海の京都物語 第320話 酒造り伝えた天女はんのお社どすえ、峰山町・多久神社で豊受大神と天酒大明神にそっと手ぇ合わせてきましたんどす|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語、第320話どす。磯砂山の女池で天女はんが羽衣を奪われてしもうた、せつない言い伝えを訪ねたんが第83話どしたなあ。今日はおんなじ丹後の天女伝説でも、またちごうた筋書きのお社をたずねてみましたんえ。

 峰山町丹波、涌田山の中腹に鎮まる多久神社どす。ご祭神は豊受大神、うちのお酒・YUTAKA(豊)の「豊」とおんなじ字をお持ちの神さんどす。これはお参りせんわけにはいきまへんなあ。

⛩️ 式内社どすえ、天女はんが酒造り伝えたお社

 多久神社は『延喜式神名帳』に丹波郡九座のうちの小社として載る、由緒正しい式内社どす。言い伝えによりますと、崇神天皇の御代に天から舞い降りた天女が、丹波郷の池のほとりにとどまって、この地に稲作と酒造りを伝えてくれはったんやそうどす。せやさかい地元では、天女さんのことを「天酒大明神」と呼んで、長らく崇めてきはったんどすなあ。

 その天女さんが降りはった池は、神社のすぐ近くに今も残る「ヲタ池」やと伝わっとります。この池を汚したら大雨の祟りがあるという言い伝えも残っとって、水と米と酒を授けてくれはった神さんへの畏れと感謝が、ちゃあんと今に息づいとるんどすなあ。磯砂山の女池とはまたちごうた、涌田山ならではの羽衣伝承どすえ。

🌳 幾度の災いを越えて今も立つ、春日造の本殿どすえ

 神社は嘉吉年間(1441〜1444年)に、西へ4.5キロほど奥まった旧社地から今の場所へ遷座しはりました。1753年の『峯山明細記』には「天酒大明神を祀る六尺社」としるされとって、丹波郷七か村の総社として大事にされてきたんどす。文化8年(1811年)の火災で本殿を失うたときも、村の人らが力合わせて1814年までに再建しはりましたんえ。

 そうして建て直された春日造の本殿は、昭和2年(1927年)の北丹後地震にも倒れんと持ちこたえて、今も京都府登録有形文化財として大切に守られとります。本殿の裏手にはシイ林やモウソウチク林が広がっとって、約1.7ヘクタールが京都府の文化財環境保全地区にも指定されとるんどすえ。火にも、地震にも負けんと立ち続けるそのお姿、ほんま頭が下がりますんどすなあ。

📍行っ得メモ

・ご祭神は豊受大神(豊宇賀能売命)、俗称「天酒大明神」どすえ
・参拝自由、拝観料はかかりまへん。所要目安は5分ほどどす
・鳥居前に10台以上停められる駐車場がありますんえ
・最寄りは京都丹後鉄道 峰山駅どす(駅からの徒歩時間は要確認、お車でのお参りがおすすめどす)

 同じ丹後の天女伝説でも、場所が違えば語り継がれる話もちごうてくるんやなあと、しみじみ感じ入ったお参りどした。それでもどの言い伝えにも、米と水を慈しんできた丹後人の祈りが流れとるんは、おんなじどすなあ。

 お社を辞して、常温よりちょっとだけ冷やしたYUTAKAを盃に注いでみましたんどす。天女はんがこの地に伝えてくれはった稲作と酒造りの恵みが、何百年も経った今、うちの盃の中にちゃあんと息づいとるんやと思うたら、ひと口がやけにしみじみ美味しゅう感じられましたえ。豊受大神はんに見守られた、豊かな丹後の実りに乾杯どす。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 多久神社はどんな由緒のお社どすか?
A. 延喜式神名帳にも載る古い式内社どす。崇神天皇の御代、天から舞い降りた天女が丹波郷の池のほとりにとどまり、稲作と酒造りをこの地に伝えたと伝わっとります。地元では天女さんを「天酒大明神」と呼んで、長らく崇めてきはったんどすえ。

Q. 磯砂山の羽衣伝説とは違うお話なんどすか?
A. はい、系統の違う言い伝えどす。磯砂山では女池のほとりで天女が羽衣を隠されて困る物語が伝わりますが、多久神社では近くの「ヲタ池」に天女が降り立ち、稲作と酒造りを授けてくれはったと伝わっとります。おんなじ丹後でも土地ごとに違う物語が息づいとるんどすえ。

Q. 本殿にはどんな歴史がありますんえ?
A. 文化8年(1811年)の火災で本殿を失いましたが、村の人らの手で1814年までに再建されましたんどす。昭和2年(1927年)の北丹後地震にも倒れんと持ちこたえ、今は京都府登録有形文化財として大切に守られとります。火にも地震にも負けんと立ち続けるお姿どすえ。

Q. 参拝時間やアクセスを教えておくれやす
A. 参拝は自由で、拝観料もかかりまへん。所要目安は5分ほどどす。鳥居前に10台以上停められる駐車場がありますんえ。最寄り駅は京都丹後鉄道峰山駅どすが、駅からの道のりは要確認どすさかい、お車でのお参りがおすすめどす。

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