海の京都物語 第147話 神崎の浜、痩せた砂地が育てる幻の落花生どす|日本酒YUTAKA(豊)
前回は舞鶴の山あいで育つ「舞鶴茶」のお話をさせてもろたどすなあ。山のお茶がある一方で、舞鶴には海のすぐそばで育つ、ちょっと変わった作物もあるんどす。今日はそのお話、神崎地区の落花生についてさせてもらいますえ。
神崎言うたら、前に139話で紹介させてもろた神崎海水浴場のある浜どすなあ。由良川が運んできた真っ白な砂浜が東西2キロも続く、あの景色どす。実はあの砂浜の砂が内陸の畑にも広がっとって、そこで落花生が育てられとるんどすえ。海のそばやのに畑がある言うのも、神崎ならではの面白いところどす。
🌾砂地が育てる、痩せ地の恵み
落花生言う作物は、実は水はけのええ砂地を好むんどす。普通の畑と違うて、砂は水を蓄えにくうて、植物を育てるにはなかなか厳しい土地どす。せやけど落花生にとってはそれがかえってええことになるんどすなあ。
痩せた土地に植わった落花生は、子孫を残そう思うて、実の一粒一粒にぎゅっと栄養を送り込むんどす。由良川が運んできた神崎の砂地は、まさにその条件にぴったりやったんどすえ。
📜今や2軒だけの、幻の落花生
ところが今、神崎で落花生を育てとる農家さんは、たった2軒だけになってしもたそうどす。国内で流通する落花生のうち輸入品が9割ほどを占めるうえ、神崎産はその残りのほんの一部、全体のわずか0.003%ほどしかないと言われとるんどすなあ。
せやから「幻の落花生」て呼ばれるようになったんどすえ。市場にはほとんど出回らへん、地元の人でもなかなかお目にかかれへん、そんな貴重な豆どす。
🍰チーズケーキが繋いだ、応援の輪
2022年には、京都市内のチーズケーキ専門店さんが「幻の落花生」を使うたケーキを期間限定で売り出さはって、それを応援するクラウドファンディングを始めはったんどす。目標は30万円やったのに、蓋を開けたら500万円を超える支援が集まったて聞いて、うちもびっくりしたんどすえ。
このお店のオーナーはん、たった2か月で5000キロも走り回って、神崎の畑まで通わはったそうどす。そのおかげで新しく落花生づくりを始めはる農家さんも出てきて、少しずつやけど、神崎の畑に灯りが戻ってきとるんどすなあ。
🏷舞鶴のあぐりブランドに選ばれて
舞鶴市には「ふるさと舞鶴あぐりブランド推奨品」いう認証制度があって、地元の落花生も「舞鶴特産落花生」として、生産者団体の舞鶴落花生部会さんが育てはる自慢の一品に選ばれとるんどす。
舞鶴市のふるさと納税の返礼品にも選ばれとって、遠くにいてはる人にも神崎の恵みが届くようになったんは、ほんまにありがたいことどすなあ。
📍行っ得メモ
・「舞鶴特産落花生」は舞鶴市の「ふるさと舞鶴あぐりブランド推奨品」に選定されとります
・生産者は地元の「舞鶴落花生部会」の農家さん
・舞鶴市のふるさと納税返礼品としても選ばれとります
・出回る量がごくわずかで、地元でもなかなか出会えん貴重な一品どす
海のそばの砂浜と、山の畑の落花生。同じ神崎の中にこんなに違う恵みがあるんは、ほんまに贅沢などすなあ。少ない農家さんが守ってきやはった豆やさかい、これからもずっと残っていってほしいて、心から思いますんどす。
炒りたての神崎落花生は、薄皮までこんがり香ばしゅうて、噛むほどにじんわり甘みが広がるんどす。そこに冷やした純米大吟醸YUTAKA(豊)をきゅっと一杯。お米由来のふくよかな甘みと落花生の香ばしさが口の中でひとつに溶け合うて、贅沢なひとときになりますえ。ぬる燗にしても豆の甘みが引き立って、また違う顔を見せてくれますんどす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 神崎落花生ってどんな豆どすか?
A. 神崎落花生は、舞鶴市神崎地区の砂地の畑で育てられる希少な落花生どす。今は栽培する農家さんがわずか2軒ほどで、国内流通のうちごくわずかしか出回らへん「幻の落花生」て呼ばれとるんどすえ。
Q. なんで砂地で落花生が育つんどす?
A. 落花生は水はけのええ砂地を好む作物どす。痩せた土地ほど子孫を残そうとして実に栄養を送り込むさかい、由良川が運んだ神崎の砂地は、かえって美味しい豆を育てる好条件になっとるんどすなあ。
Q. 神崎落花生はどこで手に入りますか?
A. 市場にはほとんど出回らへん貴重な豆どすが、舞鶴市のふるさと納税返礼品に選ばれとります。「舞鶴特産落花生」として、地元の舞鶴落花生部会の農家さんが大切に育てとられますんどすえ。ぜひ一度、探してみとくれやす。
Q. 落花生とYUTAKA(豊)の楽しみ方は?
A. 炒った神崎落花生の香ばしさと甘みには、冷やした純米大吟醸YUTAKA(豊)がよう合いますんどす。お米のふくよかな甘みと豆の風味が重なって、ゆったりした晩酌のひとときになりますえ。ぬる燗にしても、また違う美味しさを楽しめますんどす。
京都 丹後