海の京都物語 第55話 🌾 新米に「おおきに」を言う日が、与謝野にはあるんどす
おおきに、中の人どす🍶
暦は立冬(りっとう、11月7日ごろ)。大江山からの風がひんやりしてきて、加悦谷(かやだに)の田んぼはすっかり刈り取られて、切り株だけが行儀よう並んでますのや🌾 秋が店じまいして、冬が「こんにちは」する頃どすなぁ。
こんな季節、うちがどうしても行きたなる場所があるんどす。それが道の駅「シルクのまちかや」——地元では「よさの野菜の駅」て呼ばれてる、与謝野町の台所どす🥬 朝採れの野菜がずらーっと並んで、300年以上の歴史を持つ丹後ちりめんのショールがきらきら光って、 その奥に、うちのお目当てが積んでありますのや。
そう、新米「京の豆っこ米(まめっこまい)」どすっ🍚✨
この豆っこ米、ほんまにすごいんえ。与謝野町はな、府内でただひとつ「自分たちで肥料を作る町」どす。町のお豆腐屋さんから出る“おから”に、米ぬかとお魚のアラを混ぜて、GN菌の力でアラのチッ素分をアミノ酸に変えた、100%有機質の「京の豆っこ肥料」をこしらえますのや(成分は窒素全量4.5%・りん酸全量5.0%・カリ全量1.7%やそうえ)。その肥料で土を育てて、その土でお米と大豆を育てて、大豆はまたお豆腐になって、おからが出て、また肥料になる……🌱🔄 「大地→大豆→豆腐→おから→肥料→大地」。ぐるーっと命が巡る「自然循環農業」の町なんどす。町は2030年度までに、この豆っこ米の栽培割合を30%まで広げよう、てがんばってはるんどすえ。
しかもこの豆っこ米を含む丹後産コシヒカリは、一般財団法人日本穀物検定協会の「米の食味ランキング」で、最高評価の「特A」を西日本で最多となる12回も獲得してる正真正銘の実力派🏆(「特A」は基準米より特に良好、ていう最上級の評価どす)。黄金色の稲穂が、ほかの田んぼより色が濃いて、稲そのものが健康な証拠なんやそうどす。炊いたら、つやつや、もっちり。ひと口で「あぁ、生きててよかった」て思う味どすえ😌
そや、ちょうどこの頃——11月23日は「勤労感謝の日」どすやろ? これ、もともとは新嘗祭(にいなめさい)ていうて、その年に採れた新米を神さまにお供えして「今年もようできました、おおきに」て感謝する、古〜いお祭りなんどす🙏 天皇陛下ご自身が新米を召し上がる、宮中でいちばん大切な神事やそうどす。
……ここでピンときた人、鋭いどすっ✨ うちのお酒「豊(YUTAKA)」の名前はな、天橋立にある元伊勢とも呼ばれる由緒正しき籠神社(このじんじゃ)の宮司さまより、御祭神・豊受大神(とようけのおおかみ)さまの一文字を賜って命名いただき、「豊」の象形文字をベースにロゴをデザインしたんどす。豊受大神さまは、丹後地方では五穀豊穣(ごこくほうじょう)と養蚕の祖神🌾🎐 つまり「豊」は、生まれながらに“実りに感謝するお酒”なんどすなぁ。
刈り取りが終わった田んぼ、湯気の立つ新米、命が巡る町、そして実りの神さま。ぜんぶが「おおきに」でつながる季節。中の人は、今年もええお米とええお酒に出会えたことに、しみじみ手を合わせるんどす🙏✨
さ、あんたも一年、ようおきばりやしたなぁ。そんな自分に、大切な人に、「おつかれさん」を言うお酒、いきまひょか🍶
京都 丹後