海の京都物語 第468話 宮津湾の海で一年近くじっくり育てられる丹後とり貝、肉厚な甘みと歯ごたえに出会うたら病みつきになるんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語も気がつけば四百六十八話を数えるようになりました。これまで天橋立や智恩寺、宮津城の城下町、飯尾醸造の富士酢、丹後ぐじや宮津カレー焼きそばいうて、宮津はんの表の顔から食の名物まで、ほんまにぎょうさんのお話を聞いてもろてきたんどす。

 せやけど宮津いう町は、まだまだ奥が深おすえ。今日は宮津湾の海の底でじっくり育つ、知る人ぞ知る貝のお話をさせてもらいますわ。その名も「丹後とり貝」どす。

🐚丹後とり貝て、いったいなんの貝どす?

 とり貝いうたら、お寿司屋はんでよう見る黒っぽいひらひらの貝を思い出さはる方もいてはるかもしれしまへんな。せやけど丹後とり貝は、ふつうのとり貝よりひとまわりもふたまわりも大きい別格の貝どす。殻付きで百グラム以上のもんだけが「丹後とり貝」を名乗れるて決まってるんどすえ。

 とり貝いうんは本来、水温が上がる夏場が苦手な貝で、よそではたいてい夏を迎える前に獲ってしまわはるんどす。せやけど丹後の内海――舞鶴湾や久美浜湾、ほんでこの宮津湾――では、なんでか夏を越してぐんぐん育って、二年近くかけてぷっくり大きゅうなるんやそうどす。

🌊宮津湾のいかだで、ひと夏越えの大仕事

 この丹後とり貝、もとは京都府の海洋センターはんが、全国に先がけて稚貝をぎょうさん育てる技術を編み出さはったんが始まりやそうどす。漁師さんらが受け取った稚貝を、海に浮かべたいかだから吊るしたコンテナの中で、約一年かけてじっくり育てはるんどすえ。

 そのかいあって平成二十年、丹後とり貝は水産物としてはじめて「京のブランド産品」に選ばれはったんどす。次の年の平成二十一年には、地域団体商標いう国のお墨付きまでもろたていう、宮津の海が生んだ自慢の逸品どすえ。

 春から初夏にかけて宮津湾を渡る風は、まだどこかひんやりしてますけど、海の底ではこのとり貝がのんびり肥えていきよるんやと思うたら、なんや頬が緩んでしまいますわ。

🍽️港町・宮津で出会う、旬のひと皿

 丹後とり貝の出荷は年によって幅がありますけど、だいたい春から初夏、六月七月あたりが旬の盛りとされています。宮津の町なかには、予約をしたらこの時期だけ丹後とり貝を出してくれはる料理屋さんやお寿司屋さんもあって、宮津市観光協会はんが食べられるお店の案内もしてはるくらいどすえ。

 肉厚な身を一口噛んだら、こりっとした歯ごたえのあとから、海の甘みがじんわり広がっていきますねん。港町・宮津の漁師さんと海の仕事が、ひと皿のうえにぎゅっと詰まってるような、そんな贅沢などすわ。

📍行っ得メモ

・丹後とり貝は京都府北部(宮津市・京丹後市・舞鶴市)の内海で育つブランド食材
・殻付き重量100g以上のものだけが「丹後とり貝」を名乗れる
・旬は春から初夏にかけて(出荷時期は年により変動)、宮津市内では予約制で味わえる店もあり

 宮津の海いうたら天橋立ばっかり目がいきがちどすけど、その足元の海の中では、こないに手間暇かけて育てられてる貝がおったんやなあと思うと、海の京都の奥深さをまたひとつ知った気ぃがしますわ。

 丹後とり貝をいただくなら、よう冷やした純米大吟醸YUTAKAをガラスの盃にそっと注いで、きりっと冷たいまま合わせるのがようおすえ。とり貝の歯ごたえと海の甘みに、YUTAKAのすっきりした吟醸香と米の旨みがすっと寄り添うて、港町・宮津の海の恵みを静かに引き立ててくれますんや。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 丹後とり貝とはどんな貝どすか?
A. 丹後とり貝は、舞鶴湾・宮津湾・久美浜湾といった丹後の内海で育つブランドのトリガイどす。殻付き重量が百グラム以上あるものだけがこの名前を名乗れて、ふつうのとり貝よりひとまわり大きく、肉厚な身と強い甘みが持ち味とされていますんや。

Q. 丹後とり貝の旬はいつどすか?
A. 丹後とり貝の出荷時期は年によって幅がありますが、春から初夏、だいたい四月から六月下旬ごろにかけてが目安とされています。ちょうど夏の暑さを迎える前の、海がいちばん穏やかな時季に旬を迎える貝どすえ。

Q. 宮津で丹後とり貝は食べられますか?
A. 宮津市内には、旬の時季に予約をすれば丹後とり貝を出してくれはる料理屋さんやお寿司屋さんがあります。宮津市観光協会では食べられるお店を紹介した案内も出しているので、訪ねる前に問い合わせてみはるとよろしいかと思いますえ。

Q. とり貝にはどんなお酒が合いますか?
A. よう冷やした純米大吟醸YUTAKAを、ガラスの盃できりっと冷たいまま合わせるのがようおすえ。とり貝の歯ごたえと海の甘みに、YUTAKAのすっきりした吟醸香と米の旨みが寄り添うて、港町・宮津の海の恵みをいっそう引き立ててくれますんや。

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