海の京都物語 第118話 松尾寺駅前どすえ、旧駅舎カフェが巡礼の玄関口え|日本酒YUTAKA(豊)
前回は西国三十三所第二十九番札所、松尾寺さんのお話をさせてもろうたどすなあ。青葉山の山懐に抱かれた古刹への道のりを辿ってはったら、ふと足元の玄関口が気になってきますやろ。今回はその玄関口、JR小浜線・松尾寺駅の駅前に建つ「観光交流施設」を訪ねてみとうおすえ。
松尾寺駅言うたかて、ホームに降り立ったお方が最初に目にしはるんは、切符を売る駅員さんやのうて、大正時代からのおうちみたいな木造駅舎どす。無人駅の静けさの中に、旅人を迎える灯りがぽつんと点いとる、そないな駅どすわ。
🚉 大正生まれの木造駅舎、取り壊しの危機を越えて
松尾寺駅は大正11年(1922年)12月20日、官設鉄道小浜線の駅として開業しましたんえ。以来ずっと使われとった木造駅舎どすけど、昭和61年(1986年)11月に無人化されてしもて、平成19年(2007年)頃には取り壊しの話まで持ち上がったそうどす。
せやけど地元の皆さんから「残して活かそう」いう声が上がって、平成20年(2008年)3月にJR西日本から舞鶴市へ無償で譲り渡されましたんや。改修を経て平成21年(2009年)、「舞鶴市松尾寺駅前観光交流施設」として生まれ変わり、駅舎を活かすためのNPO法人まで立ち上がったんどすて。
その甲斐あってか、平成30年(2018年)には国の登録有形文化財にも指定されはりましたんえ。押縁下見の板張りが美しい駅舎、今も変わらず旅人を見守ってくれてますわ。
☕ 旧駅事務室に息づく日本茶処
施設の中には案内・待合所があって、午前5時から午後10時まで、電車の走っとる時間はずっと無休で開いてますんえ。入館は無料、駐車場もトイレも備わっとって、ふらりと立ち寄れる休憩処になっとります。
そんな駅舎の旧駅事務室に、令和元年(2019年)11月27日、日本茶の専門店「Salon de RURUTEI(サロン・ド・流々亭)」がオープンしましたんや。舞鶴産の上煎茶なんかを使うたお茶を、9時から16時30分のラストオーダーまで味わえますんえ(毎週日曜・月曜はお休みどす)。
⛩️ 巡礼者を迎える玄関口として
前回お話しした西国三十三所第二十九番札所・松尾寺さんへの最寄り駅は、ほかならぬこの松尾寺駅どす。駅から歩くと50分ほどかかる上に、電車の本数もそう多うないさかい、実際にお参りしはる方は車を使わはることが多いようどすなあ。
せやけど「駅名が松尾寺」いうその一点だけでも、ここが巡礼の入口やいうことをちゃんと語ってくれとります。観光交流施設が発信する情報が、駅を訪れた旅人と、山の上の札所とを結ぶ小さな橋渡しになっとるんやないかと、うちは思いますんえ。
🌊 青葉山を望み、若狭路へ続く車窓
松尾寺駅を過ぎたあたりから、車窓には「若狭富士」と呼ばれる秀麗な青葉山の姿が広がってきますんえ。海そのものはもう少し先、列車が東へ進んでからやないと見えまへんのやけど、山の稜線の向こうに若狭の海が控えとる、そないな気配だけはしっかり感じられますわ。
無人の木造駅にぽつんと灯る待合所の明かりと、遠くに霞む青葉山と。そのコントラストが、なんや旅の始まりを静かに告げとるような気がしますんどす。
📍行っ得メモ
・住所:京都府舞鶴市字吉坂113番地4
・アクセス:JR小浜線 松尾寺駅前(駅舎そのものが観光交流施設)
・案内・待合所:午前5時~午後10時(無休)
・日本茶カフェ「Salon de RURUTEI(サロン・ド・流々亭)」:9:00~16:30(ラストオーダー)、17:00閉店、毎週日曜・月曜定休(変動の可能性あり)
・入館無料、駐車場・トイレあり
・お問い合わせ:0773-66-1024
・西国三十三所第二十九番札所・松尾寺へは徒歩約50分、車での訪問がおすすめ
小さい駅舎やのに、こないぎょうさんの物語を抱えとるんやなあと、うちはしみじみ思いますんどす。取り壊されそうになった駅を、地元の人らが「残そう」言うて守らはった、その気持ちが今もお茶の湯気とともに漂うとる気がしますわ。
この施設でいただく舞鶴産の日本茶に、うちやったら純米大吟醸YUTAKA(豊)をそっと寄り添わせとうなりますんえ。ガラスの冷酒グラスに10℃くらいまでよう冷やして注いだら、お茶の渋みに続くようにYUTAKAの上品な吟醸香と柔らこう澄んだ甘みがすっと広がって、木造駅舎の静けさによう似合う一献になりますんどす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 松尾寺駅は無人駅なんどすか?
A. そうどすえ。昭和61年(1986年)11月に無人化されましたんやけど、大正11年(1922年)開業当時からの木造駅舎がそのまま残っとって、平成30年(2018年)には国の登録有形文化財にもなってますんや。今は観光交流施設として第二の人生を歩んではります。
Q. 駅舎にあるカフェはどんなお店どす?
A. 「Salon de RURUTEI(サロン・ド・流々亭)」いう日本茶の専門店どす。令和元年(2019年)11月27日に、旧駅事務室やった場所にオープンしてはって、舞鶴産の上煎茶なんかを味わえますんえ。毎週日曜・月曜はお休みどすさかい、お出かけ前に確かめとくれやすなあ。
Q. 松尾寺へお参りするのに駅は使えますんか?
A. 松尾寺駅は西国三十三所第二十九番札所・松尾寺の最寄り駅どすけど、歩くと50分ほどかかりますんや。電車の本数もそう多うないさかい、実際にお参りしはるお方は車で向かわはるんが多いようどすなあ。玄関口としての役割は、今も昔も変わりまへんえ。
Q. 松尾寺駅からの眺めはどないどす?
A. 駅を過ぎたあたりから「若狭富士」と呼ばれる青葉山の秀麗な姿が車窓に広がりますんえ。若狭湾そのものは少し先の駅を過ぎてから見えてきますんやけど、海へと続く旅路の始まりを感じさせてくれる、味わい深い区間どすわ。
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