海の京都物語 第527話 久美浜町須田の古墳の土の中で千四百年も静かに眠っとった龍の大刀に、うちほんまに息をのむほど見惚れてしもうたんどすえ|日本酒YUTAKA(豊)

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 海の京都物語も、気づけば五百二十七話。久美浜湾のかき筏や小天橋の夕景、かぶと山からの大パノラマ——これまで何度も久美浜町を歩いてきましたけど、今日はちょっと目線を変えて、海でも山でもなく『土の中』の物語を一つ、紹介させてもらうわ。

 舞台は久美浜町須田。伯耆谷川(ほうきだにがわ)沿いの谷あいにひっそりと築かれた、小さな円墳どす。せやけど、その土の下から出てきたもんを知ったら、きっとびっくりしはると思うえ。

⚔️千四百年前、谷あいに眠っとった古墳

 この古墳は『湯舟坂2号墳』と呼ばれとって、直径およそ18メートルの円墳どす。墳丘のすそには列石が巡り、まわりには幅0.8〜3.6メートルの周溝もある、なかなか手の込んだつくりやそうどす。

 埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、全長10.6メートル、花崗岩の巨石を積み上げてできとります。1981年(昭和56年)に久美浜町教育委員会が発掘調査をしたところ、石室の中は盗掘を受けとらん、手つかずの状態やったそうどす。千四百年近う、誰にも荒らされんと眠り続けとったわけどすなあ。

🐉柄に龍が巻きつく、黄金の大刀

 未盗掘の石室から出てきた副葬品の中でも、ひときわ目を引くのが『金銅装双龍環頭大刀(こんどうそうそうりゅうかんとうたち)』どす。柄の先端の環に、向かい合う龍が2対、合わせて4頭も彫り込まれた、豪華な意匠の大刀え。

 ほかにも銀装の圭頭大刀や直刀、鉄鏃が百本余り、轡や鞍・鐙といった馬具、金の耳環まで出てきたそうどす。中には銅鋺(どうわん)という仏具もあって、この時代すでに仏教文化が丹後に入ってきとったことを示す、貴重な手がかりにもなっとるんえ。

🏛国の重要文化財、受け継がれる保存修理

 この価値が認められて、古墳そのものは1983年(昭和58年)4月15日に京都府指定史跡に、出土品は同じ年の6月6日に『丹後湯舟坂二号墳出土品』として国の重要文化財に指定されたそうどす。

 発掘から40年あまりが経って金属製品の傷みが見つかったことから、2022年度から2025年度にかけて文化庁の事業を活用した保存修理が行われ、今年度ようやく完了したと聞いたわ。千四百年前の職人の仕事を、令和の今も職人の手で守り継いどる——そう思うと、なんや胸が熱うなるんどす。

🏯丹後王国の記憶をたどる

 京丹後市には、こうした古墳時代の繁栄ぶりを『丹後王国』の物語としてまとめた施設もあるんどす。丹後町宮にある市立丹後古代の里資料館で、2012年9月にリニューアルされた常設展示では、縄文の暮らしから丹後王国の成立・隆盛・衰退、そして丹後国の誕生まで、9つのテーマで紹介されとります。

 湯舟坂2号墳の大刀も、そうした『海を越えてつながっとった丹後』を物語る証の一つなんやなあと、資料を読みながらしみじみ思うたわ。

📍行っ得メモ

・湯舟坂2号墳の所在地:京丹後市久美浜町須田(伯耆谷川沿いの谷あい)
・古墳自体は京都府指定史跡(1983年4月15日指定)、出土品『丹後湯舟坂二号墳出土品』は国指定重要文化財(1983年6月6日指定)
・出土品の保存修理事業は2022〜2025年度に実施され、今年度完了
・丹後王国の歴史を学べる京丹後市立丹後古代の里資料館(丹後町宮108番地、電話0772-75-2431)も合わせて要チェック
・現地は文化財保護区域のため、見学前に京丹後市教育委員会文化財保存活用課(0772-69-0640)へ確認するのがおすすめ

 誰も足を踏み入れんかった石室で、千四百年もの間静かに時を待っとった龍の大刀。それが令和の今、丁寧な手で修理され、またこうして物語として語り継がれていく——そんな巡り合わせに、久美浜の土の重みをあらためて感じた一日どした。

 この話を思い出しながら、うちは今夜、切子のぐい呑みで純米大吟醸YUTAKAをキュッと一杯。きりっと冷やした酒を傾けると、龍が巻きつく大刀の輝きが、グラスの中の澄んだ酒にそっと重なって見える気がするんえ。千四百年の時を超えて届いたんは太刀だけやない、丹後の土と水が育んだこの酒も、同じ物語の続きなんやろなあと思いながら。

ほな、また次回のお楽しみに。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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FAQ
Q. 湯舟坂2号墳ってどこにあるんどす?
A. 京都府京丹後市久美浜町須田、伯耆谷川沿いの谷あいに築かれた円墳どす。直径はおよそ18メートルで、1981年(昭和56年)に久美浜町教育委員会が発掘調査を行い、石室内は盗掘を受けとらん手つかずの状態で見つかったんどすえ。

Q. 出土した大刀にはどんな特徴が?
A. 柄の先端に龍が2対、合わせて4頭彫り込まれた『金銅装双龍環頭大刀』という豪華な太刀どす。ほかにも銀装の圭頭大刀や馬具、仏具とされる銅鋺なども出土していて、当時すでに仏教文化が丹後に入ってきとったことを示す貴重な資料にもなっとるんえ。

Q. いつ重要文化財になったんどす?
A. 古墳自体は1983年(昭和58年)4月15日に京都府指定史跡となり、出土品は同じ年の6月6日に『丹後湯舟坂二号墳出土品』として国の重要文化財に指定されたそうどす。発掘品の保存修理も2022〜2025年度に行われ、今年度完了したと聞いとります。

Q. 出土品はどこで見られますか?
A. 古墳そのものに展示施設はありませんが、丹後王国の歴史は京丹後市立丹後古代の里資料館(丹後町宮108)で学べます。出土品の保管・展示状況は変わることもあるため、お出かけ前に京丹後市教育委員会文化財保存活用課(0772-69-0640)へご確認くださいね。

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