海の京都物語 第226話 宮津・成相寺の山懐にひっそり伝わる、幼子の泣き声が今も響くという撞かずの鐘の哀しい言い伝えどす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語も第226話。今回も宮津市からのお届けどす。天橋立を見下ろす名刹・成相寺には、股のぞきで知られる傘松公園からさらに山を登った先に、もうひとつの物語が息づいとります。
西国三十三所第二十八番札所として知られる成相寺どすが、今日はその境内にひっそりと佇む、ある鐘にまつわる言い伝えをお話ししますえ。
🏔️ 千三百年余りを刻む山の古刹
成相寺は慶雲元年(704年)、文武天皇の勅願により真応上人が開いたと伝わる古刹どす。鼓ヶ岳の中腹、標高三百二十八メートルほどの場所に本堂を構え、境内からは日本三景のひとつ天橋立を一望できますのや。
本尊の聖観世音菩薩は三十三年に一度だけ扉が開かれる秘仏で、直近では二〇〇五年に開扉されたと聞いとります。
🔔 いつしか撞かれんようになった鐘
境内には慶長十三年(1608年)に鋳造されたと伝わる梵鐘があります。鋳造の折、見物に来ていた子供が誤って熱く煮えたぎる坩堝の中に落ち、命を落としてしもうたそうどす。
できあがった鐘を撞くと、まるで赤子の泣き声のような音色が響いたと言い、人々はその子を弔う気持ちから、以来この鐘を撞くのをやめてしもうたんどす。それで「撞かずの鐘」と呼ばれるようになったんえ。
🙏 弔いの静けさが今に伝わる
悲しい出来事から生まれた鐘どすが、決して恐ろしいだけのお話やあらしまへん。子を悼む人々の優しさが、鐘を鳴らさへんという選択に込められとるんやと思いますのや。
静まりかえった鐘の前に立つと、ざわめいとった心もふっと鎮まるような、そんな不思議な気持ちになりますえ。
📍行っ得メモ
・住所:京都府宮津市成相寺339
・拝観時間:8:00〜16:30
・拝観料:500円(30名以上は400円)
・アクセス:天橋立駅からタクシー約20分、または天橋立ケーブルカーで傘松公園まで上り成相寺登山バスを利用
撞かずの鐘の静けさは、悲しみをそっと抱きしめるような優しさどす。天橋立の景色に見とれるだけやのうて、そんな言い伝えにもふと耳を傾けてみておくれやす。
そないな静けさに寄り添うなら、YUTAKAはひんやりと冷やして、ぐい呑みでちびりちびりといただくのがよろしおす。まろやかな米の甘みの奥に、すっと引き締まる後味があって、鐘の音のない境内の静寂と重なるような、しみじみとした味わいがしますのや。
ほな、また次回のお楽しみに。これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 撞かずの鐘とはどんな伝説どすか?
A. 慶長十三年(1608年)に鋳造された梵鐘にまつわる言い伝えどす。鋳造の折、見物に来ていた子供が誤って坩堝に落ち命を落としてしまい、できあがった鐘を撞くと赤子の泣き声のような音がしたことから、弔いの気持ちを込めて撞かれんようになったと伝わっとります。
Q. 成相寺はどんなお寺どすか?
A. 西国三十三所第二十八番札所で、慶雲元年(704年)に真応上人が開いたと伝わる古刹どす。鼓ヶ岳の中腹に本堂があり、境内からは日本三景の天橋立を一望できる、宮津市を代表する名刹のひとつどす。
Q. 撞かずの鐘は今も見られますか?
A. はい、成相寺の境内にお祀りされており、拝観の折に見ることができますのや。ただし言い伝えを大切にする意味からも、鐘を実際に撞くことはせず、静かに手を合わせて見守るのがよろしいかと思いますえ。
Q. 成相寺へのアクセスを教えてください
A. 京都丹後鉄道の天橋立駅からタクシーで約20分どす。天橋立ケーブルカーで傘松公園まで上がり、そこから成相寺登山バスに乗り継ぐ行き方もありますので、天橋立観光と合わせて訪れるのがおすすめどす。
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