海の京都物語 第97話 神輿が海を渡る夜、浅茂川水無月祭のジョーサージャー|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も、気づけば第97話。100話に向けてラストスパートに入ってきたところどすが、今回もまた京丹後市網野町にお邪魔します。網野町はこのシリーズでも何度か登場した町どすけど、今日はまだご紹介していない、夏の夜だけの顔をお見せしたいと思います。
網野町浅茂川(あさもがわ)には、毎年7月30日、日付を固定して行われる夏祭りがあります。その名も「水無月祭」。地元の方は「かわっそさん(川裾祭)」とも呼ぶそうで、昼のみこし巡行から夜の花火大会まで、網野地域最大級の賑わいを見せる一日どす。
🏯 日吉神社と、祭りの名の由来になった境内社
祭りの舞台は、浅茂川に鎮座する日吉神社。ご祭神は大山咋命(おおやまくいのみこと)で、現在の本殿は文政10年(1827年)に再建されたものと伝わります。丹波・丹後で活躍した彫物師・第6代中井権次正貞による彫刻が施された社殿で、その意匠の豊かさから平成5年に京都府の文化財に登録されているそうどす。そしてこの日吉神社の境内社のひとつが「水無月神社」。祭りの名前は、実はこの境内社に由来しているんどす。地元の氏神さんの、そのまた小さなお社の名前が、町いちばんの夏祭りの名前になっている――そんな由緒を知ると、また違った目でお祭りを眺められる気がします。
🏮 「ジョーサージャー」神輿が海に入る海上渡御
祭り本番は13時半ごろ、日吉神社を出発する神輿の巡行から始まります。担ぎ手たちが発する掛け声は「ジョーサージャー」。この威勢のいい声とともに、神輿は浅茂川の集落を練り歩きます。
そしてこの祭り最大の見どころが、15時45分ごろに行われる海上渡御。神輿は八丁浜の浅瀬に設けられた小さな祠のまわりを、三周するように進みます。担ぎ手は腰まで海水に浸かりながら神輿を支え、勇ましい掛け声が浜辺に響きわたる――陸の祭りとはまったく違う、水しぶきと熱気が入り混じった光景どす。
🐢 亀みこしに乗る浦島太郎と、乙姫の玉手箱
浅茂川水無月祭には、もうひとつユニークな演出があります。それが「亀みこし」。浦島太郎に扮した男性が亀の形をした神輿に乗り込み、浜から海へと進むと、そこに乙姫役が加わって玉手箱を手渡す、という寸劇のような趣向どす。網野町には古くから独自の浦嶋伝説が伝わっていますが、この祭りではその物語が、堅苦しい昔話としてではなく、夏の夜を彩る愉快な演出として生きているのが面白いところやと思います。
🎆 約2000発の花火と、浜を包む夏の夜
日が落ちると、祭りは花火大会へと移ります。打ち上げは20時15分ごろから、その数およそ2000発。八丁浜海水浴場一帯が花火の音と光に包まれ、地元の菓子まきも行われるなど、家族連れも楽しめる賑やかな夜になります(荒天の場合は中止となるそうなので、その点はご注意を)。
📍行っ得メモ
・開催日:毎年7月30日(曜日に関係なく固定開催)
・会場:京丹後市網野町浅茂川 日吉神社~八丁浜海水浴場周辺
・アクセス:京都丹後鉄道宮豊線「網野」駅から車で約7分
・駐車場:周辺に無料駐車場あり
・問い合わせ:水無月祭典委員会(浅茂川区事務所) TEL 0772-72-0009 ※荒天時は中止・内容変更の可能性があるため、事前にご確認を
もし浅茂川水無月祭を訪れる機会があったら、花火が終わったあとの静けさの中で、ちょっとだけYUTAKAを傾けてみておくれやす。腰まで海に浸かって神輿を支えた担ぎ手さんたちの熱気、亀みこしに揺られる乙姫の玉手箱、夜空を染めた2000発の花火――そんな一日の余韻を、キリッと澄んだ純米大吟醸の一杯が静かに受け止めてくれる気がします。冷やしたグラスでいただけば、浜風の名残と一緒に、涼やかな後味がすっと喉を通っていきますえ。
網野町には、まだまだこうして知られていない祭りや暮らしの積み重ねがあります。ハクレイ酒造が醸すYUTAKAも、そんな土地の営みのひとつとして、これからもこの町の物語を静かに支えていけたらと思っています。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 浅茂川水無月祭とはどんなお祭りですか?
A. 京丹後市網野町浅茂川の日吉神社を中心に、毎年7月30日に行われる夏祭りです。昼は神輿巡行、夜は花火大会があり、網野地域でも最大級の賑わいを見せる行事として知られています。
Q. 「海上渡御」とはどのような行事ですか?
A. 神輿が八丁浜の浅瀬に設けられた小さな祠のまわりを三周する神事です。担ぎ手は腰まで海水に浸かりながら神輿を支え、「ジョーサージャー」という威勢のよい掛け声とともに進む、この祭り最大の見どころとされています。
Q. 亀みこしとはどのようなものですか?
A. 浦島太郎に扮した男性が亀の形をした神輿に乗り込み、海に入ると乙姫役が加わって玉手箱を手渡す演出です。網野町に伝わる独自の浦嶋伝説にちなんだ、この祭りならではの趣向どす。
Q. 祭りを見に行く場合、YUTAKAはどこで手に入りますか?
A. 純米大吟醸YUTAKAは京丹後市を醸造元とする日本酒で、公式オンラインストアなどでお求めいただけます。祭りの余韻を味わいながら、旅の記念に一献傾けていただくのもおすすめどす。
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