海の京都物語 第496話 宮津の町なかにひっそり建つ、異国の神父はんが遺しはった祈りの聖堂を、一緒に訪ねておくれやすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語も、はや第四百九十六話を数えますなぁ。これまで宮津市だけでも、天橋立の絶景や智恩寺はんの文殊さん、籠神社はんの元伊勢さん、飯尾醸造はんの富士酢に丹後ぐじ、丹後とり貝言うて、ぎょうさんのお話をさせてもろてきましたんや。

 せやけど今日は、ちょっと毛色の違う一軒をご紹介しますえ。宮津の町なかにひっそり建つ、木造の洋館――いえ、正しくは「教会」はんどす。異国の神父はんが、この港町に遺しはった祈りの聖堂を、一緒に訪ねてみまひょ。

⛪ フランス人神父はんが、宮津に根を下ろしはった

 明治十八年(一八八五年)に来日したフランス人宣教師、ジャン=ルイ・ルラーブ神父はん。担当しはった区域は若狭から但馬まで広がる、えらい広大なもんどしたが、その拠点に選ばはったんが、この宮津やったんどす。

 明治二十一年(一八八八年)に教会を興し、土地は宮津の旧家・田井五郎衛門はんが寄進しはりました。そないして八年の歳月をかけて、明治二十九年(一八九六年)、ついに天主堂が完成しましたんや。資材の多くは地元産、施工も地元の大工はんが手がけはったそうどす。

🪟 和と洋とが、ひとつ屋根の下でまじりおうとる

 外から見たら、三角屋根に十字架を戴いたロマネスク様式の洋館どす。せやけど扉は外開きやのうて、横にすーっと滑る引き戸。堂内に信徒席は置かれんと、畳敷きの床にアーチ型の天井が見下ろしとるんどす。

 身廊を支える円柱には欅が使われ、正面には大きな薔薇窓。はめ込まれとるステンドグラスは、創建当時にフランスから取り寄せられたもんやと伝わっとります。洋風の骨組みに、畳や欅いう和の素材がすっと馴染んどる、ここにしかない姿どすなぁ。

📜 地震を乗り越えて、国の重要文化財に

 昭和二年(一九二七年)の北丹後地震では、建物も被害を受けましたんや。正面まわりなどの修理はされましたけど、骨格はほとんど建設当時のまま、今日まで大切に守られてきましたんどす。

 長崎の大浦天主堂に次いで、毎週ミサが続けられとる教会としては日本でも最古級とされとるこの聖堂。その歴史的な値打ちが認められて、近年は国の重要文化財にも指定されましたんや。小さな港町に、こないな値打ちもんが残っとるやなんて、ほんま誇らしい話どすなぁ。

🕊️ 今も祈りの続く、町なかの小さな聖堂

 宮津駅から歩いてほんの五分ほど。住宅や商店に囲まれた一角に、すっと背筋を伸ばして建つ姿は、どこか凛としとります。日曜の朝にはミサの鐘が静かに響いて、信者はんらが今も祈りを捧げとるんどす。

 薔薇窓から漏れる柔らかい光、畳に正座して見上げるアーチ天井……異国の神父はんが異郷の地で紡ぎはった祈りの時間が、百三十年の時を超えて、今もこの町に息づいとるんを感じますえ。

📍行っ得メモ

・所在地:京都府宮津市宮本500番地
・アクセス:京都丹後鉄道 宮津駅から徒歩約5分
・拝観:外観見学は自由(年中無休)。堂内の拝観時間は限られ、日曜の礼拝の時間帯は見学不可なので、訪れる前に要確認どす
・拝観料:無料
・堂内は撮影禁止

 異国から海を渡ってきはった神父はんの祈りと、それを受け止めた宮津の人らの心根。そのふたつが寄り添うて、この聖堂はこないに美しい姿で残っとるんやなぁと、しみじみ思いましたんどす。

 この静かな聖堂に思いを馳せながらいただくなら、YUTAKAはひんやり冷やして、薄手のワイングラスでどうどすやろ。ステンドグラス越しの光みたいに澄んだ透明感と、ふわりと広がる上品な吟醸香。喉を滑る柔らかい米の甘みは、異文化がそっと寄り添うたこの町の歴史と、どこか重なる気がしますんえ。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. カトリック宮津教会はいつ建ったんどす?
A. 明治29年(1896年)に建てられた木造の教会どす。フランス人宣教師ジャン=ルイ・ルラーブ神父はんが明治21年に教会を興さはり、8年がかりで天主堂が完成しましたんや。長崎の大浦天主堂に次いで、毎週ミサが続く教会としては日本でも最古級とされとります。

Q. どないな建築様式のお堂なんどすか?
A. 外観は三角屋根に十字架を戴いたロマネスク様式どすが、堂内は畳敷きで信徒席がなく、扉も横に滑る引き戸という和洋折衷の造りどす。欅の円柱や、フランス製と伝わる薔薇窓のステンドグラスも見どころどすえ。

Q. 今も中を拝観できますんか?
A. 外観はいつでも自由に見学できますが、堂内の拝観は時間が限られとり、日曜の礼拝の時間帯は見学できまへん。現役の教会として今もミサが行われとりますさかい、訪れる前に時間を確かめておくれやす。

Q. YUTAKAはどんな風に楽しんだらよろしい?
A. 聖堂の静けさに合わせるなら、よう冷やして薄手のワイングラスでどうどすやろ。澄んだ透明感とふわりとした吟醸香、喉を滑る柔らかい米の甘みが、異文化がそっと溶け込んだ宮津の町の歴史としっとり重なりますえ。

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