海の京都物語 第283話 千三百年受け継がれてきた夜久野の丹波漆、全国にわずか三人しかいない漆掻き職人が国宝を支えてはるんどす|日本酒YUTAKA(豊)
「海の京都物語」も気ィついたら283話どす。福知山市のお城や由良川、大江山の鬼伝説まで、いろんな顔をご紹介してきましたけど、今日は観光地図にはあんまり載らへん、山あいの集落にひっそり息づく「ものづくりの歴史」のお話どすえ。
福知山市の北西、夜久野町。ここは奈良時代の昔から「丹波漆」の産地として知られてきた土地どす。漆いうたら日光東照宮のような国宝建築を思い浮かべはる人も多いと思いますけど、その修復を支える国産漆の産地が、まさにこの福知山にあるんどすえ。
🌳奈良時代から千三百年、夜久野の漆の記憶
夜久野町では、奈良時代初期、今からおよそ1300年前には既に漆の記録が残っとるそうどす。明治40年の記録では、全国にあった30の漆産地のうち「丹波」が筆頭に挙げられとったというから、相当な名産地やったことが分かりますなあ。
明治期にはこの地域だけで500人もの漆掻き職人がおらはったそうどす。山の斜面に漆の木が並び、職人さんが一本一本に丁寧に傷をつけて樹液を集める。そないな光景が、かつての夜久野には当たり前にあったんやと思うと、感慨深いものがありますえ。
🌲全国にわずか60人、夜久野に残る3人の漆掻き
時代は移り、今では漆の需要の98%が中国産やそうどす。国産漆を採る漆掻き職人は全国でも60人ほどしかおらず、京都府内、つまりこの夜久野町では3人だけが技術を受け継いではるとのことどす。
一本の木から採れる漆はごくわずか。何年もかけて育てた木に傷をつけ、少しずつにじみ出る樹液を集めていく。その手間と時間を思うたら、漆一滴の重みがまるで違って見えてきますなあ。
🏛️国宝を支える「国産」のこだわり
文化庁は2015年度から、国宝や重要文化財の建造物を修繕する際、原則として国産漆を使うよう通知してはります。全国の歴史的建造物の美しさを長年支えてきたんは、こないな目立たん産地の仕事やったんどすな。
2024年10月9日には、NPO法人丹波漆が文化庁による「日本産漆生産・精製」の保存団体として認定されました。また「丹波の漆掻き」は京都府指定無形民俗文化財にも指定されとります。静かな山里の技が、国の宝を支える誇りに繋がってるんどすえ。
🏺「やくの木と漆の館」で漆にふれる
夜久野町には「やくの木と漆の館」という施設があり、道の駅「農匠の郷やくの」の中にあるんどす。開館は10時から17時まで、水曜日はお休み(祝日の場合は翌日休館)、入館料は大人320円、中学生以下は無料どす。
漆器の絵付け体験(520円+材料費、要予約)もできるそうで、実際に漆の色に触れて、職人さんの技を間近に感じられる場所どす。山里の静けさの中、漆の艶を見てたら、不思議と心が落ち着きますなあ。
📍行っ得メモ
・やくの木と漆の館:福知山市夜久野町平野2199(道の駅 農匠の郷やくの内)
・営業時間:10:00〜17:00、水曜休(祝日の場合は翌日)
・入館料:大人320円、中学生以下無料
・絵付け体験:520円+材料費(要予約)
・お問い合わせ:福知山観光協会 0773-22-2228
千三百年続く漆の里が、たった3人の職人さんの手に支えられてるて知ると、なんや胸がきゅっとなりますなあ。この技がこれからも続いていきますように、静かに願わずにはいられしまへんどすえ。
漆器いうたら、お酒との相性も格別どす。ぬる燗にしたYUTAKAを、黒漆塗りのぐい呑みでいただくと、燈火に照らされたような艶やかな色合いが酒の香りを引き立ててくれますんや。純米大吟醸らしい上品な吟醸香と、漆の深い黒の対比を眺めながら、ひと口ふくめば、夜久野の山里の静けさまで一緒に味わえる気ィがしますえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 丹波漆ってどんな漆どすか?
A. 福知山市夜久野町で奈良時代から作られてきた漆どす。明治40年の記録では全国30産地のうち筆頭に挙げられるほどの名産地やったんどすが、今は漆掻き職人がわずか3人にまで減ってしまいました。それでも国宝修復を支える貴重な国産漆として、大切に受け継がれてるんどすえ。
Q. 漆掻き職人は今何人いてますか?
A. 全国でも漆掻き職人は60人ほどしか残っておらず、京都府内では夜久野町のわずか3人だけが技術を受け継いではります。漆の需要の98%が中国産という状況の中、国産漆を守る職人さんはほんまに希少な存在どすえ。
Q. やくの木と漆の館はどこにありますか?
A. 福知山市夜久野町平野2199、道の駅「農匠の郷やくの」の中にある施設どす。開館時間は10時から17時まで、水曜休館(祝日の場合は翌日)で、入館料は大人320円、中学生以下は無料どす。漆器の絵付け体験もできますので、気軽に漆の世界にふれてみてくださいえ。
Q. どんなお酒の楽しみ方がおすすめどすか?
A. 漆器のぐい呑みでぬる燗のYUTAKAをいただくのがおすすめどす。黒漆の艶やかな色合いが純米大吟醸の澄んだ香りを引き立てて、夜久野の山里で受け継がれてきた職人さんの技と、丹精込めて醸したお酒の両方をゆっくり味わえるひとときになりますえ。
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