海の京都物語 第188話 伊根浦の舟屋がまるごと国の宝に選ばれた、平成の夏に起きた出来事を今日はお話しさせてもらいますえ|日本酒YUTAKA(豊)

•

 前回は伊根に伝わる朝ドラヒロインゆかりの「ええにょぼ」記念碑のお話をさせてもろて、伊根の女性たちの働き者ぶりをご紹介したんどす。今日はその伊根の町並みそのもの、舟屋がずらりと並ぶ伊根浦の景色が、国からどないな評価を受けてきたんかいうお話をさせてもらいますえ。

 伊根の舟屋言うたら、この「海の京都物語」でも第37話の開幕以来、何べんもご紹介させてもろてきましたんどすけど、今日はその舟屋の町並みが「国の宝」として選ばれた経緯に、じっくり光を当ててみとうおもいますんえ。

🏘️漁村として全国初、海も含む重伝建

 伊根浦は平成17年(2005年)7月22日、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれましたんえ。面積はおよそ310.2ヘクタール、東西約2,650メートル、南北約1,700メートルにも及ぶ広さどす。

 これは漁村としては全国で初めての選定やったそうどす。せやのうて、選ばれた区域に伊根湾の海面まで含まれとるいうんも、重伝建としては初めての例やったんどすなあ。

 伊根湾に沿うて約230軒もの舟屋が連なる景色は、青島や周りを取り囲む魚付林とあいまって、他所にはない独特の歴史的景観をつくっとりますんえ。

📜選定までの、丁寧な積み重ね

 選定に至るまでには、地元の保存審議会からの答申(平成17年3月1日)、伊根町による保存地区の告示と文化庁への申出(3月2日)、国の調査部会による現地調査(3月21日から22日)、文化審議会から文部科学大臣への答申(4月22日)、そして官報への掲載(7月22日)いう、いくつもの丁寧な手順が積み重ねられましたんどす。

 選定後もそれで終わりやのうて、これまでに147件の修理事業と20件の修景事業が実施されてきたそうどす。舟屋の姿を守り続けるいうんは、一度の指定だけやのうて、日々の積み重ねなんやなあと、うちはしみじみ思いますんえ。

🏗️舟屋の姿かたちが物語る歴史

 舟屋の建ち姿も、時代とともに移り変わってきましたんどす。18世紀ごろの舟屋は茅葺き屋根の、壁が内側へ傾いた木造平屋やったそうどす。

 それが明治13年から昭和25年ごろにかけてのブリ漁の好景気、いわゆるブリ景気の時代に、その多くが瓦葺きの二階建てへと建て替えられていきましたんえ。昭和6年から始まった道路の拡張工事で、舟屋そのものが海側へ移された家も多かったそうどす。

 燻したような色合いの杉板の壁と、黒々とした瓦屋根。一階は今も船を寄せる場として、二階は暮らしの場として使われる姿を眺めとると、姿は変わっても受け継がれてきた漁師の暮らしの知恵を感じますんえ。

🚤今も舟屋のそばで暮らす人らの姿

 舟屋に実際に住まいしとる家は、今ではそう多うはのうなってきたそうどす。船もFRP製になって大型化した分、舟屋の中へは収めきれず、係留する家も増えてきたんどすなあ。

 せやけど「幸洋丸」いう舟屋では、内部を見学させてもろうこともできますんえ。舟屋の一階に立って海を見つめとると、この場所で幾世代もの漁師さんが船を見送り、迎えてきたんやろなあと、しみじみした気持ちになりますんえ。

📍行っ得メモ

・京都府与謝郡伊根町平田(伊根浦地区)一帯、天橋立から車で約30分
・舟屋内部見学「幸洋丸」は水曜定休、平日11時〜16時・土日祝10時〜17時、大人200円・小学生100円
・駐車場は伊根浦公園駐車場、七面山駐車場(いずれも有料)
・平成17年7月22日、漁村として全国初、海を含む区域として初の重要伝統的建造物群保存地区に選定

 舟屋の一軒一軒に流れてきた歳月と、それを守り抜いてきた人らの積み重ねを思うと、伊根浦の景色がまた一段と味わい深う見えてきますんえ。国の宝いうんは、誰かがひょいと決めるもんやのうて、こないして丁寧に積み上げてきたもんなんどすなあ。

 そんな伊根浦の燻し杉と瓦屋根の町並みを思い浮かべながら、純米大吟醸YUTAKA(豊)はぬる燗よりやや涼しい十二度前後、ふっくらとした丸みのある陶器の盃でいただくのがようございますんえ。舟屋の一階と二階が積み重なるように、お米の旨みと吟醸の香りが幾層にも折り重なる味わいに、きっと出会えますのや。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

大吟醸KYOTO YUTAKAを見る/購入する

FAQ
Q. 伊根浦はいつ、重伝建に選ばれたんどすか?
A. 平成17年(2005年)7月22日、伊根浦は国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれましたんえ。漁村としては全国で初めて、しかも選定区域に海まで含まれるいうんも初めての例やそうどす。約310.2ヘクタールという広い範囲が指定されたんどす。

Q. 舟屋は昔とおんなじ姿どすか?
A. 18世紀ごろの舟屋は茅葺き屋根の平屋やったそうどす。明治13年から昭和25年ごろのブリ景気の時代に、その多くが瓦葺きの二階建てへと建て替えられましたんえ。せやけど規模や形は今も昔ながらの伝統が守られとります。

Q. 舟屋の中を見せてもらえるとこはあるんどすか?
A. 「幸洋丸」いう舟屋で内部見学ができますんえ。平日は11時から16時、土日祝は10時から17時まで、水曜は定休どす。料金は大人200円、小学生100円で、伊根浦の暮らしをすぐそばで感じてもらえますんえ。

Q. 伊根浦には舟屋が何軒あるんどすか?
A. 伊根湾の岸沿いに、約230軒もの舟屋がずらりと連なっとりますんえ。青島や周りの魚付林と溶け合うて、独特の漁村景観をつくっとります。修理・修景の事業も重ねられ、今も大切に受け継がれとりますんどす。

0件のコメント
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。