海の京都物語 第307話 後野の屋台行事、子ども歌舞伎が舞う小さな晴れ舞台どすえ、愛宕さんへの祝儀が舞う二百年続く加悦谷の春を訪ねるお話どす|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語もとうとう三百七話どす。これまで丹後ちりめんの歴史や三河内曳山祭、与謝野鉄幹・晶子はんの歌碑めぐりなんかを通して、与謝野町の奥深さをあれこれ覗かせてもろてきましたけど、今日は春の加悦谷にこだまする、子どもたちの笛と太鼓のお話をさせてもらいますえ。

 与謝野町の加悦・野田川地域(三河内地区を除く)では、毎年四月の下旬に「加悦谷祭」いう地域最大の春季例祭が開かれますのや。祇園祭の流れをくむ祭りやそうで、町内一円を屋台や御輿が終日巡行して、あちこちの神社で神楽舞や太刀振り、芸屋台が奉納されますのや。そのなかでも後野地区に伝わる「後野の屋台行事」は、ちょっと独特の味わいがおますのや。

🏮六台の屋台と子どもらの音色

 後野の屋台行事は、毎年四月最後の土曜・日曜の二日間にわたって行われます。六台の屋台が町中をパレードして、そのうち四台では地元の子どもたちが笛や太鼓を手に伝統楽器を演奏しますのや。小さい体で囃子を奏でる姿を見とると、こっちまで心が弾みますなあ。

 残る一台は、子どもたちによる歌舞伎を上演する屋台どす。演じるんは地元の子どもらで、本番の約二か月も前から稽古を重ねはるそうどすから、その熱の入れようが伝わってきますなあ。

🎭小さな役者はんの晴れ舞台

 普段は学校に通う子どもらが、化粧をして衣装をまとい、屋台の上で大人顔負けの演技を見せる。その姿こそ、後野の屋台行事いちばんの見どころどす。長い歴史のなかで、こうして世代から世代へと芸が受け継がれてきたんどすなあ。

 幼い役者はんが見得を切るたび、見物に集まったご近所さんから拍手やら歓声やらが飛びますのや。小さな体に宿る大きな気合いに、思わずこっちも背筋が伸びますわ。

💰愛宕さんへの祝儀が舞う

 行事の道中、屋台は愛宕神社の前で一時立ち止まり、地域の神さんへの奉納が行われます。集まった人らは、紙に包んだお金を演者さんに向けてひょいと投げ入れるんが習わしやそうどす。

 空を舞う祝儀と、それを受け取る子どもらの歓声。笛や太鼓の音色と合わさって、春の後野はにぎやかな熱気に包まれますのや。

📜二百年あまり受け継がれた春

 後野の屋台行事は歴史が二百年以上さかのぼるとされ、使われとる屋台の多くも大変古いものやそうどす。地域の大切な民俗文化財として、その価値も認められとるんどす(指定の種別については資料によって表記が異なる部分もありますよって、詳しくは与謝野町観光協会にお尋ねとくれやす)。

 ちりめん織りの音が響く加悦谷で、こうして祭りの音色も何百年と受け継がれてきた。そう思うと、この町の時間の流れ方がちょっと違うて見えてきますなあ。

📍行っ得メモ

・開催時期:毎年4月最後の土曜・日曜(加悦谷祭全体は4月下旬、宵宮・本祭の2日間)
・開催場所:京都府与謝野町後野地区、愛宕神社周辺
・問い合わせ:与謝野町観光協会 TEL 0772-43-0155

 子どもらが汗だくになって笛を吹き、歌舞伎の見得を切る。そないな一途な姿を見せてもろたら、こっちまで背筋がしゃんとしますなあ。二百年続く祭りを、これからも大事に見守っていきたいもんどす。

 春祭りの熱気がひいた夜には、よう冷えた純米大吟醸YUTAKA(豊)を小さなお猪口でちびりと。五度から十度くらいに冷やして口に含むと、米の甘みと吟醸香がすっと広がって、笛や太鼓の余韻に浸る静かなひとときを、そっと彩ってくれますのやで。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 後野の屋台行事はいつ開かれますか?
A. 毎年四月最後の土曜日と日曜日の二日間にわたって行われます。加悦谷祭全体としては四月下旬に宵宮と本祭が開かれ、町内のあちこちで屋台や御輿の巡行がありますよって、日程は年ごとに与謝野町観光協会で確かめとくれやす。

Q. 子ども歌舞伎はどないな内容どすか?
A. 地元の子どもたちが屋台の上で歌舞伎を演じる行事どす。本番の約二か月も前から稽古を重ねて、化粧や衣装もきちんと整えて舞台に立ちますよって、幼いながらも堂々とした演技に多くの見物客が見入ってしまいますのや。

Q. 愛宕神社での祝儀投げとはどんな習わしどすか?
A. 屋台が愛宕神社の前で一時立ち止まり、地域の神さんへの奉納が行われます。集まった人らが紙に包んだお金を演者に向けて投げ入れる習わしで、笛や太鼓の音色と歓声が入り混じる、祭りのいちばんの盛り上がりどころどすえ。

Q. 祭りの余韻にはどんな一杯がよろしいどすか?
A. 笛や太鼓の音が遠くに消えた夜には、冷やした純米大吟醸YUTAKA(豊)をお猪口でゆっくり一杯いかがどすか。五度から十度くらいの冷酒やと、米の甘みと吟醸香がふわりと広がって、祭りの熱気がやさしく冷めていく時間にようお似合いどすえ。

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