海の京都物語 第287話 与謝野はほんまはホップの里どしたんえ 丹後生まれのクラフトビール『ASOBI』にほろ酔う話|日本酒YUTAKA(豊)

•

 与謝野町言うたら、丹後ちりめんの織り機の音がまだ聞こえてきそうなちりめん街道や、出雲大社与謝分祠の静けさ、尾藤家住宅の贅を尽くした座敷なんかを、うちはこれまで何べんも覗かせてもろてきましたんえ。古墳も曳山祭りも、与謝野晶子はんの歌碑も、言うなれば「与謝野町の長い歴史」を見せてくれるもんばっかりどした。

 せやけど今日覗かせてもらうんは、そない古い話やのうて、ほんの十年ちょっと前に始まった、まだ現在進行形の物語どす。丹後の土からひょっこり顔出したビールの原料、「ホップ」のお話え。

🌱 2015年、ビアジャーナリストが見つけた丹後の土

 与謝野町でホップ栽培が始まったんは2015年のことどす。きっかけはビアジャーナリストの藤原ヒロユキはんが、奥さんの地元であるこの町に、ホップ栽培に向いた土地があるて見つけはったことやったそうどす。

 日本でクラフトビールいうたら北海道や東北を思い浮かべるお人も多いやろけど、丹後にもちゃんとホップ畑があるて、ちょっと誇らしい気分にならはるお人も多いんと違いますやろか。コロンバスやカスケード、チヌークいうた品種が、与謝野の夏の陽射しをたっぷり浴びて育っとるそうどす。

🍺 大学生やった濱田はんが起こした「あそび」

 2019年、当時関西学院大学の4回生やった濱田祐太はんが、この与謝野町で株式会社ローカルフラッグを立ち上げはりました。地元出身の若いお人が、地域の課題を民間の力で解決しよういう思いで会社を興さはったんどすな。

 2020年には、摘みたての生ホップをその日のうちに真空パックして使うクラフトビール「ASOBI」が生まれましたんえ。乾燥させたホップと違うて、華やかでフレッシュな香りが楽しめるんが身上やそうどす。

🚉 与謝野駅前、醸造の湯気が立つ町

 2023年には京都丹後鉄道・与謝野駅からほんの徒歩10秒いう近さに、自社醸造所がオープンしましたんえ。小ロットでの醸造や、ホップの収穫体験なんかもできる、町の人と旅人が行き交う拠点になっとるそうどす。

 醸造に使う水の硬度を調整するんに、地元で水揚げされた牡蠣の殻を使こてはる(詳しい産地は要確認どすけど)いうんも、環境に優しい丹後らしい工夫どすな。宮津のレモンや京丹後の桃いうた、ご近所の恵みとコラボした一杯もあるそうどす。

🌾 しぼんでも諦めへん、ホップ畑の今

 ホップの収量は最盛期の1.5トンから、気候変動や高齢化、人手不足が重なって近年は4分の1ほどまで減ってしもたそうどす。せやけど栽培農家さんは2015年の2軒から8軒にまで増えて、全国の人がホップ畑のオーナーになれる制度も始まっとるんえ。

 畑が小そうなっても、関わる人は増えていく。丹後ちりめんが幾世代もかけて受け継がれてきたんと同じように、この新しい「あそび」の産業も、きっとこれからの与謝野町の顔になっていかはるんやろなあと、うちはしみじみ思いましたんえ。

📍行っ得メモ

・ASOBI BEERの醸造所は京都丹後鉄道・与謝野駅から徒歩約10秒(与謝郡与謝野町)
・運営は株式会社ローカルフラッグ(本社:与謝野町下山田1342-1)
・ASOBI BEERは京都府内を中心に150店舗以上で取り扱い(販売状況は要確認)
・全国から参加できるホップ畑オーナー制度もあり

 ホップの小さな一粒から、まちの風景まで作ってしまう。与謝野町ちゅうとこは、ほんま底力のある土地どすなあ。

 そないな「あそび」の心意気に乾杯するんやったら、YUTAKA(豊)はキリッと冷やして、薄手のワイングラスでいただくんがよろしいおす。ホップの爽快な苦みに負けんよう、純米大吟醸らしい華やかな吟醸香とすっと通る米の旨みが口の中でふわりと重なって、新しいもんと古いもんが手を取り合うような、与謝野町らしい一杯になりますんえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

大吟醸KYOTO YUTAKAを見る/購入する

FAQ
Q. 与謝野町でホップ栽培が始まったんはいつどすか?
A. 2015年、ビアジャーナリストの藤原ヒロユキはんが、奥さんの地元やったこの町に栽培に適した土地を見つけて始めはったんが最初どす。以来、丹後の気候を生かした栽培が続けられ、今では複数の農家さんが関わる地域の取り組みに育っとります。

Q. クラフトビール「ASOBI」とはどんなお酒どすか?
A. 与謝野町産の摘みたて生ホップを使うたクラフトビールどす。乾燥ホップやのうて、収穫したその日に真空パックしたフレッシュなホップを使うんで、華やかで瑞々しい香りが楽しめるんが特徴どすえ。2020年に生まれ、今では京都府内を中心に広う親しまれとります。

Q. 醸造所は旅行者でも立ち寄れますんか?
A. 2023年に京都丹後鉄道・与謝野駅のすぐそばにオープンした醸造所は、小ロットでの醸造やホップの収穫体験なんかもできる交流の拠点どす。営業時間や見学の可否は変わることもあるよって、訪ねる前に最新情報を確かめとくれやす。

Q. ホップ栽培には今どんな課題がありますんか?
A. 気候変動や農家さんの高齢化、人手不足が重なって、収量は最盛期の4分の1ほどまで減ってしもたそうどす。せやけど栽培農家は2015年の2軒から8軒に増え、全国の人が参加できるホップ畑のオーナー制度も始まっとります。

0件のコメント
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。