる場所なんどすえ。
🚲廃線から遊歩道へ
かつてこのトンネルには鉄道が走ってて、旧国鉄中舞鶴線の一部として、西舞鶴から中舞鶴へと物資や人を運んでたんどす。せやけど昭和47年(1972年)に、その役目を終えて廃線になってしもたんどすなあ。
鉄路が消えた後も、トンネルそのものは壊されることのう、今は自転車や散歩する人が行き交う遊歩道として生まれ変わってますのや。夜にはやわらかい灯りが灯されるいう話も聞いて、ひんやりとした煉瓦のトンネルをくぐり抜けるたび、明治の風がすっと吹き抜けるような、ふしぎな気持ちにさせられますんえ。
📍行っ得メモ
・JR東舞鶴駅から徒歩約10分
・舞鶴若狭自動車道 東舞鶴ICから車で約3km
・全長110メートル、幅3.8メートルの煉瓦造トンネルを自転車・徒歩で通行可能
・周辺に駐車場あり
煉瓦のトンネルをくぐりながら、うちはふと立ち止まって、明治の職人はんたちがどんな思いでレンガを積んではったんやろ、と想像してしまいますんや。厳しい時代の中で築かれたトンネルが、今はのんびり自転車で通り抜けられる道になってるいうのも、なんや不思議などすなあ。
そんな北吸トンネルのひんやりとした空気を思い出しながら、純米大吟醸YUTAKA(豊)は冷やしすぎん十度前後、すっと涼しさを感じる温度でいただくのがようございますんえ。口の広いワイングラスでゆっくり香りを開かせると、煉瓦の重なりのように、お米の旨みと吟醸香が幾重にも折り重なる味わいに出会えますのや。明治から令和まで積み重ねられた時間の厚みを、グラスの中に感じてもらえたら嬉しいどす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 北吸トンネルはいつ建てられたんどすか?
A. 明治37年(1904年)、日露開戦を控えたなか、軍港への物資輸送を急ぐために築かれた鉄道引込線のトンネルどす。全長110メートル、幅3.8メートルの煉瓦造で、明治の緊張感がそのまま煉瓦に刻まれてる、そないなトンネルなんどすえ。
Q. 煉瓦の積み方に特徴あるんどすか?
A. はい、レンガの長い面と短い面を交互に積む「イギリス積み」いう工法どす。見た目の華やかさより地震に強いことを重んじた積み方で、両端の坑門は馬蹄形、笠石や帯石の飾りも施されてますのや。
Q. 今もトンネルを通ることできますんか?
A. できますえ。昭和47年に鉄道は廃線になりましたけど、トンネルは壊されることのう、今は自転車道・遊歩道として整備されてますのや。全長110メートルの煉瓦の道を、のんびり歩いたり自転車で走ったりできますんえ。
Q. アクセスはどないなってますか?
A. JR東舞鶴駅から徒歩約10分どす。舞鶴若狭自動車道の東舞鶴ICからやったら車で約3kmほどで、周辺には駐車場も用意されてますよって、電車でも車でも気軽に立ち寄っておくれやす。散歩がてらのお散策にもちょうどよろしいえ。
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