海の京都物語 第380話 日本海にぽっかり浮かぶ空母みたいなお山、丹後町矢畑の依遅ヶ尾山で役行者はんに手を合わせてきましたんえ|日本酒YUTAKA(豊)
「海の京都物語」も気づけばこの第380話どす。久美浜や網野、丹後町の海岸、古墳に古社、酒蔵の話まで、京丹後のあちこちを一緒に歩いてきましたなあ。
今回ご案内するのは、丹後半島の付け根、丹後町矢畑(やばた)の集落から見上げる依遅ヶ尾山(いちがおさん)どす。日本海の沖から眺めると、まるで空母が浮かんでいるように見えるいう、ちょっと変わったお山なんどすえ。
🚢 日本海に浮かぶ空母のような山
依遅ヶ尾山は京都府京丹後市丹後町にある標高540メートルの山どす。京都府が公表している地形データによりますと、新第三紀中新世の「乗原(のばら)石英安山岩」という岩石からできた山で、山頂部には広く平坦な面が広がっているんやそうどす。
山頂のまわりは急斜面に取り巻かれ、北側はとりわけ急で、下のほうには大規模な地すべり地形も見られるとのこと。そのせいで、日本海沖や丹後半島の北岸から眺めると、どっしりとした独立峰が海にぽっかり浮かんでいるように見え、「航空母艦のような形態」と形容されるほど、地元では昔から親しまれてきたランドマークやそうどす。
矢畑の集落から見上げると、すそ野から山頂まで一気に目に入ってきて、なるほどこれは船のように見えるわ、と思わず声が出てしまいましたんえ。
🌋 かつて火山やった山の記憶
京丹後市がまとめた資料によりますと、依遅ヶ尾山はかつて活火山やったものの、今は活動していない山なんやそうどす。山頂には役行者(えんのぎょうじゃ)を祀る石室があり、古くから修験や信仰の対象にもなってきた山どす。
同じ資料では、この山は「関西百名山」のひとつにも数えられていると紹介されており、登山者にもよう知られた存在なんどす。
山頂の石室にそっと手を合わせると、火を噴いていた遠い昔と、今の静かな風とがいっぺんにつながるような、不思議な気持ちになりましたんえ。
⛩️ 文化十四年の鳥居と登山道の物語
矢畑側の登山道には、文化14年(1817年)の銘が残る鳥居があったことが、京丹後市の資料に記されています(現在は倒壊しているとのこと)。道中には「ありがむね」と呼ばれる休み場や「ここで一服」と名づけられた地点があり、くるみや梨の木も見られるそうどす。
二百年前の人らも、この同じ道をふうふう言いながら登ってきたんやろか、思うと、一歩一歩に重みが出てきますなあ。
🗻 山頂から望む日本海と白山
山頂に立つと、目の前には日本海がどーんと広がります。京丹後市の資料には、条件がそろえば遠く石川県の白山(標高2702メートル)まで見渡せることもある、と紹介されていますが、これは天候次第の話やそうなので、その日の運次第という楽しみ方どす。
実際には木々が途切れたとたん視界がぱあっと開けて、潮風がすうっと頬をなでていきましたんえ。
🎌 矢畑のお祭りと受け継がれる登山
矢畑は「依遅ヶ尾山の郷」とも呼ばれる集落で、丹後町の公民館連絡協議会などが関わって、集落のお祭りにあわせた登山会が今も続けられているんやそうどす。
山と祭りと暮らしが、こうして今も結びついているて知って、ひとり勝手に嬉しなりましたんえ。
📍行っ得メモ
・依遅ヶ尾山:京都府京丹後市丹後町矢畑、標高540メートル
・矢畑側の登山口には「いちがお登山駐車場」あり(駐車場の収容台数など詳細は現地・観光公社へ要確認)
・北側の乗原(のばら)集落側からのコースもあり
・山頂までの所要時間はコースや個人差で変わるため、事前に京丹後市観光公社などで最新情報を確認してからどうぞ
空母のような山も、二百年前の鳥居も、今も続く登山会も、知れば知るほど奥が深い依遅ヶ尾山どした。京丹後にはまだまだ、こないな山や物語がひっそり眠ってるんやろなあと思うと、次はどこを歩こうかと、もう次回が待ちきれしまへん。
山をひとつ登り切ったあとの一杯いうたら、やっぱり格別どす。純米大吟醸YUTAKAは、きりっと冷やしてガラスの盃でいただくと、山頂で浴びた潮風みたいにすうっと喉を通り抜けて、米の甘みがふわりと鼻に抜けていきますんえ。火照った体にちょうどよう沁みる、そんな一杯どす。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. 依遅ヶ尾山はどこにあるんどす?
A. 京都府京丹後市丹後町矢畑にある、標高540メートルの山どす。日本海沖や丹後半島の北岸から眺めると、どっしりした姿が海にぽっかり浮かぶ空母のように見えることから、地元で古くから親しまれてきたランドマークなんどす。
Q. なんで空母みたいに見えるんどす?
A. 京都府の地形データによりますと、依遅ヶ尾山は新第三紀中新世の乗原石英安山岩からなる独立峰どす。山頂に広い平坦面があり、まわりは急斜面に取り巻かれ、北側には大規模な地すべり地形もあることから、海側から見ると空母のような輪郭に見えるんやそうどす。
Q. 依遅ヶ尾山の山頂には何があるんどす?
A. 山頂には役行者(えんのぎょうじゃ)を祀る石室があり、修験や信仰の対象にもなってきたんやそうどす。京丹後市の資料では、この山はかつて活火山やったとも紹介されており、条件が整えば遠く石川県の白山まで見渡せることもあるそうどす。
Q. 登山は初心者でも大丈夫どすか?
A. 矢畑側には「いちがお登山駐車場」、北側には乗原(のばら)集落からのコースもあり、山頂には役行者を祀る石室があります。ただしコースの難易度や所要時間は季節や体力で変わりますので、京丹後市観光公社など最新の情報を確認したうえで、無理のない計画でお出かけください。
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