海の京都物語 第68話 弥栄町・大田南古墳群どす―西暦235年の鏡が語る太古の丹後|日本酒YUTAKA(豊)
前回の与謝野町編では、日本海三大古墳のひとつ「蛭子山古墳」を訪ねましたなぁ。第68話は京丹後市シリーズ・弥栄町(やさかちょう)どす。竹野川を見下ろす丘の上に、太古のロマンが詰まった古墳群があるん、知ってはりましたか。
⛰️竹野川を望む丘に眠る25基の古墳
弥栄町和田野から峰山町矢田にかけての丘陵に広がるんが「大田南古墳群」どす。竹野川中流の左岸、見晴らしのええ尾根筋に総数25基が連なり、これまでに12基が発掘調査されとります。一番古い2号墳は22メートル×18メートルの方墳で3世紀中葉の築造。丹後の王たちが眠る古代の丘、いっぺん立ってみると風の抜け方まで違う気ぃしますえ。
🪞卑弥呼が魏に使いを送るわずか4年前の鏡
そのなかの大田南5号墳(標高82メートルの尾根上の方墳)から、平成6年、とんでもない宝もんが見つかったんどす。組合式石棺の中、被葬者の頭の右側に鏡面を上にして置かれとった一枚の銅鏡。「方格規矩四神鏡」いいまして、鏡背に「青龍三年」の銘が刻まれとりました。青龍三年は魏の年号で西暦235年。卑弥呼が魏に使者を送り「親魏倭王」の称号を授かったとされる239年の、わずか4年前どす。日本出土の紀年銘鏡では最古とされ、邪馬台国論争にも欠かせん一枚として、平成8年(1996年)に国の重要文化財に指定されましたんえ。
📜39文字の銘文が語る祈りと、海を越えたつながり
鏡の銘帯には「青龍三年顔氏作竟成文章左龍右虎辟不祥朱雀玄武順陰陽八子九孫治中央寿如金石宜侯王」と39文字。顔氏いう工人が龍虎と四神を配し、持ち主の長寿と子孫繁栄、侯王への出世を願うて鋳込んだ言葉どす。おもしろいことに、この銘文とまったく同じ鏡が、遠く大阪・高槻市の安満宮山古墳からも出土しとります。丹後と摂津が、はるか三国時代からひとつの鏡でつながっとった思うと、ロマンが止まりまへんなぁ。
📍行っ得メモ
・所在地:京都府京丹後市弥栄町和田野小字大田(峰山町矢田との境の丘陵上)
・アクセス:京都丹後鉄道 峰山駅から車で約10分
・現地には案内板があり見学可能。周辺は農地・私有地もあるため交通ルールとマナーを守ってお参りを
・お問い合わせ:京丹後市教育委員会文化財保存活用課(0772-69-0640)
🍶YUTAKAを一杯
西暦235年の銘を胸に眠っとった鏡は、千八百年近い時を超えて、丹後が海の向こうと繋がっとった証どす。ハクレイ酒造もまた天保3年(1832年)創業、京丹後の地でずっと酒を醸してきましたんえ。丹後産・山田錦だけで仕込んだ純米大吟醸「豊-YUTAKA-」を薄手のガラス盃に注ぎ、少し冷やし気味でいただくのがおすすめどす。含み香はふわりと上品、口に含むと米の旨みがすっと伸びて、余韻は澄んだ竹野川のように綺麗どす。古代の鏡に思いを馳せながら、静かに一杯傾けてみとくれやす。
丘の上で銅鏡が見てきた千八百年、京丹後市シリーズ、次はどの町へ向かいましょうか。
ほな、また次回の京丹後市シリーズでお会いしましょう🍶
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 大田南古墳群はどこにありますか。
A. 京都府京丹後市弥栄町和田野から峰山町矢田にかけて広がる丘陵上にある古墳群どす。竹野川中流の左岸、見晴らしのええ尾根筋に位置しとって、これまでに総数25基のうち12基が発掘調査されとります。もっとも古い2号墳は22メートル×18メートルの方墳で、3世紀中葉の築造と考えられとる、丹後でも屈指の古い古墳どす。峰山駅から車で約10分ほどのところにあり、現地には案内板もあって見学できますんえ。
Q. 「青龍三年」銘の鏡とはどんな鏡どすか。
A. 大田南5号墳の石棺から平成6年に出土した「方格規矩四神鏡」のことどす。鏡背に刻まれた「青龍三年」は中国・魏の年号で、西暦235年にあたります。日本国内で出土した紀年銘鏡のなかでは最古とされる貴重な一枚で、平成8年(1996年)に国の重要文化財に指定されましたんえ。鏡の銘帯には39文字の銘文があり、持ち主の長寿と子孫繁栄、出世を願う言葉が刻まれとります。
Q. この鏡と卑弥呼・邪馬台国はどう関係しとるんどすか。
A. 「青龍三年」は西暦235年で、これは卑弥呼が魏に使者を送り「親魏倭王」の称号を授かったとされる239年の、わずか4年前にあたります。鏡そのものが卑弥呼に贈られたと確定しとるわけではありませんが、その年代の近さから邪馬台国論争を語るうえで話題に挙がることの多い、大変貴重な鏡として知られとるんどす。
Q. YUTAKAはどんなシーンでいただくのがおすすめどすか。
A. 古代のロマンに思いを馳せながら、静かに味わうひとときにぴったりどす。丹後産・山田錦だけで仕込んだ純米大吟醸「豊-YUTAKA-」を薄手のガラス盃に注ぎ、少し冷やし気味でいただくと、上品な含み香と米の旨み、澄んだ竹野川のような余韻をゆっくり楽しめますんえ。古墳めぐりの後、旅の余韻に浸りながらゆっくり一杯どうぞ。
京都 丹後