海の京都物語 第214話 麻呂子親王の鬼退治伝説と丹波のもみじ寺、福知山・長安寺で紅葉と枯山水を訪ねる秋のひとときどす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も、気ぃついたら214話まで来ましたなあ。舟屋の伊根、丹後ちりめんのまち、殿様の城下町と、これまでいろんな海の京都をご紹介してきましたけど、今日は少うし内陸へ入って、福知山市の山あいにひっそり佇むお寺を訪ねてみますえ。
福知山言うたら福知山城が有名どすけど、その城下から少し離れた奥野部いう土地に、古うから「丹波のもみじ寺」の名で親しまれてきた古刹があるんどす。その名も長安寺、山号は医王山。今日はこのお寺の由緒と秋の彩りを、じっくりお話しさせてもろてよろしおすか。
⚔️鬼退治伝説と薬師如来奉祀の始まり
長安寺の始まりは、今から約1400年ほど昔に遡ると伝わってますのや。用明天皇の第三皇子であらしゃった麻呂子親王が、鬼賊征討の戦勝祈願のために薬師如来を刻んで、この地にお祀りしやはったんが起こりやそうどす(鬼退治の伝承地の詳細は資料により異なり要確認どすけど)。聖徳太子の異母弟にあたらはるお方が開いたお寺やと思うと、なんや歴史の重みを感じますなあ。
中世には真言宗の道場として「金剛山善行寺」と称し、25もの坊を抱える大きなお寺やったそうどす。文明6年(1474年)には寺号を「瑞鳳山長安寺」と改め、その後弘治元年(1555年)に山号を「医王山」に改めて再興しやはったと、寺に伝わる長安寺史に記されてますのや。応永年間や永正8年(1511年)、安永10年(1781年)と、幾度も火災に遭いながらも、天明4年(1784年)に再建されて、今日まで法灯を守ってきやはったんどすなあ。
🙏市指定文化財の薬師如来立像
本堂に安置される木造薬師如来立像は、平安時代の9世紀末から10世紀初頭にかけて造られたと推定される、福知山地方でも屈指の古い仏さまで、福知山市の市指定文化財になってますのや。像高41.5センチ、榧の一材から蓮肉まで彫り出した一木造で、左手に薬壺を持って右手を軽う曲げやはる、薬師如来らしいお姿どす。
千年を超える歳月を静かに座して見つめてきやはった仏さまの前に立つと、こちらまで背筋がしゃんと伸びる思いがしますなあ。国宝や重文の華やかさとはまた違う、地域の人らに大事に守られてきた仏さんの温もりいうもんが、確かにそこにありますのや。
🪨重森完途作の枯山水庭園
本堂前に広がる「薬師三尊四十九燈の庭」は、日本を代表する作庭家・重森完途はんが昭和年代に手がけやはった枯山水庭園どす。石組みと砂紋だけで薬師三尊のお姿を表現しやはった、静けさの中に凛とした美しさのある庭で、庭園内には涼やかな音色を奏でる水琴窟も設けられてますのや。
白砂の波紋を眺めてますと、時間がゆっくり流れていくような不思議な感覚に包まれますなあ。訪れる人が少のうて静かな時間帯なら、縁側に腰かけて、ただただ庭を眺めるだけの贅沢なひとときを過ごせますえ。
🍁丹波のもみじ寺、紅葉と眺望
長安寺いうたら、なんちゅうても紅葉どす。境内には見事なもみじが数多くあって、例年11月上旬から中旬にかけて見頃を迎えるそうどす(見頃の時期は年により変わるため要確認どすえ)。もみじの奥には銀杏の木もあって、色づく時期が重なるとひときわ華やかな眺めになるそうどす。境内の裏手には「丹波大文字」で知られる姫髪山が控えてますのや。
山門をくぐって石段を登っていくと、赤や黄色に染まった木々の向こうに福知山の町並みと由良川、そして音無瀬橋までが見渡せる高台に出ますのや。息を切らして登った先にこの景色が待ってると思うと、また一歩一歩に力が入りますなあ。休みの日は駐車場が混み合うそうやさかい、朝早めに訪ねはるのがようおすえ。
📍行っ得メモ
・長安寺(丹波のもみじ寺):京都府福知山市奥野部577
・拝観時間:9時〜16時30分、拝観料は大人300円・中学高校生100円(要確認、変更の可能性あり)
・アクセス:JR福知山駅から車で約10〜15分、京都交通バス小牧線「半田」下車徒歩約40分/舞鶴若狭自動車道福知山ICから約20分
・駐車場:普通車20台・大型バス5台(無料)、紅葉シーズンの休日は混雑するため午前中の早い時間がおすすめどす
鬼退治の伝説から始まって、幾たびもの火災を乗り越え、静かな枯山水の庭とともに紅葉の季節を彩ってきた長安寺。派手やないけど、訪れるたび何や心が整うようなお寺どす。福知山へ行かはる機会があったら、城だけやのうて、ちょっと足を延ばしてこの「もみじ寺」も覗いてみとくれやす。
石段を登り切って、境内の縁側でひと息ついた後は、ぬる燗にした純米大吟醸YUTAKAを、ぽってりした備前焼のぐい呑みでいただくのがようおすなあ。人肌よりちょっと温い温度で口に含むと、米の旨みがふわりと広がって、枯山水の白砂を眺めながらやと、なんや心の奥まで染み渡るような味わいどす。紅葉の赤と庭の白、そしてお酒の琥珀色が重なる、そんな秋のひとときを味おうてみとくれやす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 長安寺はどこにありますか?
A. 京都府福知山市奥野部577にある臨済宗南禅寺派のお寺どす。JR福知山駅から車で約10〜15分、舞鶴若狭自動車道福知山ICからは約20分ほどで、バスなら京都交通バス小牧線「半田」下車後、徒歩約40分の道のりどす。市街地から少し離れた静かな山あいに佇んでますのや。
Q. 長安寺はなぜ「もみじ寺」と呼ばれるのですか?
A. 境内に見事なもみじが数多く植わっており、例年11月上旬から中旬にかけて美しい紅葉が楽しめることから、古くから「丹波のもみじ寺」の愛称で親しまれてますのや。奥には銀杏の木もあり、色づく時期が重なると一層華やかな眺めになるそうどす(見頃の時期は年により変わるため要確認どす)。
Q. 拝観時間や料金を教えてください
A. 拝観時間は9時から16時30分まで、拝観料は大人300円、中学・高校生100円とされてますのや(変更の可能性があるため事前にご確認どす)。定休日はなく、無料の駐車場も普通車20台分と大型観光バス5台分用意されてますよって、車での参拝も安心どす。
Q. 境内にはどんな見どころがありますか?
A. 平安時代作と伝わり福知山市指定文化財の木造薬師如来立像や、作庭家・重森完途はんによる「薬師三尊四十九燈の庭」という枯山水庭園、涼やかな水琴窟などが見どころどす。石段を登った高台からは福知山の町並みと由良川、音無瀬橋を望む眺望も楽しめますえ。
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