海の京都物語 第358話 酒呑童子伝説の大江山のふもとで百三十年、娘のようにやわらかい酒を醸す与謝娘酒造があるんどす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語、第358話をお届けしますえ。これまで丹後ちりめんの歴史や与謝野鉄幹・晶子の歌、加悦谷の鉄道遺産など、与謝野町のいろんな顔をご紹介してきましたなあ。
今日は少し趣向を変えて、与謝野町与謝の地に130年余り蔵を構える「与謝娘酒造」を訪ねますえ。大江山のふもと、酒呑童子伝説の残る山が育む水の話どす。
🏯 酒呑童子伝説の山のふもとで百三十年
与謝娘酒造は明治20年(1887年)の創業と伝わり、130年以上にわたって酒を醸し続けてきた蔵どす。所在地は京都府与謝郡与謝野町与謝2-2、京都市内から車でおよそ90分、鬼退治の酒呑童子伝説で知られる大江山のふもとにありますんや。
京都丹後鉄道宮豊線の与謝野駅から丹海バス与謝方面行きに乗って約25分、「二ツ岩」のバス停を降りたらすぐそこ。山里の静かな空気の中に、蔵の甘い匂いがふわりと漂いますえ。
💧 大江山が育む仕込み水
この蔵の仕込み水は、大江山の花崗岩層を通ってきた伏流水どす。蔵の中まで横井戸を引いており、井戸には5000リットル以上の水が溜まって、仕込みで汲んでも翌日にはまた満ちるといいますんや。
花崗岩を通った水はミネラル分が少ない軟水で、口当たりがやわらかいお酒に仕上がるそうどす。大江山という荒々しい鬼退治の舞台から、こんなにも優しい水が湧いているんは、なんや不思議な縁を感じますなあ。
🌾 6代目杜氏と、蔵の前の田んぼ
酒づくりを担うんは6代目杜氏の西原司朗さん。高校1年生のときに杜氏になることを決め、東京農業大学の醸造科学科で学んだのち、卒業してすぐに蔵を継いだそうどす。若くして家業の道を選んだ覚悟、ほんまに頭が下がりますえ。
原料のお米は、蔵の目の前にある田んぼで採れたものを使こうてはるそうどす。水も米も、蔵のすぐそばで育つ。地に足のついた酒づくりの姿が見えてきますなあ。
🍶 「与謝娘」という銘柄に込めた想い
代表銘柄の名は「与謝娘」。与謝の地で育った娘のようにやわらかい酒、という意味が込められているそうどす。商品には与謝娘ゆず酒(500ml)や丹後七姫純米吟醸(720ml)などがありますんや。
130年という歳月、山の水と地の米、そして代々の杜氏の手を経て、今もこの名が受け継がれとる。与謝野町いう土地の奥深さを、また一つ知った気がしますえ。
📍行っ得メモ
・与謝娘酒造/京都府与謝郡与謝野町与謝2-2
・アクセス/京都丹後鉄道宮豊線「与謝野駅」から丹海バス与謝方面行きで約25分、「二ツ岩」下車すぐ
・営業時間/8:00〜20:00(通年、定休日・酒蔵見学の可否は事前にお問い合わせを)
・代表銘柄「与謝娘」/与謝娘ゆず酒(500ml)、丹後七姫純米吟醸(720ml)など
大江山の伏流水が、鬼伝説の山から静かに湧き続けて130年。その水を受け継ぐ杜氏の手仕事を思うと、一本のお酒に流れとる時間の長さに、あらためて驚かされますなあ。土地の水と米、そして人の手が重なってこそ生まれる味どすなあ。
そんな軟水の物語を思いながら、わたしは常温より少し冷やしたYUTAKAをガラスの冷酒杯に注いでみましたえ。純米大吟醸らしい穏やかな香りが鼻に抜け、口に含むと雑味のないすっと澄んだ甘みが広がりますんや。大江山の花崗岩を通った水が育てる柔らかさと、どこか響き合う味わいに思えて、ひとり静かに盃を傾ける夜になりましたえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 与謝娘酒造はどこにあるんどすか?
A. 京都府与謝郡与謝野町与謝2-2にある酒蔵どす。京都丹後鉄道宮豊線の与謝野駅から丹海バス与謝方面行きで約25分、「二ツ岩」バス停を降りてすぐの場所どす。酒呑童子伝説で知られる大江山のふもとに蔵を構えてはりますえ。
Q. 与謝娘酒造の創業はいつごろどすか?
A. 明治20年(1887年)の創業と伝わっており、130年以上の歴史を持つ蔵どす。現在は6代目杜氏の西原司朗さんが酒づくりを担ってはり、代々の技が受け継がれてきましたんや。東京農業大学で醸造を学んだのち、蔵を継いだそうどす。
Q. 仕込み水にはどんな特徴があるんどすか?
A. 大江山の花崗岩層を通ってきた伏流水を、蔵の中まで引いた横井戸から汲んで使うてはります。ミネラル分の少ない軟水で、口当たりのやわらかいお酒に仕上がるのが特徴どす。井戸には5000リットル以上の水が溜まるそうどすえ。
Q. 営業時間や訪問時の注意はありますか?
A. 営業時間は8:00〜20:00で通年営業とされていますが、定休日や酒蔵見学の可否については公開情報が限られますさかい、訪れる際は事前に電話などで確認するんが安心どす。代表銘柄「与謝娘」はゆず酒などもありますえ。
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