海の京都物語 第326話 「一枚、二枚…」と皿を数えるお菊さんの幽霊話、ほんまのルーツは宮津の小さなお稲荷さんやったんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)
『海の京都物語』もはや第326話を数えることになりました。これまで天橋立の絶景や智恩寺はんの知恵の菩薩さま、宮津城下町の賑わいなど、宮津のあちこちをご紹介してきたんどすけど、今日はちょっと毛色の違う、ひんやりするようなお話をさせてもらいますえ。
宮津の城下町のど真ん中、大手川のほとりにひっそりと佇む小さなお稲荷さんが二つあるんどす。その名も「菊姫稲荷」と「一色稲荷」。実はこの小さな祠、全国に知られるあの有名な怪談話と、丹後一色氏の悲しい最期にまつわる、知る人ぞ知るお話を秘めてはるんどすえ。
🏯 大手川のたもとに残る宮津城の記憶
菊姫稲荷が建っている土壇は、古い絵図と重ね合わせてみると、かつて波路口にあった桝形虎口を囲んでいた石塁の一部やったことが分かるんどす。宮津城の縄張りの名残が、こんな身近な場所にひっそり残ってはるんどすなあ。
大手川沿いを歩いてみると、かつて宮津藩の城下町として栄えた頃の面影が、今も町のあちこちに息づいてるのを感じるんどす。川のせせらぎを聞きながら、お城があった時代に思いを馳せる、静かなひとときどす。
👻「一枚、二枚…」お菊さんの幽霊、ほんまのルーツは宮津やった
「番町皿屋敷」や「播州皿屋敷」で知られる、お菊さんの幽霊がお皿を「1ま〜い、2ま〜い」と数える、あの有名な怪談話。実はこの話、大膳橋のたもとにある菊姫稲荷に伝わる「丹州皿屋敷」がルーツとも言われてるんどすえ。
日本中で語り継がれる怪談の源流が、まさかこんな小さな宮津の稲荷さんにあったとは。夜、大手川のほとりをそっと歩くと、どこからか皿を数える声が聞こえてきそうな、そんな不思議な気配が漂ってるんどす。
⛩ 一色稲荷に眠る、丹後一色氏の悲しい最期
中世丹後の国の守護やった一色氏の当主・義定は、細川藤孝の娘である伊也と結婚し、奥丹後を治めてはったんどす。山崎の戦いでは明智光秀方について戦いましたが、その後、細川家家臣の屋敷で忠興らに謀殺されてしまわはったんどす。
この事件をきっかけに丹後一色氏は滅亡してしまい、その祟りを恐れた人々が祠を建てたのが一色稲荷の起源とされてるんどす。小さな祠の前に立つと、戦国の世の無常さがじんわりと胸に迫ってくるんどすえ。
🚶 城下町をそぞろ歩く、静かな史跡めぐり
観光客で賑わう天橋立とはまた違う、地元の人の暮らしに溶け込んだ宮津城下町。大手川沿いをゆっくり歩きながら、こうした小さな史跡をひとつひとつ訪ねてみると、宮津の奥深さにあらためて気づかされるんどす。
派手な観光スポットやないからこそ、静かに手を合わせて、昔の人々が感じたであろう畏れや祈りに、そっと思いを寄せてみるのもええもんどすえ。
📍行っ得メモ
・菊姫稲荷:宮津市街地、大手川沿いの大膳橋のたもとに鎮座
・一色稲荷:宮津城下町エリア内に鎮座(所在地の詳細は現地の案内板等でご確認ください)
・アクセス:京都丹後鉄道「宮津駅」から宮津城下町エリアまで徒歩圏内
・見学:いずれも小さな祠で、参拝は自由(地域の方の生活圏でもあるためマナーを守ってお参りください)
・周辺には宮津城跡の大手門・大手橋・桝形虎口の名残も点在
派手さはなくとも、こうして小さな祠に込められた物語をたどってみると、宮津という町の奥行きを感じずにはいられんのどす。観光地の華やかさだけやない、地元の人々が大切に守ってきた記憶に触れる旅も、また格別どすなあ。
そんな静かな夜には、冷やしたガラスの酒器に注いだ純米大吟醸YUTAKAを、ゆっくりと味わうのがようお似合いどす。きりっと澄んだ喉ごしと、ほのかに広がる上品な香りが、城下町に眠る物語の余韻をそっと包み込んでくれるような、そんな一杯どすえ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 菊姫稲荷はどこにあるんどすか?
A. 菊姫稲荷は、宮津市街地を流れる大手川沿い、大膳橋のたもとにひっそりと鎮座してはるお稲荷さんどす。古い絵図と重ね合わせると、かつて宮津城の波路口にあった桝形虎口を囲む石塁の一部やったことが分かる、歴史の面影を今に伝える小さな史跡どすえ。
Q. 「丹州皿屋敷」とはどんな伝説?
A. 全国的に有名な「番町皿屋敷」や「播州皿屋敷」といった、お菊さんの幽霊がお皿を数える怪談話のルーツのひとつとされるのが、宮津の菊姫稲荷に伝わる「丹州皿屋敷」どす。日本各地に広まった怪談の源流が、宮津のこんな小さなお稲荷さんにあったかもしれへんというのは、なんとも興味深いお話どすなあ。
Q. 一色稲荷にはどんな由来が?
A. 中世丹後の守護やった一色氏の当主・義定は、細川藤孝の娘である伊也と結婚し奥丹後を治めてはりましたが、山崎の戦いの後、細川家家臣の屋敷で忠興らに謀殺されてしまわはったんどす。この事件で丹後一色氏は滅亡し、その祟りを恐れた人々が祠を建てたのが一色稲荷の起源やと伝わってますんや。
Q. この物語とお酒、どう楽しむ?
A. 城下町に眠る怪談や歴史に思いを馳せながら、静かな夜にひんやり冷やした純米大吟醸YUTAKAをガラスの酒器でいただくのがおすすめどす。すっきりとした喉ごしと上品な香りが、宮津の町に息づく物語の余韻を、そっと引き立ててくれますんや。
京都 丹後