海の京都物語 第231話 綾部・七百石の山あいにひっそり佇む岩王寺どす、萱葺きの本堂と仁王門に千年の祈りを訪ねてきましたんえ|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語もおかげさまで231話、綾部市だけでもグンゼ博物苑から大本さんの神苑、黒谷和紙の里、九鬼氏の陣屋、上林の温泉や渓谷まで、あれこれ訪ねさせてもろうてきましたなあ。
今日はまだ足を運んだことのない、綾部市七百石町の山あいにひっそり佇む古刹・岩王寺(がんのうじ)へお参りしてきましたんどす。地元では「茅葺の寺」の名で親しまれとる、静かなお寺どすえ。
🌾 空也上人が開いたと伝わる千年の古刹
綾部市観光ガイドの案内によりますと、岩王寺は10世紀半ば、天暦3年(949年)頃に空也上人によって開かれたと伝わっとります。由良川の支流沿い、七百石の集落を見守るように建つ、丹波でも歴史の深いお寺のひとつどす。
寺の名にも、ちょっとした逸話が伝わっとります。境内奥から産出した石で作った硯を、日本三筆のお一人・嵯峨天皇がお気に召して愛用しはったんやそうどす。石から生まれたご縁やさかい「岩王寺」、ようできた名前どすなあ。
🏠 通称「茅葺の寺」、本堂と仁王門の萱葺き屋根
岩王寺のいちばんの見どころは、なんといっても本堂と仁王門を覆う萱葺き(茅葺き)屋根どす。この屋根は京都府の登録文化財に指定されとって、地元では古くから「茅葺の寺」の名で親しまれてきましたんえ。
綾部市街から少し山手に入った七百石町、静かな集落の奥にひっそりと構えるお堂は、トタンやコンクリートではのうて、今も萱を葺き替えながら守り継がれとります。丹波の山里らしい、時間の流れがちょっとゆっくりになったような佇まいどす。
🍂 初秋の風が渡る七百石の境内
訪ねましたんは9月の終わり、まだ夏の名残も感じる初秋のことどした。境内の木々は青々としとりましたけど、風の匂いにはもう秋の気配が混じっとって、萱葺きの屋根に落ちる木漏れ日も心なしか柔らこう見えましたんえ。
境内の参拝は無料どすけど、内陣での参拝には事前予約が要るそうどす。外からそっと手ぇ合わせるだけでも、千年前からこの地で守られてきた祈りの重みが伝わってくるような、そんな静けさどした。
📍行っ得メモ
・岩王寺(がんのうじ)/ 通称「茅葺の寺」
・住所: 京都府綾部市七百石町寺の段1
・アクセス: JR綾部駅からあやバス西八田線「七百石」バス停下車、北へ徒歩20分/車は国道27号から府道485号経由
・拝観: 境内自由・無料(内陣参拝は要予約)、駐車場あり、年中無休
・問い合わせ: 東光院 0773-42-2432 / 綾部市観光案内所 0773-42-9550
萱葺きの屋根がそっと守ってきた千年の祈り、綾部の山里にはこないな静かなお寺もあったんやなあと、しみじみ思わされる旅どした。
参拝を終えた帰り道、七百石の集落を見下ろしながらいただくYUTAKAは、常温よりちょっと涼しめの「涼冷え」がよう合いますんえ。薄手のぐい呑みにそそいで口に含めば、山田錦の柔らかい甘みがすうっと広がって、萱葺きの屋根の下で守られてきた静けさと同じくらい、すっと心に染み込んでいく味わいどした。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 岩王寺はいつ頃建てられたお寺どすか?
A. 綾部市観光ガイドなどの案内によりますと、岩王寺は10世紀半ば、天暦3年(949年)頃に空也上人によって開かれたと伝わっとります。千年以上前からこの地で祈りが続けられてきた、丹波でも古い歴史を持つ古刹のひとつどす。
Q. 「岩王寺」いう名前の由来は?
A. 寺の奥から産出した石で作った硯を、日本三筆のお一人である嵯峨天皇が愛用しはったという逸話に由来すると伝わっとります。石にまつわる由緒から「岩王寺」の名がついたんやそうで、境内には今もその物語がひっそり息づいとりますんえ。
Q. 萱葺き屋根はどんな文化財どすか?
A. 本堂と仁王門を覆う萱葺き(茅葺き)屋根は、京都府の登録文化財に指定されとります。地元では古くから「茅葺の寺」として親しまれとって、丹波の山里らしい伝統建築を今に伝える貴重な建物どす。
Q. 岩王寺への参拝アクセスは?
A. 境内の参拝は無料で、駐車場もありますんで気軽に立ち寄れますえ。JR綾部駅からあやバス西八田線で「七百石」バス停下車、北へ徒歩20分どす。内陣での参拝には事前予約が必要なので、東光院さんへ問い合わせておくれやす。
京都 丹後