海の京都物語 第318話 丹後ちりめん、始まりの技がまだ生きとるんどすえ、西山機業場で今も響く機音を聞いてきましたんどす|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語、第318話どす。これまで与謝野町加悦では、ちりめん長者と呼ばれはった尾藤はんの洋館付きのお屋敷(第179話)や、丹後ちりめんの歴史をまとめて学べる資料館(第159話)をご紹介してきましたなあ。

 せやけど今日お訪ねするんは、資料館でも豪邸でものうて、今もほんまに機(はた)を織ってはる"現役"の工場どす。与謝野町加悦のちりめん街道、重要伝統的建造物群保存地区に残る「西山機業場」、通称・杉本家住宅のお話をさせてもらいますえ。

🧵 屋根のない建築博物館、ちりめん街道

 加悦のちりめん街道は、平成17年(2005年)12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されはった町並みどす。江戸時代から昭和初期にかけて建てられた町家や機屋、土蔵など約260棟が今も軒を連ねとって、日本遺産「丹後ちりめん回廊」の中心地のひとつにもなってますんや。

 格子窓の商家や洋館付きの旧家が並ぶ通りを歩いてたら、まるで時間が巻き戻ったみたいどす。うちも石畳をのんびり踏みしめて、一棟一棟の屋根の形を見比べながら歩かせてもろたんどす。

🏭 丹後最古、今も現役の明治工場

 この街道沿いにあるんが「西山機業場」どす。京都府の資料にも「今も機音が聞こえる明治時代の織物工場」「丹後最古のちりめん工場」と記されとって、明治の昔からずっと同じ場所で絹を織り続けてきはった、生きた産業遺産どすなあ。

 建物の中までは普段は入れしまへんけど、外観はいつでも自由に見学でけますんえ。通りに立って眺めとるだけで、資料館の展示とはまた違う、ひりっとした現役感が伝わってくるんどす。

📜 三百年前、西陣から持ち帰った技

 丹後ちりめんそのものは享保7年(1722年)、手米屋小右衛門はんと山本屋佐兵衛はんが京都・西陣で織りの技を習うて、加悦谷に持ち帰らはったんが始まりやと伝わってますんや。

 三百年前のその技が、いまだにこの西山機業場で生きとるて思うたら、なんや胸が熱うなりますなあ。歴史の教科書の中の話やのうて、今この瞬間も誰かが織ってはる、ちゅうのがすごいことどす。

👂 格子戸の向こうに響く機音

 尾藤はんのお屋敷(第179話)が、ちりめんで財を成さはった"成功の証"やとしたら、西山機業場は三百年前から変わらん"織りの現場"そのもの。同じ街道にあっても、見えてくる物語はまるで違うんどすなあ。

 格子戸の向こうからカタンコトンと機の音が漏れ聞こえてきて、ああ、今もほんまに織ってはるんやなあ、て実感するんどす。資料館で学んだ歴史が、目の前で音になって流れとる、そんな不思議な感覚どした。

📍行っ得メモ

・ちりめん街道は与謝野町加悦地区、旧加悦町役場庁舎(観光案内所)を起点に散策がでけます
・西山機業場(杉本家住宅)は外観見学のみ、内部見学にはガイドの予約が必要どす
・お問い合わせ・ガイド予約は与謝野町観光協会(TEL 0772-43-0155)まで
・近くには丹後ちりめん歴史館(第159話)、旧尾藤家住宅(第179話)もあるので合わせてどうぞ

 資料館で歴史を学んで、お屋敷で繁栄を偲んで、最後はこうして今も織り続けてはる現場に出会う。三百年続くちりめんの物語が、過去のもんやのうて"今も進行形"なんやて教えてもろたような、そんな加悦の午後どした。

 宿に戻って、ちろりでぬくめた純米大吟醸YUTAKAを盃に注いだら、機音の余韻がまだ耳の奥に残っとるような気ぃがしましたんや。ぬる燗でふわりと広がる米の甘みと、三百年織り継がれてきた絹糸みたいに細うて長い余韻。すっと喉を通るたび、加悦の職人はんの手仕事に、そっと盃を掲げとうなるひとときどした。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 西山機業場はどこにありますか?
A. 与謝野町加悦のちりめん街道、重要伝統的建造物群保存地区の中にある明治時代建造の織物工場どす。丹後に現存する最古のちりめん工場とされ、外観はいつでも自由に見学でけますが、内部見学にはガイドの予約が必要どすので、与謝野町観光協会にお問い合わせください。

Q. 丹後ちりめんの歴史は?
A. 丹後ちりめんは享保7年(1722年)、手米屋小右衛門はんと山本屋佐兵衛はんが京都・西陣で織りの技術を学び、加悦谷へ持ち帰らはったんが始まりと伝わっとります。以来約三百年、加悦のちりめん街道には当時の面影を残す町家や工場が今も軒を連ねてますんえ。

Q. ちりめん街道の見どころは?
A. 江戸から昭和初期の町家・機屋・土蔵など約260棟が残る町並みどす。平成17年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、日本遺産「丹後ちりめん回廊」の中心地のひとつにもなってます。西山機業場のほか、旧尾藤家住宅や丹後ちりめん歴史館も合わせて巡れますんえ。

Q. YUTAKAはどんな温度で楽しむのがええ?
A. 純米大吟醸YUTAKAは、きりっと冷やしても、ちろりでぬる燗にしてもそれぞれの表情を楽しめるお酒どす。今回ご紹介したような機音響く町並みを歩いた後は、ぬる燗でふわりと広がる米の甘みと長い余韻が、職人はんの手仕事にじんわり思いを馳せる時間にようお似合いどすえ。

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