海の京都物語 第292話 下原町の森にひっそりと眠りはった室町の技、綾部・齋神社本殿が国の重要文化財に選ばれはったんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

•

 海の京都物語も第292話を迎えましたんえ。これまで綾部市では、あやべグンゼ博物苑の近代化産業遺産や、黒谷和紙の手仕事、国宝・光明寺二王門の荘厳な佇まいなど、丹波の山里に息づく歴史をいろいろ辿ってきましたなあ。

 せやけど今回ご案内するんは、観光ガイドにもほとんど載らへん、由良川のほとりにひっそりと建つ小さなお社どす。地元の人でさえ素通りしてしまいそうな佇まいながら、実はこのお社、つい最近になって国の重要文化財に選ばれはった、隠れた名建築なんどすえ。

⛩️下原町の杜にたたずむ齋神社

 その名は齋神社(いつきじんじゃ)。綾部市下原町布毛に鎮座する、こぢんまりとした神社どす。由良川を望む静かな集落の奥、木々に囲まれた境内は、観光客で賑わうような場所やあらしまへん。

 せやけど本殿の建立は室町時代中期にまで遡ると推定されており、丹波地方に残る中世の神社建築として、古くから専門家の注目を集めてきた社やったんどす。

🪵一間社流造にひそむ匠の技

 齋神社本殿は、一間社流造・板葺という形式で建てられており、身舎の三方に刎高欄付きの縁をめぐらせ、脇障子を建て、正面には木階を備えた造りどす。

 さらに注目すべきは、禅宗様の意匠や、手挟(たばさみ)・礎盤(そばん)といった珍しい技法が随所に用いられとるところ。同時代・同地域の社殿としては、かなり凝った造りなんどすえ。

 縁まわりには後世の改造も見られるそうどすが、主要な部材には建立当初のものが今も残っとるというから、何百年もの時をくぐり抜けてきた木組みの重みを感じずにはいられまへん。

📜2024年、国の重要文化財へ

 そんな齋神社本殿が、2024年8月15日付で国の重要文化財に指定されはったんどす。丹波地域における中世神社本殿の遺構として、歴史的価値の高さが認められた結果どすわ。

 地元でもそっと静かに佇んできたお社が、ある日突然「国指定」という肩書きを得る―そないな瞬間に立ち会えるのも、こうして各地のお社を訪ね歩く楽しみのひとつなんどすなあ。

🚗由良川を渡って訪ねる道のり

 齋神社へは、安国寺から国道27号線を南西へ進み、由良川を渡った先の下原町に向かうのが一つの行き方どす。車やと和知インターチェンジも近く、京都市内からの小旅行にもちょうどええ距離感どすえ。

 綾部駅前の「あやべ観光案内所」では、齋神社の御朱印と由緒書きのセット(黒谷和紙使用)も扱われとるそうで、参拝の記念に手に入れてから足を運ぶ人もいてはるようどす。

📍行っ得メモ

・齋神社本殿:京都府綾部市下原町布毛100番1(2024年8月15日 国の重要文化財指定)
・アクセス:安国寺から国道27号線を南西へ、由良川を渡って下原町へ(車利用が便利、和知ICが近い)
・御朱印・由緒書きセット:綾部駅前「あやべ観光案内所」で頒布(黒谷和紙使用、詳細は要確認・問合せ推奨)

 観光地図には大きく載らへんような小さなお社にも、何百年という時をくぐり抜けてきた物語があるんやなと、あらためて教えられる思いどす。由良川のせせらぎを聞きながら静かに手を合わせる、そんな秋の一日もまた、海の京都らしい贅沢なんどすえ。

 そないな凛とした社の空気には、キリッと冷やした純米大吟醸YUTAKAがよう似合います。切子のグラスに注いで10度前後まで冷やせば、米の旨みの奥にすっと通る静けさが際立ち、まるで室町の匠が遺した木組みの静寂をそのまま飲み下すような味わいどす。紅葉が色づきはじめた下原町の杜を思い浮かべながら、ひと口ずついただく夜も、また格別どすえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

大吟醸KYOTO YUTAKAを見る/購入する

FAQ
Q. 齋神社はどこにありますか?
A. 京都府綾部市下原町布毛100番1に鎮座する小さな神社どす。由良川にほど近い静かな集落にあり、本殿は2024年8月15日付で国の重要文化財に指定されはりました。観光地図には大きく載っておらへんので、事前に地図アプリ等で確認してから訪ねるのがおすすめどすえ。

Q. 齋神社本殿のどこが見どころどすか?
A. 一間社流造・板葺の本殿は、身舎の三方に刎高欄付きの縁をめぐらせ、脇障子や木階を備えた造りどす。手挟や礎盤など珍しい技法に加え、禅宗様の意匠も見られ、室町時代中期の建築技術がぎゅっと詰まった社殿として、丹波地方でも貴重な遺構とされとるんどすえ。

Q. 齋神社へはどう行けばいいですか?
A. 安国寺から国道27号線を南西へ進み、由良川を渡った先の下原町に向かうのが一つのルートどす。車利用が便利で、和知インターチェンジからも近い距離にありますんえ。綾部駅前のあやべ観光案内所でも、周辺情報や御朱印・由緒書きのセットを確認できるそうどすので、立ち寄ってみてください。

Q. 齋神社はいつ国の重要文化財になったんどすか?
A. 齋神社本殿は2024年8月15日付で、国の重要文化財に新規指定されはりました。室町時代中期の建築と推定され、丹波地域に残る中世の神社本殿として歴史的価値が高いことが指定の理由どす。地元でも静かに守られてきたお社が、こうして光を浴びるんは嬉しいことどすなあ。

0件のコメント
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。