海の京都物語 第108話 東郷はんの邸宅どすえ、舞鶴鎮守府ゆかりの東郷邸|日本酒YUTAKA(豊)

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 先月、東舞鶴の海軍記念館で三笠の模型やら海軍さんの資料やらぎょうさん拝見して、ほんまに勉強になりましたなあ。今回はその海軍さんの中でも、ひときわ名前の知られたお方のお話どす。舞鶴鎮守府の初代司令長官やって、後に日本海海戦で名を馳せはった東郷平八郎はんの、舞鶴でのお住まいのことどす。

 東郷平八郎はんいうたら、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を破らはった、日本海軍史に残る大将どす。せやけど、その大戦果の前、明治34年(1901年)に舞鶴鎮守府が開庁したときに、初代の司令長官として2年間、舞鶴の地で過ごさはったんは、あんまり知られてへんかもしれまへんなあ。今日はそのときのお住まい、「東郷邸」を訪ねてみまひょ。

⚓舞鶴鎮守府、初代司令長官として

 明治34年(1901年)10月1日、舞鶴鎮守府が開庁しました。そのとき初代司令長官に任命されはったんが、当時海軍中将やった東郷平八郎はんどす。まだ日本海海戦で世界にその名を知られる前のことどしたが、後に連合艦隊司令長官として国際的に名を馳せはるお方が、舞鶴で最初の大きな役目に就かはったわけどす。

 東郷はんは2年間、舞鶴に赴任してはりました。そのときに暮らさはったんが、今でいう「東郷邸」どす。木造平屋建てで、一部に洋館づくりも取り入れた和洋折衷のお屋敷で、敷地面積は3,100平方メートル、建築面積は311平方メートルもある、なかなか立派なもんどす。

🏯今も残る、和洋折衷のお屋敷

 この東郷邸、今もちゃんと現存してますんや。東郷はんが去らはった後も、歴代の司令長官が終戦まで官邸として使わはって、昭和28年からは海上自衛隊に移管されて、今は舞鶴地方総監部の会議所として使われてますんどす。旧舞鶴鎮守府司令部庁舎の隣、東舞鶴の少し高台にあって、明治時代の貴重な建物として大事にされてますんえ。

 裏庭には「一心池」いう池がありましてな、「心」いう字の形をした池に一本の橋を架けはったもんどす。これ、東郷平八郎はんご自身が命名しはったと伝わってますんや。東郷はんが眠らはった寝室からは、今も往時とそう変わらん景色が見えるそうどす。

🌊日本海海戦、Z旗の逸話

 舞鶴を離れはった後、東郷平八郎はんは連合艦隊司令長官として日露戦争に臨まはります。明治38年(1905年)の日本海海戦では、旗艦「三笠」にZ旗を掲げ、「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」との信号を全艦に送らはって、ロシアのバルチック艦隊を打ち破らはりました。世界の海戦史に残るこの勝利で、東郷はんの名は一躍、世界に知れ渡ったんどす。

 舞鶴で過ごさはった2年間は、そんな大きな戦いの前の、いわば助走のような時期どした。この東郷邸に立たはると、後に世界的な名将となる前の、まだ静かな舞鶴の日々に思いを馳せられる気がしますなあ。

👨‍👧気さくな人柄を伝えるエピソード

 東郷平八郎はんいうたら、いかつい軍人さんのイメージがあるかもしれまへんけど、舞鶴での暮らしぶりからは、また違うたお人柄も伝わってきますんや。娘はんを地元の学校まで、ご自分の足で送り迎えしはったいう話も残ってましてな、気さくで進歩的なお方やったことがうかがえますんどす。

 こないなエピソードを聞くと、東郷邸はただの「偉人の旧宅」やのうて、静かな舞鶴の暮らしの中に息づいてはった、ひとりの人間の温もりを感じさせてくれる場所やと思いますんや。

📍行っ得メモ

・所在地:京都府舞鶴市余部下1200(海上自衛隊舞鶴地方総監部内)
・公開日:毎月第1日曜日 10時〜15時(業務等の都合により見学できない場合あり、事前確認がおすすめ)
・料金:無料
・アクセス:JR舞鶴線 東舞鶴駅から京都交通バスで約10分「ジャパンユナイテッド造船前」下車、徒歩約5分
・団体(20名以上)や大型車両での来場は3週間前までに要申込
・問い合わせ:海上自衛隊舞鶴地方総監部広報係 TEL 0773-62-2250(内線2208)

 東郷邸を訪ねると、教科書で習うた「日本海海戦の英雄」いうだけやのうて、舞鶴で日々を過ごさはった一人の人間としての東郷平八郎はんに出会えるような気がしますなあ。あの一心池のほとりに立って、東郷はんが見はったんと同じ景色を眺めるんも、ええもんどすえ。

 東郷邸の凛とした佇まいには、純米大吟醸YUTAKA(豊)をぬる燗、40度くらいでいただくんがよう合いますんや。切子のぐい呑みに注いで、木造の縁側に腰掛けるみたいな気持ちで一口。ふくよかな米の旨みと、ほんのり感じる熱燗ならではの丸みが、明治の武人が眺めはったであろう静かな庭の景色と重なって、背筋がすっと伸びるような、そんな味わいどすえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 東郷邸は今も見学できますんか?
A. へえ、現存してますんえ。海上自衛隊舞鶴地方総監部の中にあって、毎月第1日曜日の10時から15時まで無料で一般公開されてますんどす。ただ業務の都合で見学できひん日もあるさかい、行く前に確認してからのほうがよろしいどすえ。

Q. 東郷平八郎はんはなんで舞鶴に?
A. 明治34年に舞鶴鎮守府が開庁しはったとき、初代の司令長官として着任しはったんどす。当時はまだ海軍中将で、後に日本海海戦で名を馳せはる前の、いわば駆け出しの大役どしたんえ。2年間、舞鶴で務めを果たさはりました。

Q. 一心池ってどんな池どすの?
A. 東郷邸の裏庭にある池どす。「心」いう字の形をしてて、そこに一本の橋を架けてありますんや。東郷平八郎はんご自身が命名しはったと伝わってましてな、静かな庭の中でもひときわ趣のある場所どすえ。

Q. YUTAKAはどんな温度で飲んだらええん?
A. 東郷邸みたいな凛とした雰囲気を味わいたいときは、ぬる燗の40度くらいがおすすめどす。切子のぐい呑みでいただくと、米の旨みとほんのりした熱燗の丸みが、静かなお屋敷の景色によう合いますんえ。もちろん、冷やしてすっきり飲むんもよろしおすえ。

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