海の京都物語 第351話 綾部・多田町の田園に1500年前の双子の方墳、聖塚と菖蒲塚古墳がひっそり眠ってはるんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

•

 海の京都物語も第351話を数え、綾部市では大本の聖地や黒谷和紙の里、グンゼゆかりの博物苑など、蚕都として栄えた町の表情をあれこれ訪ねてきましたなぁ。

 せやけど今日は、ちょっと目線を変えて、綾部の町なかから車で少し北東へ走った多田町の田園地帯へご案内しますえ。由良川の支流・八田川が形づくる吉美盆地のまんなかに、1500年以上も前からひっそり並んで眠る二つの古墳があるんどす。

🏺 由良川支流が育んだ吉美盆地の双子の方墳

 その名も聖塚古墳と菖蒲塚古墳。綾部市多田町、由良川の支流・八田川がつくる吉美盆地のほぼ中央に、約120メートルの間隔を置いて並んで築かれた2基の方墳どす。古墳時代中期、5世紀前半ごろの築造と考えられ、1992年5月6日には国の史跡(史跡名勝天然記念物)に指定されましたんえ。

 大きい方の聖塚古墳は2段に築かれた墳丘で、東西54.2メートル・南北54.0メートル、高さは7.0メートル。南辺には方形の造り出し部があり、周りには葺石と埴輪列がめぐらされてましたんどす。もう一方の菖蒲塚古墳はひとまわり小ぶりで、東西32.3メートル・南北32.0メートル、高さ5.1メートル。こちらも南面に造り出し部を備え、その基部には聖塚とは異なる台状の張り出しが見つかってますんえ。

 田んぼのあぜ道からふと見上げると、こんもり盛り上がった緑の丘が二つ、静かに並んでいるのが見えますんどす。風にそよぐ稲穂の向こうに浮かぶその姿は、まるで時間だけがゆっくり流れとるみたいどすえ。

⚔️ 明治の世に見つかった、古代豪族の宝

 聖塚古墳からは明治24年、大量の副葬品が出土したと伝わってますんえ。鏡の破片や冑・短甲の残片、鉄鉾、鉄刀・剣、鉄鏃、勾玉、30個あまりのガラス玉など、当時この地を治めた豪族の力を物語る品々どす。墳丘には円筒埴輪や朝顔形埴輪、蓋形・短甲形埴輪なども立ち並んでいたそうで、埴輪の表面には黒く焼け焦げたような斑(黒斑)も見られるんどすえ。

 1983年には綾部市教育委員会による周濠部の範囲確認調査も行われ、その結果が保存へとつながったそうどす。かつてここに、鉄の武具や煌めくガラス玉を身にまとった人々が暮らし、祈り、見送られていったんやなぁと思うと、田園に吹く風の音さえも、なんや古代からの便りのように聞こえてきますえ。

🌾 吉美盆地に受け継がれる、ふたつの古墳の物語

 聖塚・菖蒲塚古墳はともに大型の方墳であり、位置や墳形、出土遺物に共通点が多いことから、古墳時代の地域社会のありようを考えるうえでも重要な史跡とされてますんどす。双子のように寄り添う二つの墳丘は、当時この吉美盆地一帯を治めた豪族一族の存在を、今に静かに伝えてくれてますんえ。

 観光地として大きく整備されているわけやのうて、地元の人らが普段から大切に見守ってきた、いわば「隠れた史跡」どす。だからこそ、訪れる人も少のうて、古墳と向き合う時間をゆっくり味わえるんが、この場所のええところどすえ。

📍行っ得メモ

・所在地: 京都府綾部市多田町(由良川支流・八田川が流れる吉美盆地内)
・国史跡指定: 1992年(平成4年)5月6日指定、史跡名勝天然記念物「聖塚・菖蒲塚古墳」
・綾部市中心部から北東へ約2.5キロの立地で、周辺は田園・農地が広がるため見学時は畦道や私有地への配慮を
・屋外の史跡で見学は随時可能ですが、駐車場や案内施設の有無など詳細は綾部市教育委員会に要確認どす

 蚕都として栄えたグンゼの記憶も、大本の祈りの地も、みんなこの由良川の恵みがあってこそ育まれてきたんやけど、その源流をたどっていくと、こうして1500年前からこの土地に根を張ってきた人々の営みに行き着くんやなぁと、しみじみ思いますんどす。

 そないな古代からの時の重なりに想いを馳せながら、夕暮れの縁側でYUTAKAをひと口。ひんやり冷やした純米大吟醸を、すっと薄手のガラスの盃に注げば、吟醸香がふわりと立ちのぼりますんえ。口に含むと、綺麗な米の旨みが静かに広がって、すうっと喉を通っていく後味の澄みわたる感じが、古墳の丘に吹く風のように涼やかどす。千五百年の時を超えて受け継がれてきた土地の記憶に、杯を傾けながら静かに想いを重ねる、そんなひとときをどうぞ。

ほな、また次回のお楽しみに。 これからもどうぞよろしくお願いします。

大吟醸KYOTO YUTAKAを見る/購入する

FAQ
Q. 聖塚・菖蒲塚古墳はどこにありますか?
A. 京都府綾部市多田町にあり、由良川の支流・八田川が形づくる吉美盆地のほぼ中央、綾部市中心部から北東へ約2.5キロほどの田園地帯に位置してますんどす。約120メートルの間隔を置いて、2基の方墳が並んで築かれてますえ。

Q. いつごろ築かれた古墳ですか?
A. 出土した副葬品や埴輪の特徴から、古墳時代中期にあたる5世紀前半ごろの築造と考えられてますんえ。平成4年(1992年)5月6日には、国の史跡(史跡名勝天然記念物)として指定され、今も当時の姿をよく残す貴重な古墳として大切に守られてますんどす。

Q. 聖塚古墳からは何が出土しましたか?
A. 明治24年に大量の遺物が出土したと伝わってますんえ。鏡の破片や冑・短甲の残片、鉄鉾、鉄刀・剣、鉄鏃、勾玉、30個あまりのガラス玉などが見つかっており、当時この吉美盆地一帯を治めた豪族の力を物語る貴重な品々として伝えられてますんどす。

Q. 日本酒YUTAKAはどんな味わいですか?
A. 京都・海の京都エリアで醸される純米大吟醸YUTAKAは、冷やして薄手のガラスの盃でいただくと、ふわりと立つ吟醸香と、すっと澄みわたる米の旨みが楽しめますんえ。古墳の丘に吹く風のように涼やかな後味で、歴史に想いを馳せながらゆっくり味わうひとときにぴったりどす。

0件のコメント
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。